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インプラントのブリッジ症例

2023年10月26日

インプラントのブリッジ症例

ほとんど歯が残っていない上顎に対して、インプラントのブリッジで治療した症例です。

以前、歯がない顎に対して、All on 4コンセプトの治療を行った症例をご紹介しました。
今回もほとんど歯が残っていない上顎に対する治療ですが、残っている歯が治療したら問題なく使っていける状態でしたので、
それを温存して尚且つ固定式の歯を入れるにはどのようにするのか、という治療プランを考える必要がありました。

 

当院を受診された時のお悩み

 

「上の入れ歯でしっかり噛めない」
というものでした。上顎は3本歯が残っておられて、あとは部分入れ歯が入っていました。
術前はこのような状態でした。


術前正面:歯の欠損が広範囲に認められます。


術前右側:惻切歯、犬歯、第一小臼歯のみ残存していました。


術前左側:すべて欠損でした。

欠損に至った原因ですが、虫歯がひどくなり、治療を繰り返すうちに徐々に歯が抜かれていったとのことでした。
虫歯の治療も際限なくできるわけではありませんので、最初は虫歯のところを埋める簡単な施術で済むのですが、
根管治療をして被せ物を入れる→虫歯が再発し最治療、となったら、残っている歯の量が少なすぎて抜歯になってしまいます。
抜歯後にブリッジや部分入れ歯で欠損を補ったあとは、欠損の負担がブリッジや部分入れ歯の土台の歯にかかってきますので、
長い時間をかけて抜歯に近づいてくようなものです。
そのようにして、この方は徐々に欠損の範囲が拡大していき、10本の欠損に至ったわけです。
大きい部分入れ歯が入った後、このようなお悩みが出てきました。
・ガタガタして硬いものが噛めない。
・食事の際、入れ歯と歯ぐきの隙間に食べ物が入り込む。
・歯ぐきが痩せてくるので、作り直さないといけない。
・入れ歯の金属のバネをしばしば調整しないとゆるくなってしまう。
。入れ歯のピンクの床の部分が割れてきた。
などなど、入れ歯あるあると言えます。
インプラントだからできる生活があると思います。それは、天然の歯があった頃を取り戻せる方法だからこそ、
自然に自由な生活を楽しむことができます。非常に治療効果が高いと考えております。

今回の症例の話に戻ります。
実は、この治療を行ったのはかなり前で、私たちはその時ノーベルガイドのシステムを導入していませんでした。
ノーベルバイオケアのインプラントをずっと使用していたのは変わらないのですが、
この症例後に、ノーベルガイドのクリニシャンというソフトと、ガイド用のオペキットがクリニックに導入されたのを覚えています。
今ならノーベルガイドを使用し、よりスムーズに治療が進んでいただようと思われます。今更ごちゃごちゃ言ってもしょうがないですが。。。

ところで、インプラント治療ならではのやり方で、トップダウントリートメントというものがあります。
簡単に言うと、最終的な歯から逆算した位置にインプラントを埋入するやり方です。

 

ワックスアップ

 



右下奥歯の欠損

歯型をとり、石膏模型を作ります。このように歯がないところに、ワックスを用いて歯の形を作ります。残っている歯や歯列、噛み合わせを踏まえて、理想的な歯の形・位置を設定します。この最終的な歯の設計図を準備するところから始まります。ワックスアップと呼ばれています。



上顎前歯のケース


下顎両側第臼歯部のケース



上顎全部のケース

ノーベルガイドが使用できる状況でしたら、ノーベルバイオケアのソフトにワックスアップ模型のデータを入れて、ガイドを作製していきます。
今回のケースは、ガイド導入前でしたので、技工の先生と手製のガイドを作製し、それを用いて手術を行いました。
院内で、石膏模型上にレジンを使ってガイドを作り、インプラント埋入を行いました。

手製のガイドは、ノーベルガイドと比較すると手術の正確さにおいては劣ってしまいますが、何も手掛かりがないフリーハンドの手術を行うよりかは、最終的な上部構造を反映した位置にインプラント埋入がしやすいと考えています。この症例は、比較的顎の骨の厚みや高さに余裕があったので、このやり方でも問題なかったと考えます。

まだ、現在のようなCTがない時代、インプラントの施術はパノラマX線写真などの平面の写真のみで行われていたわけで、ガイドも当然ない状況でした。そのような中で当時の歯科の先生方は工夫してされていたのだと思います。と考えると、ガイドのシステムがある現在は、医療の技術開発ならではの施術も可能になり、画期的で良いことだと感じております。

埋入後、インプラントと骨が結合する現象が起きます。オッセオインテグレーションと言います。インプラントの表面と骨の組織が直接結合する間は、負荷をかけないようにします。埋入する際、インプラントにかけるトルクを35N以上で固定できたら、初期固定が良好であると判断できます。手術の時はこの良好な初期固定を得るために、工夫をします。たとえば、柔らかい骨質の場合はあまりドリルで形成しすぎないようにします。小さめの穴を開けて、インプラントをねじ込んでいくイメージです。
この1次手術 のあと、一旦骨の組織とインプラントの結合は弱まります。スタビリティーディップと呼ばれます。それがあったあと、徐々に固定がしっかりしてきます。そのため、すぐに力をかけない方が良いです。
ただし、例外はあって、インプラントの先端が鼻腔底や上顎洞底の皮質骨噛み込むよう埋入するやり方では、待機せずに加重することもあります。ALL on コンセプトの治療はそうです。

 

最終上部構造装着後

 


術後正面観:機能的で審美的な歯が入りました。


術後左側:今回の症例のように、顎の骨の高さが豊富に残っている場合、最終上部構造は歯の形そのままを再現したような状態になります。これが骨の高さが吸収して低くなっている場合、歯の部分だけではなく、歯肉も一体となった上部構造を装着することになります。


術後右側:入れ歯と違って何でも噛める!と、患者さんに非常に喜ばれました。

 

インプラント治療って痛い?/strong>

 

よくあるご質問にお答えします。
Q.インプラント治療って痛いですか?
手術のことが一番気になると思います。顎の骨にネジを入れていくのってなんかこわいイメージがあるようです。
手術中は、麻酔をしっかりとかけます。痛みは感じない状態で手術を行います。少しでも痛みを感じられるようなら、麻酔を追加して行います。
全身麻酔ではないので、手術で触られている感覚は当然あります。
音や振動を感じてしまうのが、インプラント治療の埋入時ですね。
埋入後の待機期間や2次手術、上部構造装着などのステップと比べると、
埋入時のストレスが1番大きいわけです。麻酔の量も一番多いです。
また、お口の中は体の他の部分に比べて、傷が治りやすいという特徴があります。
実際に手術された患者さんの感想は、思ったよりも楽だった、早くやっておいてよかったと言うものが多いです。
では全く痛みや腫れがないのかというと、人によって身体の傷の感じ方、治り具合に差がありますので、
侵襲の大きい手術予定の方には特に、腫れや痛みが出る可能性が高いこと、
その際の対処法、不快症状が出ると思われる期間などを詳しくお伝えしております。

当院のインプラント治療のページはこちらです。
ぜひご覧ください。
セカンドオピニオン、相談のみなど歓迎いたします。

歯周病の進行に関わるプラークについて

2023年10月13日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

今回は世界一多い感染症である、歯周病についてのお話しです。

 

感染者数世界一、歯周病のイメージとは?

歯周病と聞くと多くの人は「歯ぐきから血が出る」「歯ぐきから膿が出る」「歯がぐらぐらする」「歯周病の歯は抜かないといけない」など想像されるかもしれませんが、このような想像をした方は、歯周病について歯医者さんやメディアを通じて、一度はその説明を受けたことがあるか、ご自身が歯周病と指摘されたことがある方ではないでしょうか。歯石のついている状態も含めると成人の半分以上は歯周病であり、40歳以上の人の歯を失う原因の約80%が歯周病と言われています。しかし歯周病を正しく理解されている方はその割合よりはずっと少ないでしょう。一昔前の歯科医院でも、あまり歯周病については積極的に施術がされていなかったようで、削って被せる、詰める、あとは一回クリーニングして終了という感じの対応が多かったようです。

 

歯肉炎との違い?

 

歯周病は歯ぐきにのみ炎症が見られる歯肉炎と、歯ぐきと歯を支える歯槽骨に吸収がみられる歯周炎を総称してこのように呼びます。少し前までは「歯槽膿漏」という言い方のほうが一般的でありこちらのほうが馴染みがある方も多いのではないでしょうか。
歯周病とはその言葉通り、歯そのものの病気ではなく「歯」を支えているその「周」囲の組織の「病」気なのです。家に例えると家そのものが壊れるのが虫歯でありその土台を支える基礎の部分、つまり家の建っている土壌そのものが崩れてしまうのが歯周病です。また厄介なことに、この病気は家の場合と同じようにあまり目立たず、気づくのに時間がかかる病気です。一旦それも進行してしまうと家そのものが建っていられなくなります。
歯は目では見えないいくつかの組織で支えられています。歯ぐき、骨、歯と骨を直接結びつける繊維(歯根膜)、その繊維と骨の根を結びつける組織(セメント質)と4つの組織からなりたっています。
この目には見えない部分の病気はレントゲン写真を撮るとよくわかります。歯や骨のように硬い部分レントゲンでは白く写り、歯根膜や歯ぐきなどの柔らかい部分は黒く写ります。そのため、歯を支えるのに大事な骨が歯周病によって失われてるのがよくわかります。歯周病が進み骨が溶けると支えがなくなりますから、歯がぐらぐらしてきます。それでも痛みを伴わないことが多く、目に見えない部分の骨が溶けているのは、本人でもわからないので多くの人はそのまま過ごしています。さらに進行していよいよ噛む力に耐えられなくなるとある日突然歯が抜けてしまった…なんてことにもなります。
では歯周病の原因はなんでしょうか。歯周病は歯ぐきに炎症が起こることから始まり、歯ぐきに炎症が起こると歯ぐきが赤くなったり、腫れたり出血したりします。歯周病の原因は歯の表面についた細菌の集団です。この細菌の集団のことをプラーク(歯垢)といいます。

 

プラークとは

 

このプラークは歯の表面にしっかりとしがみついていて、うがいなどでは決して落ちることがありません。なので、プラークはいわゆる食べ物のカスなどとは全く違うということです。プラーク中の細菌が出すさまざまな物質によって歯ぐきに炎症が起きます。
一般的に歯石が歯周病の原因だと思われている方が多く、歯石を定期的にとってもらているのに、いっこうに歯周病が改善しないと言って来院される方が多数見れます。実は歯石はプラークが石灰化(石のように固くなる)したもので、歯ぐきに炎症を引き起こす原因はプラークより低く、歯や歯の根元の表面がざらつくため、プラークがつきやすくなります。いくら歯石をとってもプラークがつきやすい環境では、歯の炎症が改善しないということです。プラーク以外にも歯並び、嚙み合わせ、歯ぎしりなどの習癖、全身疾患など原因は他にもさまざまありますが、それら単独では歯周病は発症することはなく、プラークが一番の原因です。

 

生活習慣病です

歯周病は生活習慣病とされています。一番の原因は口の中のプラークですが、その細菌は健康なヒトの口の中にも存在しており、その集団であるプラークは個々の食生活やブラッシング習慣、個人の感染に対する抵抗力により大きく違ってきます。口の中のプラークが歯周組織を破壊するかは、その人の生活習慣によっても大きく違っています。生活習慣病の特徴は生活習慣の歪みを正すことにより、その発症を予防できるということです。言い換えると生活習慣病は生活習慣を改善せず医者や歯医者の通うだけでは決して治らないということです。生活習慣病の多くがサイレントディジーズ(静かな病気)と言われ、普段はほとんど症状もなく進んでいく病気であることが特徴です。歯周病の多くは普段からのブラッシングにより予防可能で、歯周病の検査は歯科医院でできます。もし歯周病と言われてしまった方は、普段の食生活と特にブラッシング習慣について見直しと改善が必要です。この改善の指導とチェックは歯科医師や歯科衛生士が行います。
 

歯周病治療の流れ

 

歯周病治療の流れとしてまず最初に、すべての歯と歯ぐきの間にできた隙間(歯周ポケット)の深さと歯周組織の炎症の状態や破壊の程度を調べる検査をします。その程度の差によって治療の方法、難易度、予後の予測が大きく異なるため、この検査で歯周病の程度を把握します。歯肉炎や軽度の歯周炎の場合、生活の改善と原因となるプラークを除去するためのプラークコントロール(ブラッシング習慣や方法の改善)でほぼ正常な歯周組織にもどすことが可能です。中程度進行した歯周炎ではプラークコントロールしたあと、歯周ポケット内のプラークと歯石除去を行います。歯石は表面がざらざらしておりプラークが付きやすいため、通常は手用スケーラーまたは超音波スケーラーと呼ばれる歯石除去のための専用器具で機械的に除去します。さらに歯石を除去した後、プラークで汚染された歯の根本の一層を除去し、平滑にして歯ぐきに対して物理的な刺激をなくすことで、歯ぐきの炎症を抑えます。こうした一連の器具操作をスケーリング・ルートプレーニングと呼びます。歯周病が進行したケースでは、この歯石除去に時間をかけ、徹底して行います。しかし、歯石のついている部位によっては、徹底した除去が難しい場合もあります。そうしたケースや高度に進行した歯周炎の部位に対しては歯周外科を行います。
以上が歯周治療の流れですが、歯周病の治療がおおよそ終了しても再発しないよう、ブラッシングという生活習慣を定期的にチェックし管理していくメインテナンスを継続することが、歯周組織の健康を長期にわたり保つために重要となります。

歯周病の一番の原因はプラークですが、実際はプラークが歯に大量に付いていてもあまり歯周病が進行していない場合や、逆にプラークは非常に少ないのに歯周病が進行いている方もいます。その理由に、歯周病の発症や進行には生体の抵抗性や感受性などが影響し、遺伝的因子や環境因子などが関与していると考えられています。特に歯周病の危険因子と言われているのは喫煙と糖尿病です。喫煙と糖尿病は歯周病の発症や進行に大きく関与しています。また、全身疾患(冠動脈疾患、呼吸器疾患、糖尿病、早産や低体重児出産、骨粗鬆症など)が歯周組織の健康や歯周病に影響を及ぼすことはもちろんですが、歯周病がこれら全身の健康状態に強い影響を与えていることが報告されています。
外来での患者さんも、訪問診療での口腔ケアも、このように全身疾患との関連がありますので、歯周病のケアはずっと生活習慣として続けていく

歯周病の一番の原因はプラークですが、プラーク以外の様々な病因因子の存在が関係いていると言われています。局所因子として嚙み合わせが悪いことなどによる外傷があります。歯の欠損を放置しておくと反対側の歯が伸びてきたりして早期接触が起こり、外傷を受けたりします。また片側の一番奥の歯が喪失し、噛み癖が変化し反対側の一部の歯に負担が集中したりするケースもあります。さらに、高齢になるにつれて生じる咬耗によって咬合高径が下がり、前歯への早期接触が起こるなど生理的にも咬合性外傷は起こるので、長期のメインテナンスでは嚙み合わせの変化のチェックは必要です。
また、ブラキシズムはクレンチング(くいしばり)とグラインディング(歯ぎしり)、タッピング(歯をカチカチさせる)があります。クレンチングは無意識に行われることが多いです。グラインディングは、長年にわたって行われることがあり、どちらも歯に持続的にしかも無意識で噛む力がかかるため、歯の動揺や高度な咬耗などの原因となります。

顎関節症に良くない生活習慣

2023年10月3日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。
今回は、私たちが知らず知らずのうちにやってしまている、顎のためによくない生活習慣について解説します。

 

⚫️クセや習慣を見直しましょう!

 

顎関節症を発症・増悪させる原因を減らすために、日常生活で何気なく行なっているクセや習慣を見直しましょう。気づいて改善していくと症状がグッと楽になります。
ぜひお試しください!

①背筋を伸ばしましょう。

 

つい猫背になっていませんか?猫背にねるとあごが前に出て、顎関節に負担がかかりがちです。とくに仕事や勉強で長時間集中するかたは注意が必要です。ふだんの何気ないクセを見直していきましょう。

 

②上下の歯を離そう。

 

 


何かに集中するときに、無意識に歯を噛み締めてしまうことがありますね。
仕事や家事!運転中や勉強中に歯を噛み締めたり!上下の歯を触らせてはいませんか?上下の歯が触るのは、食事を含めても、通常1日20分程度と言われてきます。上下の歯を触らせるクセがあると、あごの筋肉を疲労させてしまいます。

 

歯を破壊する、TCH(Tooth Contacting Habit) 上下歯列接触癖

 

上下の歯を接触してしまう癖で、TCHというものがあります。これは、歯を接触させないと気が済まない癖みたいなもので、食いしばりや噛み締めとはまた異なります。弱い力でずーっとカチカチしてしまう癖です。お口にとってはとても被害が大きい癖で、厄介です。

TCHの患者さんの口腔内です。最初に来院されたとき、すでに歯が病的に磨耗し、修復物の度重なる脱離とやりかえがあった様子。
「私、歯がカチカチいうんです。なんとかなりませんか?」
とのことでした。上下の歯は、食事以外では接触していないのが自然な状態であります。TCHについて説明し、日中の注意することなどを指導していきます。例えば、目につくところに「歯を合わせない!」と書いて貼っておいたりします。単純ですが、一定の効果が期待できる療法であります。

しばらく来院が途絶え、久しぶりに口腔内をチェックしました。TCH対策はご自身でされておらず、「歯をカチカチさせちゃうのよね」とお話ししながら、診療室でもカチカチカチカチさせておられました。歯の破壊が進み、修復物が破損、脱離、噛み合わせが乱れてきています。

同じ方の下顎の写真。歯の両側の歯茎が異様に盛り上がっていますね。これは、骨隆起という出っ張りです。歯が噛み合う現象に対応して、身体が骨を添加させて分厚くさせている反応です。

 

③睡眠を十分取りましょう。

 

睡眠不足になると緊張状態に陥りやすく、リラックスしにくくなります。また、睡眠の質な悪いと歯ぎしりが増えることがわかっています。生活のリズムを整えて十分な睡眠を取りましょう。うつぶせや高めの枕は避け、できるだけ上向きで寝ましょう。

④仕事の合間に休憩しましょう。

 

仕事や家事、勉強の合間に休憩を取りましょう。緊張したり集中している時間が長く続くと、あごの周りの筋肉も緊張しがちです。お茶を飲んだり、軽くストレッチをするなどして一息つきましょう。

⑤うつぶせで、読書をしない。

 

うつぶせ読書は、下あごが前に突きでてあごに負担がかかります。読者はつい同じ姿勢を長時間続けやすく、何気なく続けているうちにあごを傷めてしまいます。読書はよい姿勢でしましょう。

 

⑥頬杖をやめましょう。

 

テレビを見ながら、おしゃべりしながら、つい頬杖をついていませんか?偏った力があごに加わって余分な負担をかけるだけでなく、バランスを取るためにあごの筋肉が緊張し筋疲労の原因になります。
お子さんにも注意が必要で、小さい頃から頬杖の習慣があると、頬の外側からの圧力の影響により、歯並びがそこだけ凹んでいく変化が生じます。たかが頬杖、、と侮ってはいけませんね。

 

⑦電話の肩ばさみをやめましょう。

 

電話の肩ばさみは、あごの筋肉を疲れさせ、偏った力をあごにかけてしまいます。また、長電話はあごの疲れの原因に。口を開けると音がしてり、あごに違和感のあるかたは、ひとまず長電話を控えましょう。

 

⑧硬い食べ物は控えましょう。

 


痛みのあるかたはもちろん、あごを動かすと音がしたり違和感のあるかたは、なるべく硬い物・大きな物を食べるのは控えて、しばらくあごを養生させましょう。せんべい、スルメなどはもちろん、フランスパンなども避けたほうがよいでしょう。

顎の症状が気になる方は、ガムも控えた方が安心ですね。

 

⚫️治療の前にご相談ください。

 

 

顎関節症になったことがあったり、違和感が出やすいと感じているかたが歯科医院においでになると、「ずっと口を開けていると、あごが痛くなってしまわないかな」とご心配だと思います。
たしかに歯科医院では、治療をするにもメインテナンスをするにも、口を開けていただかなないわけにはいきません。しかし、もともと人間の口を開ける筋肉は、繰り返し小刻みに食べ物を噛むような動きは得意でも、歯科治療のときのように長く口を開けて維持するとこは苦手です。つまり長時間口を開けていると、顎関節やあごの筋肉に負担をかけてしまい、顎関節症の症状を引き起こしてしまうことがあります。
そこで一般歯科では、顎関節症ですでに痛みがあり口を開けるのがつらいという患者さんの場合、よほど治療に緊急性がないかぎり、顎関節症の治療を最優先し、症状が楽になってきてから!むし歯や歯周病などの治療を進めさせていただいています。
また、顎関節症に以前なったことがあるという患者さんも、口を長く開け続けることで再発してしまってもたいへんです。こうした患者さんには、1回の治療時間を短めにしたり、治療の途中で休憩を入れ、あごのストレッチをしていただくなどの配慮をさせていただいています。
1回の治療時間を短くする場合は、通常より何度か多めに通っていただかなくてはなりませんが、その分患者さんの状態に合わせてじっくりと経過観察をしながら治療を進めることができます。ぜひご協力をお願いいたします。
また、口を開けているとすぐに疲れてしまい、ご自分で口を開けているのがつらいという患者さんには、バイトブロックという開口器を使わせていただくこともできます。咀嚼筋の緊張の強い患者さんの場合、比較的短時間で口が閉じ気味になってくることがありますので、必要に応じて使用します。
診察を受けるにあたり顎関節症が心配でしたら、問診票に書いていただくか、診療の際に歯科医師や歯科衛生士に必ずお伝えいただきますようにお願いします。
歯科医院においでになる患者さんが、口を急に開けたときに捻挫や肉離れのような状態になって筋肉を傷めてしまうことがありますが、これは咀嚼筋が疲労しこわばっているかたなどによく見られるケースです。
こうしたトラブルがご心配なかたは、スポーツの前の準備体操のように、歯科治療をはじめる前に口を開けるストレッチをするとよいでしょう。硬くなっている筋肉がよく伸び血液循環がよくなって、捻挫や肉離れの予防になり、口を開けるのも楽になります。
治療後に、口が疲れたなと感じたときにも、帰宅後に咀嚼筋のあたりを温めたり、何度かストレッチをするとだいぶ楽になっていきます。ぜひ参考になさってください。

顎のストレッチ療法の一つ。手によって開口し、顎の関節の可動域を広げて行くやり方です。その時の症状により、無理ない範囲で運動療法をお伝えすることもあります。

顎が痛む、口が開けづらい症状について

2023年9月30日

⚫️顎関節症とは

 

顎関節やその周りにある筋肉が口を動かすと痛む、関節音がする、口が開かない、動かしにくいといった病気をいいます。
顎関節症になると深刻に受け止める方が多いかもしれません。顎関節のすぐ近くには耳があるため、少し関節が鳴っただけでも『パキッ!』と大きな音として聞こえます。食事やおしゃべりにも差し支えるので、不安感が大きいのでしょう。
間接雑音というのですが、大きい音でないにしても、ジャリっという音が聞こえるのはよくあることです。

顎関節症は肩こりや頭痛などいわゆる体調不良と関連付けられがちですが、こうした症状と顎関節症の因果関係は証明されていません。
たとえば、腰痛になったときに、「腰をかばって歩いていたから肩がこった」というのと同じような意味での関連性はあるかもしれません。しかし腰痛のある人がみんな肩こりになるわけではなく、まったく肩こりしない方もいるわけです。なので、腰痛であれば、まず腰痛治療のために整形外科に行き治療を受けますよね。
それと同じように顎関節症になったら、体調が悪くなるのではないかと心配するよりも、まずは顎関節症の心配をし、早くあごが楽にになるように必要な治療をきちんと受ける、このことがとても大事です。


顎関節や筋肉が痛んで口を開けられないのが開口障害です。指1本分も開かない場合もあります。


痛みがなく十分開口できる状態。

そこで、私たち歯科医師が顎関節症治療に当たる際には、あくまで顎関節やその周りにある筋肉の痛み、開口障害などを取り除くことを目的に行います。顎関節症は、顎関節やその周りの筋肉にかかる負担を減らして大事にしているのに、ひとりでに増悪してしまうような怖い病気ではありません。痛みや開口障害がある患者さんでも、経過観察だけで2年半後には88%が改善したという報告もあるほど悪化しにくい病気です。とはいえ、痛みや機能障害を放置しては生活に差し支えますので、私たちが早期の回復のために、まずはできるだけ簡単にでき、患者さんに負担の少ない方法でお手伝いさせていただきます。
あごを動かすと痛い、口が開かない、口が開けづらいなどの気になる症状がありましたら、歯科医院で検査や診療を受けて下さい。歯科医医では通常、顎関節症の初期治療の問診・パノラマエックス線検査・口腔内診察・触診・セルフエアの指導やマウスピースの制作などを受けることができ、かなりの人が改善します。
当医院では、それらに加え機器を用いたメディセル筋膜療法(筋膜リリース)もご案内しておりますので、まずはご相談下さい。

当院の顎関節治療のページです。

 

 

⚫️顎関節の仕組み

 

 

顎関節は、下顎骨(下あご)と側頭骨(こめかみの骨)のあいだの関節です。
軟骨でおおわれたラグビーボールのように突き出た形の下顎頭という部分と、側頭骨の下顎窩というくぼみでできていて、周りは靱帯や筋肉に囲まれています。下顎頭と下顎窩のあいだにには関節円板があって、動きには多少のゆとりがあり、回転だけでなく前後にスライドもできる特殊な関節です。

顎関節周囲の筋肉の走行はこのようになっています。歯を噛み締めながら、頬や側頭部を触ると、咬筋、側頭筋の筋肉の張りを感じられますよね。
私たちは食べる時に、下あごをパクパクと上下に動かすだけではなく、グラインドさせて奥歯ですりつぶすという複雑な動かし方をしています。これは顎関節が特殊な仕組みをしていて、下あごが上下左右、斜めそして前後に、かなり自在に動くおかげです。

下顎頭についている筋肉により、下顎がこの矢印のように動きます。

下顎頭、関節円板、関節包の状態。
また、顎関節は関節包というコラーゲン繊維の膜で覆われており、さらに靭帯でも補強されているため、下顎頭が下顎窩を離れて前へスライドしてもあごが外れずに済むのです。そして、下顎頭と下顎窩のあいだには、(コラーゲン繊維でできた)関節円板というクッションがあります。この関節円板があるおかげで、下顎頭の下顎窩はガリガリこすれずに、静かにスルスルと動くことができるというわけです。

下顎頭の動きは、耳の前に手を当てながら口を開けてみるとよくわかります。下顎頭が回転しながら移動していく様子が感じられます。

 

⚫️顎関節には4分類ある。

 

【顎関節症】とは、顎関節やその周辺の靭帯や筋肉のトラブルの総称で、具体的にはどんな問題が起きているのかは、患者さんによって異なります。そこで、日本顎関節学会という顎関節の専門家の学会では、顎関節症をトラブルの種類ごとに4分類しています。
ひとつは、咀嚼筋(噛むときに動く筋肉)などに痛みがあり、顎関節には問題がないタイプです。咬筋や側頭筋に鈍い痛みがあることご多く、口を開けたり筋肉を押すと痛みます。原因については不明な点が多く、外傷、歯科医院での開口、ストレスなどがきっかけともいわれ、痛みに対する感受性が鈍くなって慢性化することもあります。歯科医医で初期治療を受け、数ヶ月しても改善しない場合は、専門医を紹介します。

私たちは、メディセルの施術で頭頸部の筋肉の筋膜リリースを行います。筋肉が緊張することで、筋肉の繊維に老廃物が溜まっていきます。それを流そうとしてまた噛み締めて老廃物が溜まってしまうという循環になってしまいます。メディセルによって筋肉の緊張が緩まり、老廃物も流れていきますので、徐々に噛み締める程度が小さくなり、症状改善に役立っています。

また、顎関節の周りにある外側靭帯や関節包が肉離れや捻挫にらなって痛むタイプもあります。大あくびや硬い物を無理に噛んだときなどに起こりやすく、口を開けようとすると一時的に痛みますが、硬い食べ物を避けるなどして大事にしていると通常は数週間で改善してきます。
そして、下顎窩と下顎頭のあいだの関節円板のズレによって起きるトラブルもあり、もっとも多いのがこのタイプです。関節円板は、本来は下顎頭といっしょに動きますがなにかのきっかけでズレが生じて下顎頭に引っかかるようになります。すると軽度の場合はカクッという音のみですが、症状が進むと痛みも生じます。ブレが大きくなると関節円板が下顎頭の動きのジャマをして口が開かなくなったり、急性痛が起こることもあります。直接の原因は不明なことが多いですが、あごへの過剰な負担を取り除き、初期治療を受けていると、個人差はありますが、通常1ヶ月もすると痛みが軽減していきます。
ほかには、顎関節に過剰な負担が加わり続けたことなどが原因で、下顎頭の変形や周囲の組織の損傷が起きて動きにくいといった症状は、軽度のものから重度のものまで幅があります。ほかのタイプにくらべると治療に時間がかかることご多いですが、顎関節への負担を取り除くことによって顎関節が少しずつ動くようになると、骨の変形や周囲の組織の損傷が治ってきて、専門医による外科治療等が必要ないケースも多くあります。ただし、数ヵ月しても痛みが減らないようであれば、専門医に診てもらってほうがよいでしょう。
ご自分の症状がどのタイプかを知るには、歯科医師による診断が必要です。顎関節症だと思っていたら違う病気だったというケースもありますので、ますば歯科医院で検査と診断を受けましょう。
また 痛みが激しかったり、初期治療ではなかなか改善しないというかたは、歯科医院と連携している顎関節治療の専門医を紹介してもらい、より専門的な治療を受けることをおすすめします。

少ない本数で最大の効果のインプラント治療

2023年9月24日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。
今回は、入れ歯で噛めないことでお困りの方の治療例です。
少ない本数で最大の効果というタイトルですが、まさにその通りで、
要は歯がない顎に対して、いかにコスパよく固定式の歯を入れて機能回復するかというのがテーマであります。
All on 4というインプラント治療のコンセプトです。

術前正面

上顎には大きい入れ歯が入っておられました。

術前左側

左下奥歯は欠損で噛めない状態です。

術前右側

残っている2本に入れ歯の金属のバネがかかっています。

術前パノラマX線写真

上顎は左右ともに2本ずつ歯が残っています。下顎は欠損もありますがほとんど歯が残っています。
主訴は上顎の歯でしっかり噛みづらいとのことで、大きい入れ歯を長年使われていたのですが、それがしっかり噛めない状態でした。
上顎に残っている歯は4本。あとの10本は入れ歯で補われています。
このくらい歯がなくなっている場合、義歯の設計を考えるときに、上顎を大きく覆う床を用います。
理由は、残っている歯が少ないため、そこに入れ歯のバネを引っ掛けるのですが、それだけでは入れ歯を維持するのに足りないのです。
粘膜を大きく覆い、入れ歯の床で吸着を得ようと考えます。
入れ歯が吸着する原理というと、入れ歯が入っている口の中って、粘膜の上にプラスチックの板が乗っかっている状態なわけですが、
真っ平なガラスの板2枚を想像してみてください。
このガラス板をくっつけただけではすぐ離れてしまいます。しかし、水をその間に介在させると、ピタッとくっ付きますね。
この状態、空気の出入りがないのです。総入れ歯が口の中で吸着したりする原理は、口腔内の粘膜と入れ歯の床の間に、
唾液があり、顎を動かしても空気の出入りがない床の形態を作れているということです。

この方の口腔内で、入れ歯の吸着や維持が適切にできているかというと、全くできていませんでした。
まず、入れ歯の床が邪魔だからと、上顎を覆う部分をくり抜いており、そこから口腔内粘膜と入れ歯の床の間に空気の出入りがどうやっても生じてしまいます。
だから入れ歯がパカパカ浮いてしまうのでした。

入れ歯治療と身体が払う代償
また、部分入れ歯の宿命といってもいいですが、入れ歯のバネが引っかかっている歯に、歯を揺らすような力が常にかかるので、
ゆっくり抜歯しているようなものです。残っている4本の歯いずれも、食事に支障があるほど揺れが大きくなっていました。

この患者さんは、今までの人生で、もっと歯が残っていたけれども、このように入れ歯のバネがかかっている歯は揺らされてダメになってしまい、
どんどん入れ歯が大きくなって行く流れになっていました。
入れ歯を作る際に、必ず歯科ではこのような話をします。部分入れ歯は徐々に大きくなる、総入れ歯に近づいて行くのです。
部分入れ歯を入れる前に、入れ歯のバネをひっかける部分を削って形を整えたり、被せ物を作ったりします。
これらは、入れ歯の着脱方向に可能な限り平行になっている面を作り、維持力を得るためのものです。
どんなに良い部分入れ歯を作ったとしても、必ずバネの部分の負担があり、残っている歯が失われていきます。

入れ歯の床が接している歯茎に関してはどうでしょう?ここでも、身体の代償が払われています。
噛むときに粘膜に入れ歯の床がグッと押し込まれます。すると血流が悪くなり顎の骨が吸収してやせていきます。
ずっと入れ歯を使用していて、顎の骨がものすごく痩せてしまっている方、
少しずつ身体が代償を払っていて、尚且つ生活の質が悪くなってしまっています。

あまりにも骨が吸収しすぎていると、入れ歯を作り直しても入れ歯が歯茎をしっかり掴むこともできず、
入れ歯と粘膜の間に空気が出入りしやすく、噛もうとしても動いてしまう入れ歯にしかなりません。
そして、骨がなさすぎると、インプラント治療も難しくなってしまうこともあります。
骨を作るために、他のところからブロック骨を削り出して移植をするような手術になるかもしれません。
ではインプラントしよう!となっても、一苦労なのです。

ダブルテンプレートテクニック
この方は、上顎の残っている歯がグラグラすぎて抜歯が必要でした。
いきなり抜歯してインプラントを埋入することはありません。
最終的な歯の設計図を模型上で作って臨みます。
インプラントの位置付けに、コンピューター支援のガイドシステムを使います。
これはノーベルガイドと呼ばれるものです。
口腔内にはめ込み、ガイドのスリーブに沿ってドリルとインプラント埋入操作を行います。
欠損が比較的小さい症例は、作製したガイドを口腔内に装着し手術に用いるというシンプルな活用法になります。
今回のようなほとんど歯が残っていないような場合、作製したガイドが口腔内のシミュレーションした位置に留まっていて欲しいですが、
そうもいきません。歯がたくさん残っていたら、ガイドをはめ込んでもあまりがたつくことなく口腔内に留まってくれますが、
歯がない状態でインプラントを6本埋入するプランですので、何もとっかかりがない口腔内ではガイドがツルツル滑ってしまい、
シミュレーションとずれてしまいます。ガイドが所定の位置に来るように工夫が必要です。

このため、歯を抜く前の状態に合うガイド、抜歯後の口腔内に合うガイドの二つを作製して手術に臨みます。
麻酔をして、残っている歯がある状態でガイドを口腔内に位置付けます。
前方や最後方のインプラントの埋入を先に行います。
そこで1つ目のガイドの役目は終わりです。
抜歯を行い、2つ目のガイドを口腔内に装着します。
歯のとっかかりは無くなりましたが、1つ目のガイドで埋入したインプラントがありますので、
2つ目のガイドと埋入済みのインプラントをスクリューで締結します。
そうすると、全く口腔内でずれることなく2つ目のガイドを位置付けられます。
抜歯をしたエリアには、2つ目のガイドを用いてインプラント埋入を行います。


インプラント埋入後のパノラマX線写真。All on 4コンセプトの治療では、インプラント埋入時、しっかりとした初期固定を狙います。35Nというトルクをかけても、インプラントが骨内で回らない状態が、目指すところです。そのために、インプラントの先端を上顎洞や鼻腔底の皮質骨に噛み込ませて、しっかりとした初期固定を得るようにします。そのインプラントを用いて、固定式の仮歯を装着し、即日で機能回復を図るのが特徴です。


上部構造の一例。チタンのフレームに口腔内にマッチするようなピンクの歯茎部分、人工歯の部分で構成されています。


インプラントにスクリュー固定されるところがネジ穴に見えるところです。口腔内に装着されると、インプラントとインプラントの間を歯間ブラシで清掃していくことになります。


術後正面:歯茎部がある場合、必要ない場合とがあります。顎の骨がどれだけ吸収しているかによります。吸収が大きいと、人工物で補うところが大きくなります。この方の場合、すべて歯の部分にすると、異様に長い歯になってしまいますので、歯茎部分もあったほうがむしろ自然な仕上がりになります。


術後右側:適切な形に回復できています。


術後左側:左下奥の欠損にはインプラントで歯を作っています。


術後咬合面:ネジ穴にはふたがしてあります。

このように、All on 4の治療には独特の工夫が必要で、専門性が高い治療と思います。
この方のように、歯がほどんとない、全くない顎に対して固定式の歯を入れるにはどのようにするかというと、
8本くらいインプラント埋入し、前歯、奥歯にわけてブリッジを作製する、
All on4コンセプトで作製する、
ということになります。しかし、前者では治療後の長期予後が期待できる分、どうしても費用が高額になりがちです。
All on 4は、費用を抑えて早期の機能回復を図ることができ、コスパに優れた治療法と言えます。
当院のインプラント治療のページです。
入れ歯でお困りの方、是非ご相談ください。

ホワイトニング、上下顎インプラントの治療

2023年9月12日

20代で奥歯が噛めない状態
歯の欠損の回復、歯の色が気になるという0代女性の治療例です。
欠損はインプラント、ジルコニアのブリッジ、
歯の色はホワイトニングで改善しました。

初診時はこのような状態でした。
術前正面

前歯の黄ばみ、暗い色調を気にされていました。歯の先端に近いところに茶渋のような沈着があります。

術前左側

下の奥歯がありません。上の歯が下の歯茎にあたりそうです。

術前右側

左側と同様に、下の奥がないため、歯の病的な移動が生じています。上の小臼歯にも欠損があります。

パノラマX線写真

虫歯の進行によりかみ合わせが壊れてしまっているのがわかります。歯根だけになっているところは抜歯が必要な状態。長期間虫歯で歯がない状態であったため、噛み合わせの歯が伸びてしまっています。

唾液検査で虫歯の原因を調べます
なぜ若くして虫歯がここまで進行してしまったかというと、学生時代に少しずつ歯が欠けてなくなっていったが、前歯と小臼歯まででなんとなく食事していたから、やばさがわからなかったということでした。
虫歯に感受性が高い、低いというのは個人差がありますので、食事のタイミングやケアについて聞き取りを行いました。
同時に、虫歯リスクの検査として、唾液を採取して機械で分析する、SMTを活用しました。

これは、患者さんに専用のうがいの水で10秒間うがいしてもらい、それを採取し分析する機器です。
この唾液検査でわかることは、
・虫歯菌の多さ
・唾液の緩衝能(虫歯菌の出す酸を中和する能力)
・口腔内のpH(酸性に傾く人は虫歯で歯が溶けやすい)
・歯肉の炎症度
・口臭に関するガスの多さ
です。
調べたところ、唾液の緩衝能が低く、虫歯菌が多い判定結果でした。また、ケアが1日1回3分以下のブラッシングのみで、糖分を含む飲料を長時間とってしまうという生活習慣がありました。
これらを踏まえて、担当衛生士から適切な生活習慣指導とケア用品の案内をし、生活習慣の改善に取り組んでいただきました。なんといっても、治療する期間というのは、長い人生のうち数か月です。患者さんの生活はそこから新たにスタートですから、治療後のよい状態が、虫歯の再発によって壊されないように生活習慣からよくしていく必要があります。生活スタイルに合うように、虫歯リスクを下げるケア用品を取り入れていきました。虫歯や歯を補う治療と並行して衛生指導を行いました。

歯の着色除去、クリーニング

エアフローという機械を用いて施術をします。パウダーがステインを効果的に除去して、歯面を傷つけないのです。そして、傷がつかないためきれいな状態が長期間維持できます。歯面清掃用のペーストはさまざまで、ものによっては研磨成分が強く、歯面が傷がつくおそれもあります。
メンテナンスはずっと続くので、使用する機材やペーストなどのケア用品の選定は重要です。
健康は生活習慣から作られるという意見はごもっともです。私たちが働きかけても、たとえば喫煙の習慣が歯周病を悪化させているためやめるようにできないかという話をしても、なかなか生活習慣を変えられないわけです。習慣が変えられないのでその患者さんを助けられない、のではなく、私たちが関われることや可能な手立てを講じることで、改善できないかやってみます。
それぞれの年代に響く言葉がけも重要です。
パウダーのクリーニングは、施術する衛生士もしっかりトレーニングをしています。特に痛みを感じさせないようにポイントがあります。パウダー吹き付け部が粘膜に当たらないよう注意が必要です。歯面からの跳ね返りもあり、適切にバキューム(水分やパウダーを吸引する)がないといけません。
このような場合におすすめです。
・ステインや着色が目立つ方
・ホワイトニング前のクリーニング
・いろんな材質の補綴装置が入っている方
・矯正器具が装着されている方
基本的にメンテナンスは口腔内の原因除去が終わって、感染のコントロールがある程度できている方が多いです。その患者さんの口腔内の状況、リスクに合わせてメンテナンスの器具を選択していきます。いつも同じではなく、その時、その方の必要な部位に適切なケアを行うのです。
現在の紙面清掃に用いられる機材はたくさんの種類がありますが、歯面にカップやブラシを回転させて当てて汚れを除去するものが一般的です。
 パウダーを用いたクリーニングは、用途に合わせて2種類あります。メンテナンスで用いる場合と、補綴装置装着などの前処置の場合です。どちらも、患者さんに不快感がなく、歯に優しい清掃方法です。

インプラント埋入

ノーベルバイオケアのリプレイスCCというインプラントを主に用いています。今回も臼歯にあうレギュラーサイズのものを埋入しました。
特に奥の方は、骨の密度が低かったようで、ドリルの感触から骨が柔らかい感じがありました。
しっかり待機期間をおく予定にしました。
実はこの後、患者さんが怪我で入院されてしまい、その治療が落ち着くまで歯科受診ができない状態でした。しかし、無事に復活されて、インプラントも顎の骨と結合しているのを確認しました。

ホワイトニング
ホワイトニングの薬剤を塗布し、専用の光照射を行い、歯面に作用させるのですが、その前にポリリンホワイトリキッドとスポンジを用いて歯の表面を磨きます。
高濃度の短鎖分割ポリリンを配合して専用のメラミンスポンジとセットで使用することで、歯面の汚れを高次元で取り除くことが可能です。
清掃ごは、短鎖分割ポリリン酸が歯面に吸着し、歯面保護及び、汚れの再付着防止効果もあります。
ポリリン酸ホワイトニングを導入している理由で最も大きいことは、歯科業界での口コミの良さです。以前は複数のメーカーのホワイトニング材を自分たちで試したこともありましたが、ニオイや刺激が強すぎて、術中、術後の痛みがあることが問題に感じていました。
ポリリン酸ホワイトニングの良さはその逆で、刺激や痛みを感じずに確実に白くなっていくところと、ホワイトニングしながら歯の質を強化していくところです。
日本人の歯の特性を考慮した性質で、プラチナナノコロイドを配合し、漂白時間の短縮に成功しています。EXポリリン酸を配合し、漂白効果を従来品よりも高めています。
知覚過敏にもなりくいため、継続使用できます。これは、硝酸カリウムの鎮痛効果により知覚過敏が緩和されているからです。
EXポリリン酸のイオン吸着効果(歯の表面のコーティング)で、刺激成分が歯髄に届きにくいようブロックしています。
他メーカーのホワイトニング材は、エナメル質が細かいすりガラス状になり、光がその構造にあたって白く見えるという効果がありますが、ポリリン酸はそのような歯にダメージがないところが大きいメリットと考えられます。

治療後
術後正面

気にされていた着色や黄ばみが改善し、ホワイトニングにより透明感のあるはっきりとした白さになりました。
欠損はセラミックのブリッジ、インプラントの被せ物で補っており、奥歯でしっかり噛める状態に回復できています。

術前の状態でずっと経過していたら、奥歯で噛めない分、負担が前方の歯にのしかかります。そのため、力による歯の破損、歯周組織のダメージが大きくなり、より噛み合わせが崩壊してくることが考えられました。
現在はメンテナンスで良い状態が保てるようにしています。着色が気になってきたら、パウダークリーニングやホームホワイトニングを行うようにしています。ポリリン酸ホワイトニングで、美しく丈夫な歯面にできており、汚れがつきにくいためツルッとした感触が心地よいとのこと。自信を持ってスマイルできることで、モチベーションの維持にも役立っています。

食事を楽しみ、十分な栄養を摂るために…

2023年9月4日

私たちの診療室では様々なご病気の状態に出会います。
軽度のものから、
「これは大変な、、、」と考えてしまうケースもあります。

治療前

虫歯と歯の欠損が放置されて、噛み合わせが乱れてしまった症例。

歯が虫歯でなくなってしまっています。

歯と歯茎でものを噛んでおられた様子です。食事内容は大きく制限されます。

パノラマX線写真。歯の欠損が長期間放置されていたため、噛み合う相手がいない歯が顎から出てきています。

この患者さんは比較的お若い50代の方でしたが、口腔内の状況により食事内容の制限があり、食事量と質も低下しておられました。

 私たちは、患者さんの食事内容について、日本補綴歯科学会の食品アンケートを用いることがあります。
これは、何段階かに分けて、食事内容の程度や口腔機能の評価を行ったり、摂取可能な具体的な食品名を聞き取り、避けている食品がないか調べたりします。
GCというメーカーが出している咀嚼機能検査も活用します。患者さんにグミゼリーを咀嚼してもらい、機械でどの程度咀嚼消化の段階が行われたかを調べます。グミゼリーの噛み砕かれた状態も写真で記録しておくと、思ったよりも噛めていない状態を自覚できることになります。
このように術前の検査から、機能低下が生じているという結果が得られた場合、要注意です。
オーラルフレイルといって、口腔内の機能低下から心身の虚弱を招くような状態につながります。治療の費用はあまりかけられないとのことでしたので、保険診療の範囲内でできる限りのことをしていきました。
歯周基本治療とそれぞれの歯が保存可能か判断し、可能な歯は根管治療など歯の中の感染をとっていきました。
噛み合う相手のいない歯は病的な移動が生じていましたので、高さを噛み合う面に揃えていきます。
治療期間中に使う入れ歯を作成し、ひとまず上下顎両側で噛み合わせられるストッパーを作ります。
長期間噛み合わせができずに過ごされていたため、本来の噛み方がよくわからなかったりすることが多いです。
残っている歯と歯茎で無理やり食べておられたため、顎を変にずらして噛む癖がついていました。
なので、治療用の仮歯でリハビリをするという意味があります。
苦戦することが多いのは、今まで入れ歯を装着された経験がない方です。
入れ歯は入れ歯のメリットがあります。外科処置を必要とせず、一度に多くの歯の欠損を補うことができます。
入れ歯を入れるのが初めての方には、歯のところ以外の構成物(ピンクの床、残っている歯に引っかかる金属、床をつなぐ金属のバーなど)の異物感が大きく、気持ち悪かったりします。
「このピンクの床のところ、もう少し短くできない?」
など言われることもあります。
可能な範囲で調整しつつ、患者さんのリハビリに付き添います。

入れ歯によるリハビリを続けながら、残っている歯を使えるようにしていきます。
歯茎の中の方まで進行している虫歯もありました。虫歯をとっていくと、歯茎にめり込むような形になってしまい、そのままでは歯根を利用して上に歯を作っていくことができません。
歯周外科を行い、根面の感染源を除去するとともに、歯周病で吸収した骨の形態を平坦化して、歯茎を縫合します。そうすることで、歯茎に埋まっていた歯の根を歯茎の上に位置付けることができるのです。歯周外科終了後、歯肉の治りを4週くらい待っておくと、周囲の歯肉の質感と同じくらいになってきますので、歯の根に土台を立てて仮歯を装着します。
最終的なブリッジや部分入れ歯を装着し、その後はリハビリをしていきました。

治療後

正面観。

右側。

左側。

オーラルフレイルと他業種連携
全ての団塊の世代が75歳以上となる2025年、高齢者のフレイルの問題がありますが、患者さんによってはよりお若い年代の方もある程度フレイル予備軍としておられます。フレイルの兆候としては、意識・無意識に関わらず特定の食事を避けるところから始まります。高齢者だけの問題ではないと言えます。ただ、一般的に高齢になるにつれて歯周病で歯を失ってしまう割合が高くなり、全ての方が適切に歯科受診されるわけではありませんので、高齢者に焦点が当たるのは仕方ないことです。
 加齢とともに欠損や噛み合わせの乱れなどが生じ、口腔内に変化が出てくると、食事内容も変化していきます。歯科受診も大切ですし、栄養や摂食の正しい情報を得ることが大切です。管理栄養士による食事指導などはとても有効と考えられます。厚生労働省もこうしたオーラルフレイル対策は重要と考えているようです。特に歯科では、欠損や入れ歯を装着されている方に対して、フレイルになって行かないように注目しやすいです。フレイルになる流れは人それぞれであり、歯科で言うと欠損や噛み合わせの問題から咀嚼障害となって、栄養面から身体の虚弱を招くわけです。他の要因で言うと、退職や家族との別れなどで、社会とのつながりが希薄になり、生活範囲が狭まり、心が虚弱になってしまうことが挙げられます。私たちはもちろん口腔内の要因に気づきやすい職種であり、他科の診療所や介護事業に携わっておられる方ともしっかり連携をとっていくことが重要であります。たとえばケアマネージャーの方とお話ししていると、家族構成や生活習慣、ペットや趣味に至るまで、患者さんの背景を詳しく知ることができます。それを踏まえて口腔内の治療もより効果的に行うことができます。

 次に、食事や栄養摂取については、管理栄養士に相談しアドバイスを得ると大きいメリットがあります。何をどれくらい食べたら良いか、自分の食事内容が栄養の偏りがないかなど相談できます。たとえば、入れ歯を装着されていたり、歯の欠損を放置されているような方ですと、「なんでも噛めてますよ」とおっしゃられるのですが、食事内容はあまりバランスが良くなかったりします。具体的には、スルッと食べられ調理が簡単な麺類などです。菓子パンのみという方もいらっしゃるのではないでしょうか。炭水化物のみ多く取られて、タンパク質量が不十分であったりします。

とても豪華な一皿。個人差はありますが、肉や魚などの主菜は、両手に乗るくらいの量を摂取すると良いと大まかに言われています。
タンパク質が卵やひき肉でも良いわけです。摂取しやすい食材や形から取り入れると良いでしょう。野菜なども切り方と調理法を工夫すると摂取しやすくなります。筋肉量の多さも重要です。歩けなくなるのは避けなければなりません。日頃から外に出て簡単な運動をするとか、散歩も効果的です。このような活動がフレイル予防になります。

 冒頭の写真の患者さんのように、病気を放置していると無意識のうちにフレイルに近づいていきます。食事は毎日のことなので、ちょっとした変化があってもなかなか気づきにくいですね。同居されているご家族が、最近色が細くなったなとか思われるようでしたら、口腔内に何かしら咀嚼障害がある可能性が高いです。一緒に暮らしていても、家族の口の中がどうなっているかはなかなか把握していないものです。私も実家に住んでいたときは、歯科の勉強もしていなかったこともあり、両親や兄妹の口腔内がどうなっているか、全く知りませんでした。ですが、健康維持のために、ご自身やご家族の口腔内の状態を知ること、どの程度食事ができていて、栄養バランスが取れた食事なのか、注目するのは大切ですね。

歯周病の炎症、お口の清掃について

2023年8月31日

①炎症に影響する変化
この場合の炎症は細菌に対する体の反応のことです。細菌バイオフィルムバイオフィルムが蓄積しやすくなるのは基本的には患者さんのセルフケアレベルが低下してきたこと意味しますので磨き残しを減らすことが重要です。メンテナンスという現状維持のための治療では患者さんのお口内の意識も薄くなるでしょう。昔、雑なブラッシングだった方は雑に戻りやすいし、ブラッシングに苦手な場所がある方は苦手なところに汚れが残りやすくなります。ただ患者さんの生活習慣の変化も考慮して指導を行う必要があります。家や仕事で疲れている患者さんにパーフェクトなケアを求めるのではなくその患者さんが最低限守るべきセルフケアから再指導する余裕も必要です。病気やけがで今までのようにケアができなくなっているときも配慮します。


清掃指導といえば、プラークの染め出しが分かりやすいです。歯科医院や学校の保健の授業でやったことがあるのではないでしょうか?
長期間清掃ができていない歯には、頑固なヌルヌル汚れが多く残っています。
「しっかり磨いてます」と患者さんがおっしゃられて、ヌルヌル汚れが多く残っていた場合、やはり、再度清掃指導をした方が安心です。
磨けているつもりでも、こういうところに汚れが残っていて、どのように清掃したら効果的に除去できるか、プロの視点から指導を行います。
繰り返すことでより清掃効果が期待できます。

また、プラークの染め出しと関係なく付着している茶渋など、歯面の着色については、パウダーによるクリーニングで効果的に除去することができます。
このクローニングの方法では、歯の表面を傷つけることなく着色除去が可能です。
審美的な目的のクリーニングに近いですが、滑沢な歯の表面にすることで、汚れや色が再付着することを抑制し、長期間ツルツルした歯を保つことが期待できます。
このクリーニングで用いているエアフローは、保険診療では認められていないものです。
ご興味ある方はぜひご相談ください。

花粉症や風邪のため口呼吸になったり、飲んでいる薬でだ液が減ることもあります。このような場合、細菌バイオフィルムはほとんどないにもかかわらず、炎症が強くなっていることもあります。このようの病気や薬の影響も考慮しなければなりません。また、メインテナンス患者さんがいつにまにか糖尿病にかかっていて口腔内の状況が悪化していくこともありますし、糖尿病の治療を受けていてもうまくコントロールされていないこともあります。コントロールできていない糖尿病患者さんでは、プロービング値は大きくなりプロービング時の出血も多くなります。コントロールされるとこれらの数値や症状も安定することも分かっています。

また心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げるために低用量アスピリンを常用している患者さんが最近急増しています。アスピリンにより血小板の凝集を抑え、血管が詰まることを防いでいますがこのアスピリン常用者は歯ぐきからの出血が多くなることが分かっています。特に元々炎症が強い患者さんがアスピリンを飲みだすと歯ぐきの出血が増えるという報告もあります。
また喫煙の影響もあります。喫煙量がめいんてなんすの途中で変わっていないかチェックする必要があります。きんえんを実行された患者さんのサポートをする心構えも必要です。アスピリンは歯ぐきの出血が増えますが、喫煙者は逆に歯ぐきの出血が減ることがあります。つまり喫煙者に歯ぐきの検査を行っても出血しにくくなりますので、出血が少ないからといって油断は禁物です。

②咬合に影響する変化
心配なのは歯ぎしりで、これによりせっかく安定していたところでも急に噛めなくなったり、歯が浮いたような症状でたりします。追加的に嚙み合わせの調整やマウスピースの装着が必要になることもあります。

③ブラッシング指導
ブラッシングが不足して磨き残しがある状態をアンダーブラッシングといいます。それに対してブラッシングが過剰になり磨きすぎの状態をオーバーブラッシングといいます。
アンダーブラッシングになると根面う蝕(歯の根元のむしば)ができたり、歯周病の再発、進行が起こり最終的に骨がなくなりますが、オーバーブラッシングになると歯ぐきが下がりますので、歯ぐきがなくなるわけです。しかも歯も歯ぐきも骨もなくなったら基本的には元に戻りません。歯も歯ぐきも骨もなくさないように適切なブラッシングを維持することは、並大抵のことではできません。モチベーションの維持も難しいです。
メンテナンス患者さんのブラッシングはかなりデリケートです。私たちは口癖のように‘‘頑張ってください‘‘と声をかけてしまいがちですがメンテナンス患者さんがブラッシングを頑張るとオーバーブラッシングになることが多いのです。
それではメンテナンスでアンダーブラッシングが及ぼす弊害について考えてみたいと思います。
アンダーブラッシングになっていて細菌バイオフィルムが残っていると歯の根元のむしばと歯周病の再発、進行が心配です。根元は表面がざらついていますのでバイオフィルムが形成されやすいだけでなく、凹みがあることが多いためブラッシングしにくくなっています。しかも細菌がつきやすく、除去しにくく、酸で溶けやすいのでむしば要注意部位となっております。


外来でのクリーニングにはこのような器具を用いています。

歯周病患者さんの多くは生活習慣病年齢ですから、何らかの疾患を抱えて服用されていることがあります。疾患や投薬の影響でだ液が少なくなりむしばのリスクが上がっていることがありますので要注意です。
アンダーブラッシングは歯周病にももちろん結びつきます。歯周病菌が新たに歯ぐきのポケットに入り込む可能性もあります。メンテナンス患者さんの口内に深いポケットが残っているような場合、プロケアとしてポッケト内の細菌バイオフィルムの破壊をしても時間とともに後戻りはしますが、患者さんのブラッシングが悪ければ後戻りは早いです。大雑把な言い方ですが、ブラッシング良好な患者さんで数か月、ブラッシング不得意な患者さんで数週間で後戻りがあるようです。

メンテナンス患者さんのオーバーブラッシングの弊害については、歯ぐきが傷つき歯ぐきが下がることがあります。また歯ぐきが下がっているところでは根元が削れてしまい、知覚過敏が起こることがあります。ブラッシングに熱心な患者さんは、冷たいのでしみるのであればブラッシングがたりないと勘違いして、さらにブラッシングを過剰にしてしまうことがあります。患者さんはブラッシング‘‘がんばれ‘‘という言葉を‘‘強く磨け‘‘y長い時間磨けという言葉に変換してしまうのです。それによって指導の通りにやっているにもかかわらず、オーバーブラッシングになっていることがあるわけです。
実際オーバーブラッシングで歯が削れてしまったり、歯肉にダメージがある患者さんの中には、電動歯ブラシの使用が誤っているケースもあります。電動歯ブラシは適切に使用すれば時間がかからず清掃効果の高いものですので、電動歯ブラシそのものは良いと言えます。通常のブラシと同様に扱ってはいけないのです。たとえば、研磨剤の入っている歯磨きペーストは多いですが、電動歯ブラシと併用すると歯が削れすぎてしまいます。研磨剤の入っていないジェルが適切です。最近は、自動で止まる電動歯ブラシもあり、歯面モード、歯肉モードなど切り替わるものもあります。

睡眠のお話の続き

2023年8月22日

夜ふかしが好きで夜寝るのが遅いでしょうか?
私たちのクリニックは、以前は夜型でしたが、現在は早く始まって早く終わる診療所になっています。
朝は8時に出勤し、準備をして8時半に診療開始します。
夕方5時に診療終了です。
一般的な歯科クリニックと比較すると朝型と思います。
朝型や夜型どちらが良い、悪いという話ではありません。
今回は、朝型、夜型のタイプがあることや、睡眠のステージについてのお話です。

朝、仕事出かけるために起きるのに、目覚ましが必要?昼寝が好き?朝食を抜かすことが多い?休日は遅くまで寝ている?そんな人は、夜型です。
それに対して朝型は、自然に目が覚め、朝食を楽しみ、朝が大好きな人です。起きるのにアラームを必要とせず、日中に疲れを感じにくく、早めに就寝します。
タイプによる差は、通常は最大でも2.3時間。5時間や6時間もの差があるわけではありません。自然に昼まで寝ていられるという人は非常にまれだ。たとえカーテンを閉めてベッドにもぐっていても、脳は太陽が出ているのを察知して、起きたいと要求するものです。
たいていの子どもは朝型です。朝早く起きて、大人よりも早く寝る。思春期に達すると体内時計が切り替わり大幅に遅れる。夜は遅く就寝し、朝は遅くまで寝ていたがります。

実は朝型、夜型のタイプがある?!
中学生や高校生の頃は、寝起きが悪いことが多いですがこの頃は、たんに身体が欲するとおりに動いているだけなのです。体内時計の夜型化がピークに達する20歳前後を過ぎると睡眠のリズムがもともとの遺伝タイプに戻り、年を取るにつれて今度は体内時計が少し朝型化していきます。
朝型・夜型の他に第3のタイプがある。中間型です。遺伝子的にここに属する人が多い。現代人のほぼ全員な中間型の時間に沿った生活を送っている。
朝型の人夜型の人も午前9時から仕事をし、スポーツ選手は、午前中にトレーニングを行います。この時、とくに困るのは夜型の人です。日常的に、自分の体内時計とは違うタイムゾーンで活動しなければならないからです。言うなれば毎日が、社会的な時差ぼけの状態です。
早い時間に自然に目覚める朝型の人は、疲れが出るのが早く、就寝時間も早い。このタイプの人ら、午前2時〜3時の睡眠のピーク時間に深く眠ってしっかり回復し、目覚めの時間が近づくにつれて眠りが浅くなる。ですから、たいていはアラームを使わずに起床することができます。
一方夜型の人は、深遅くまで頑張れるが、朝はアラームが睡眠の初期の段階でなってしまい何度もアラームボタンを押すことになります。そして午前中はひたすら遅れを取り戻すことに時間を費やすために、カフェインに頼りがちになってしまいます。
カフェインは、一般的なパフォーマンス(成果や性能)向上が期待できます。
疲労を撃退し、注意力・反応速度・集中力・持続力に有益な効果が証明された、精神に作用するものです。ですが、量を規制せすに摂取すると、悪影響を受けるのになる。大量摂取は、興奮や不安を招き血流にカフェインが入ると、寝つきが悪くなり、眠りが持続しにくくなります。日常的に大量摂取していると耐性ができ、望み通りの効果を出すために、より多くの摂取が必要になります。


カフェインが身体に良くないとし、一切摂取しないという考えもありますよね。

太陽光ほ、制御しにくいカフェイン習慣よりも効果的なツールであり、夜型の人が朝型の人との体内時計の差を取り戻したいなら、必ず朝の太陽の光を浴びよう。
カーテンを開けて身体に朝日のシャワーを浴びる太陽光目覚まし時計がおすすめです。
週末に朝寝坊するのはやめていたほうがいいです。平日、仕事の要求に体内時計を合わせ続けたのに週末に一気にゆるめると、体内時計が本来の遅めの状態に戻ってしまい、月曜日に一からやりなおすことになってしまい、すると、社会的時差ぼけの症状がますます悪化する事になるのです。
昼間日光を浴びれないなら、照明を昼光色のものに変えることで、朝型タイプにも夜型タイプにも、日中の苦手な時間帯を克服させて生涯性のアップを促す、など。これはとりわか、日照が少なくなる冬季には効果が高い。
夜型であることも、けっして悪いことばかりではありません。ナイトライフに関して生まれつき有利なだけでなく、夜間勤務でも強みを発揮できる。
8時間睡眠がベストでは、ない。
人は幼児期から思春期には、成人よもはるかに多くの睡眠時間が必要とされる。平均的な14〜17歳に必要な睡眠時間は、8〜10時間。平均的な成人は7〜9時間だといわれています。
必要な睡眠時間が8時間以下の人が、疲れてもいないのに無理に8時間眠ろうと目を覚ましたまま横になるのは、時間の無駄です。
睡眠は3つのサイクルでとらえる

⚫️まどろみ/ノンレム睡眠ステージ1
階段の最初の数段をゆっくりと降りていく。
数分間は、覚醒と眠りの間をうろうろしている。
⚫️浅い眠り/ノンレム睡眠ステージ2
心拍数が遅くなり、体温が下がる。
睡眠においてこの段階は、最も長い時間を占めている。大きな声で呼ばれると起きる状態。
⚫️深い眠り/ノンレム睡眠ステージ3(4)階段のいちばん下に到達。揺さぶってもすぐには起きない状態。起こされる側になれば、頭ごばんやりし、うほたえることでしょう。
このぼうっとした状態を【睡眠慣性】と言います。
脳は、深い眠りに入っているときにデルタ波をだす。最も脳波が遅い状態。起きているときは、最も脳波が速いベータ波になる。
睡眠時間は、この段階にできるだけ長い時間滞在するのが望ましいです。
というのも、ノンレム睡眠は、副交感神経が優位であることから、大脳も休息していて、脳や肉体の疲労回復のためには、重要だと考えられています。また成長ホルモンの分泌が増えるといった身体的な回復にもつながります。
ノンレム睡眠が関係する睡眠障害として、小児によくみられる脳は、眠っているのに身体が動いてしまう病気、睡眠時遊行症(夢遊病)は、3歳〜12歳であらわれます。眠りながら泣き叫んでしまう、夜驚などが知られています。
ノンレム睡眠は、加齢とともに減少します。

⚫️脳が活発に動いている/ステージ1(寝入りばなのうとうと状態)
脳が活発に動き、目がピクピク動いている(急速眼球運動)この時にほとんど夢を見ていると言われています。

眠りは、ノンレム睡眠から始まって深い眠りに入ります。そして1時間ほど経つと眠りは、だんだんと浅くなりレム睡眠へと移行します。
そしてまた ノンレム睡眠へと移行していきます。個人差は、ありますが約90分サイクルで一晩に3回〜5回繰り返しされ後半になるとノンレム睡眠が増えていき 目覚めます。

昼寝は健康上効果的か?

通常こんな風に寝ることはありません。。開院準備のハードなとき、こうして休憩した時がありました。

昼寝についても諸説あります。有名な昼寝の習慣といえば、スペインとか地中海地方のシエスタですね。
偉人の中にも昼寝好きな人がいます。チャーチル、ナポレオンなど。
ほとんどの人にとって、午後1〜3時の間に昼寝の眠気が発生します。
NASAの研究から、効果的な昼寝は人々のパフォーマンスを向上させることがわかっています。
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というものです。
これらのことから、あまり長すぎない30分間の昼寝がよく、
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ということが分かりましたので、ぜひ生活に取り入れてみられたらいかがでしょうか。

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歯周病治療のメンテナンス

2023年8月22日

歯周治療の流れのメインテナンス

歯周治療には、「動的治療」と「メインテナンス」の大きな2つのステージに分かれます。動的治療は、一般的な歯周病治療のイメージです。清掃指導や葉の表面についている歯石やバイオフィルムを除去し、口の中から感染源を除去していきます。歯周組織の炎症が改善され破壊された組織が修正されていきます。そしてこの動的治療には、歯周基本治療、歯周外科治療がふくまれます。

歯周基本治療で用いる器具の一種。歯根に付着している歯石を除去します。

 それに対してメインテナンスではメインテナンス門家による定期的なプロフェッショナルケアと患者さん自身のよる毎日のセルフケアにより動的治療で獲得した健康を長期にわたって維持していくわけです。定期的なプロケアも結局は患者さんのセルフケアの及ばないところをサポートしたり、セルフケアを続けていくためのテクニックとモチベーションを提供するわけです。なので、メインテナンスをsupportive periodontal therapy (SPT)という言葉で置き換えることもあります。

動的治療とメインテナンスの違いは?

 歯周病治療の流れは、まず、清掃指導や歯石除去といった歯周基本治療に始まり、歯周組織の状態を検査をして評価します。その後、必要に応じて歯周外科処置を行い、再度状態を検査して評価します。そこで治療の目的を達成できていれば、メンテナンスへ移行するのです。これが歯周病治療の教科書的な分類といえます。しかし、このようなステージ分けですと、メンテナンスの位置づけが弱いように感じます。メンテナンスはただのクリーニングではありません。
 動的治療とメンテナンスで分けて考えているのは、それぞれの治療の目的が違うからです。一言で言うと動的治療とは良くなるための治療、メインテナンスは悪くならないための治療なのです。動的治療で良くなった歯周組織を悪くしないためにメインテナンスがあるわけです。動的治療では、自分の歯ぐき(歯肉)が良くなっていることを患者さん自身体験することができるので、それがモチベーションにつながり、より上を目指そうという上昇志向が生まれやすいです。しかし、メインテナンスに移ったとたんモチベーションが下がらないようにしないといけないので大変です。

治療前

歯肉の炎症が強く、多量の歯石、歯肉からの排膿、腫れが見られます。

治療後

歯肉が引き締まり、歯石も排膿もなくなりました。ここまでが動的治療で達成したことです。この後、メンテナスへ移行します。

悪くならないための治療の落とし穴

 悪くならないための治療というのは、意識をしないとできるのもではありません。治療を控えめにすれば良いというわけではないのです。それでは単なるアンダートリートメント(不十分な治療)になるだけです。かといって良くなるための治療をそのまま続けていれば、オーバートリートメント(過剰な治療)になってしまいます。
 メインテナンスで気をつけるべきポイントは①オーバープロービングをさける②オーバーブラッシングをさける③オーバーデブライドメントをさける④オーバーメディケーションをさけるです。

メインテナンスの必要性と有効性

 超音波スケーラーやキュレットを使用してポッケト内から細菌を除去しても、時間が経つとまたいつか細菌が居座っています。歯周治療を受けたからといって歯周病菌が完全になくなることは稀です。動的治療で環境整備が十分できなかったような場合、たとえば深いポケットが残ってしまったり、根分岐部病変が残ってる場合や、患者さんのプラークコントロールが悪く歯肉に炎症が起きてしまう場合は、歯周病菌にとって復活にチャンス大です。どのくらいの期間で細菌が後戻りしてくるのかは条件しだいですが、プラークコントロールの良い患者さんで数か月、悪い患者さんで数週間です。患者さんのプラークコントロールのレベルによってリコール間隔を加減する根拠はこのあたりにあるわけです。また、口腔内環境の整備状況によっても変わってきます。深いポケットや根分岐部病変、多数歯補綴などがあれば細菌が増殖しやすいため、リコール間隔も短めに設定しなければなりません。
 
 動的治療からメインテナンスに移行する基準
 
 動的治療のゴール
 歯周基本治療では患者さんにセルフケアの指導をするとともにSRPを中心ととした炎症のコントロール、咬合調整、固定などによる力のコントロールを行い、症状の改善を目指します。これで口腔内の環境が十分改善できればメインテナンスに移行します。一方歯周外科治療では、歯周基本治療で改善できなかった環境を外科的に改善していきます。SRP後でも残存するポッケトや根分岐部病変、根近接の問題などは外科的に骨形態や歯の形態を修正することで改善することができ、付着歯肉が少なくブラッシングしにくいような環境も、外科的に改善可能です。歯周外科治療で目的が達成されれば、動的治療のゴールということになります。

 メインテナンスの分類と移行基準
①予防的メインテナンス
 歯周病菌による破壊もほとんど見られず、患者さんによるセルフケアも良好な場合です。動的治療における究極のゴールあるいはそれに近いゴールを切ってる患者さんが対象となります。メインテナンスプログラムもセルフケアのチェックや歯肉炎上のバイオフィルムの破壊、PMTCなどがメインとなるのでリコールの間隔も一番長くなります。
②治療後メインテナンス 
 動的治療を終了した患者さんに対して行うメインテナンスです。歯周動的治療により獲得した健康を維持するものですが、歯周病菌による破壊があったわけなので歯周病菌の復活を阻止する必要があります。治療後のリコール間隔は基本的に三か月といわれていますが、残存するリスクによって加減する必要があります。
③試行的メインテナンス
 本当は歯周外科をした方が良いが、さまざまな状況でそれをあえてしないで、より歯周病菌の侵襲の少ない治療を改善策として行います。歯周病菌の感染や歯周組織の破壊があり、しなければならないメインテナンスプログラムも多くなります。当然リコール間隔も短く設定した方が無難です。
④妥協的メインテナンス
 さまざまな理由から積極的な治療ができない場合で、もっともリスクが高くなります。歯周病菌は大量に残存しているためメインテナンスプログラムもフルコースになりますし、リコール間隔のもっとも短く設定した方がいいでしょう。

メンテナンスの流れ

①問診
  ↓
②診査
  ↓
③セルフケアのチェック
  ↓
④プロケア(細菌バイオフィルム破壊、PMTC)
  ↓
⑤フッ化物歯面塗布

これは基本的な歯周病のメンテナンスの流れです。患者さんとの会話から始まり、診査、セルフケアのチェック、細菌バイオフィルムの破壊、フッ化物の塗布が大きな流れで、これは歯科衛生士が行います。そしてこのままですと私の出る幕がありませんので、細菌バイオフィルムの破壊プログラムが終了した時点で、診査結果を患者さんに説明し、次のメインテナンスまでの間隔を決定します。
このプログラムを限られた時間の中で行うには、ひとつひとつの処置を効率良くこなすとともに、その患者さんのとってそのときにもっとも大切な処置に時間を重点的に使うように時間配分することになります。
例えば、セルフケアが不十分なのでブラッシングの再指導に時間をかけるのか、プロービング(歯ぐきの検査)で出血が多いところを中心に歯ぐきの中の細菌バイオフィルムの破壊の時間を使うのかという具合です。このような時間配分の決定権は歯科衛生士が握っていて、その意味ではメインテナンスに与えられた時間配分は担当歯科衛生士が握っています。
私たちのクリニックでは、歯周基本治療、必要な場合歯周外科を行い、検査により再評価、メンテナンスという流れに則り、基本に忠実に施術を行っております。
詳細は

こちら

です。
歯周病でお悩みの方は、ぜひご相談ください。