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肺炎と口腔内の清掃の関係とは?

2024年2月7日

口腔の健康は Air Way からみてもこんなに重要です
歯周病と誤嚥性肺炎

 

⚫️高齢者の健康を脅かす肺炎

 

国の統計資料によると肺炎は日本人における死因の第4位です。そして肺炎の発症率は加齢とともに増加し、肺炎で死亡する人の大部分は65歳以上の高齢者であり、年々増加傾向にあります。また、肺炎のために入院を余儀なくされ、長期の安静臥床を続ける間に廃用症候群が進行し、さまざまな合併症を引き起こし、結果的に要介護状態となる危険もはらんでいます。同時に、病院や施設入所患者の直接の死因としても頻度が高く、障害者や衰弱者の合併症として大きな危険性があります。すなわち、肺炎は高齢者の罹病率や死亡率を上昇させ、医療費や介護費用を増大させる原因の大きな要因であるといえます。したがって、肺炎の予防はわが国の医療・福祉行政の上で大きな課題です。
高齢者の肺炎の重症化や肺炎による死亡の原因には、心不全,肺疾患,腎不全,糖尿病等の基礎疾患の存在とともに、繰り返す誤照(誤って食塊や唾液が喉頭、肺に流入してしまうこと)が挙げられます。肺炎を発症した高齢者の多くは、嚥下反射(食塊や唾液を嚥下する能力)や咳反射(気道に誤って流入(誤嚥)した食塊や唾液を排除する能力)が潜在的に低下しており、食事のときにむせこんだり、食べ物が喉につかえたりするという症状がなくとも、夜間睡眠中に唾液を下気道や肺に不顕性に誤嚥(むせこみや咳がみられない誤嚥)していることがわかっています。日頃は不顕性誤嚥を繰り返して肺炎にならない人でも、全身状態の悪化や風邪や気管支炎等の呼吸器感染を起こしたとき、あるいは口腔疾患等で口腔内の細菌が増えたときには肺炎を発症します。肺炎になると。栄養や免疫機能がさらに低下し,繰り返す不顕性誤嚥ために肺炎が反復,重症化し,ついには死にいたることも稀ではありません。

 

⚫️口腔ケアは認知機能に影響を与える

 

研究より、誤無性肺炎を予防する以外にも口腔ケアは身体的,精神的活動の維持や改善をもたらす効果が示されました。とくに認知機能を表す指標(痴呆の進行度を示す)である MMS(Mini mental State Examination)について口腔ケアグループにおいてその低下が有意に抑制されました。実際、現場では、口腔ケアを始めてから施設利用者の顔が目にみえて明るくなったという数多くの朗報を得ています。また、日常の生活リズムの中で敏感な口腔を注意深くケアすることによって、固く閉ざされた心が開く可能性があります。誤嚥性肺炎の背景には全身の抵抗力の低下がありますが、口腔ケアによってこの抵抗性の低下につながる落ち込みなどを予防できる可能性もあり、将来,精神・神経的な疾病や障害に対して口腔ケアは有効な手段の一つになる可能性があります。

 

歯の欠損、噛めないことも認知症につながる

 

口腔内に歯の欠損があり、放置されているような場合、咀嚼障害が徐々に起こります。口腔内の環境を悪化させないように、インプラントや入れ歯、ブリッジなどの欠損補綴治療があります。これらは、欠損歯列による障害を予防する意味合いも大きいです。
欠損がある場合、多くの患者さんは、今のお口の状況が一番悪いと思われています。適切でない治療や欠損の放置により、噛み合わせが崩壊していくと、全身のバランスが取れなくなる、栄養状態が悪化し虚弱になる悪循環に陥ってしまいます。


歯の欠損が進むと、顎に一本も歯がない状態、無歯顎となります。上顎が無歯顎となった方のパノラマX線写真。


歯茎だけの上顎。


年季の入った総義歯。噛みあとがついています。その方の噛みかた、かむ力、生活習慣などにより摩耗の程度は異なります。


慣れておられる義歯で、食事を工夫して摂取されておられるようです。義歯に向いている食品、そうでない食品があります。
食品アンケートによる咀嚼能力難易度検査もあります。これは、朝倉の分類から抽出した4種類、ゆで卵、茹でた千切りキャベツ1口サイズ、ロングパスタ1口サイズ、スライスハムです。摂食してから嚥下するまでの所要時間を計測し、各食品を片咀嚼してもらい計測するという内容です。
特別な器具を必要とせず、良いのですが、ご家族の協力が不可欠であり、万能というわけではありませんが、咀嚼の評価をする一つの指標として参考になります。

 

⚫️ブラッシングはこの嚥下反射に影響を与える

 

ブラッシング(毎食後に歯・歯肉・歯と歯肉の間を1箇所あたり10回ずつ)、そのものが口腔内の知覚神経を刺激し、嚥下反射や咳反射を惹起することで(神経伝達物質であるサブスタンスPの関与の可能性),摂食・臙下機能の訓練としての効果をもたらし、嚥下機能を改善させて結果として ADL(日常生活動作、日常的な生活動作と活動性をあらわす指標)を向上させることが実証されたといえます。

 

⚫️低栄養・脱水の予防と肺炎予防

 

加齢にともなう摂食・嚥下機能の低下に加えて、肺炎を起こした高齢者では、無症候性脳梗塞を生じており、燃下反射にや咳反射の低下を生じており、食事摂取に際して不利な状況です。
栄養状態不良者に対して、栄養を付加する群と、栄養付加に加えて口腔清掃(口腔ケア)を併せて行う群を比較したところ、4カ月後には、口腔清掃を併せて行う群の方で血清アルブミン値が上昇し、栄養状態が改善したことが認められました。口腔清掃による肺炎の予防効果や前述の嚥下機能や味覚機能の向上により、食物摂取量が増加し、栄養状態が改善したものと考えられます。

 

▪️…おわりに…
健やかな人生のために歯周病の予防と肺炎の予防

 

健康に生活している時は誰も口腔の大切さに気づきませんが、いったん病床の身になり全身の抵抗力が低下し、口腔の清掃ができない。あるいは口腔ケアがほとんど受けられない状況になると、細菌で満たされた口腔が呼吸器の入り口であるということが無視できなくなります。つまり、生死に関係することすらあるのです。とくに高齢者の場合、劣悪な口腔衛生状態、進行した歯周病、呼吸器の機能低下、摂食・嚥下機能の低下、感染に対する抵抗力,ADL低下の観点から、呼吸器の入り口としての口腔に目が向けられないことは重大な結果を引き起こす可能性があります。一方、口から食物を摂取できない高齢者が急激に増えていますが、口からの摂取が制限されたその日から、全身の活力が低下していくケースにたびたび遭遇します。これは、口から食べられなくなり、口腔の廃用性の変化によって全身の代謝のメカニズムがペースダウンしてしまった上に、精神的なダメージが大きく影響するためと思われます。このように、口腔と肉体的,精神的健康は密接に関係するといっても過言ではありません。
気道感染のひとつである誤嚥性肺炎の予防には、
① 感染源ともいえる口腔咽頭細菌叢の除去(コントロール)
② 感染経路対策としての嚥下反射,咳嗽反射の改善
③ 感受性宿主対策として栄養改善による免疫能の改善
④ 潜在化している摂食・無下機能の障害の早期発
などが必要です。そして,何より、誤嚥性肺炎の原因と目される歯周ポケット内の細菌のコントロールは、非常に重要になってきます。口腔内の衛生状態を良好に雑持するとともに、口腔機能の要となる歯を喪失しないようにする歯周病対策は、肺炎予防の基本でもあるのです。

歯周病と心疾患について

2024年1月24日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

歯周病は多くの方が感染している病気です。
今回は他の病気との関連についてのお話です。


歯周病の患者さんの口腔内写真。

歯を支えている顎の骨の吸収が進んでいます。

 

歯周病と心臓病の関連について

 

歯周病が進行すると、歯周ポケットが深くなります。この歯周ポケットの中で細菌群が歯肉組織に侵入し、生体はこれを異物、抗原と認識して、炎症・免疫応答が起こります。この際,炎症性組織となっている歯肉には豊富な新生血管があり、そこから歯周病関連細菌、細菌産生物、あるいは生体側で産生されるサイトカインと呼ばれる炎症性物質が血管内に入り込んでいき、血液を介して全身の臓器に運ばれ、さまざまな悪影響をもたらすことが考えられます。

歯周病と心臓病との関連性に関する疫学的調査により、歯周病に罹患している人は、心臓病に罹患する人、あるいはそれが原因で命を亡くされる人が多いという報告がある一方、両者の間には関連性がないという報告もあり、現段階ではまだはっきりと断定はできません。それでも近年,基礎研究領域では,歯周病から心臓病に影響を与える因子、経路に関する研究結果がいろいろ報告されるようになってきました。

 

①そもそも心臓病って?

 

心臓病とは、心臓に発症する疾患の総称で心疾患とも呼ばれており、虚血性心疾患、心内膜炎,心筋炎、心臓弁膜症、心膜炎が主だったものです。
厚生労働省の死因順位別死亡数の年次推移
2004年(平成16年)度死因順位推定値
第1位 男女ともに悪性新生物
第2位は心疾患
第3位は脳血管疾患であす。
さらに、心臓病で死亡する人は毎年約15万人を超えており、徐々に増加する傾向にあります。虚血性心疾患とは、心臓の筋肉(心筋)に栄養や酸素を運んでいる血管(冠状動脈)に動脈硬化が起こり、血流が悪くなって起こる疾患で、代表的なものに狭心症と心筋梗塞があります。

 

②虚血性心疾患の原因

 

虚血性心疾患は、血管の動脈硬化が元になって発症します。この疾患は、アテローム(粥腫)性動脈硬化症,中膜硬化症(メンケベルグ型動脈硬化),細動脈硬化症に分類されますが、虚血性心疾患の原因としては、大,中等大の動脈に多発するアテローム性動脈硬化症が主体となっていると考えられます。
一般にアテローム性動脈硬化症は、長年にわたる不適切な食生活や運動不足,ストレスなどの生活習慣が大きく関わる生活習慣病です。多くの欧米諸国で死因の第1位が心臓病であることを考えると、日本人も食生活をはじめライフスタイルが欧米化し、その結果として、心臓病患者が増加したと考えられます。最近では高齢者ばかりでなく、30,40歳台でも虚血性心疾患に罹患する人が増えており、20歳台の男性でも動脈硬化が増加しています。
近年では内臓脂肪蓄積が出発点となって、肥満、糖尿病,高脂血症,高血圧が相互に関係して悪化することが明らかとなり、メタボリックシンドロームという名称で国際的にも非常に注目されています。これらの疾患は、どれもがアテローム性動脈硬化症のリスクファクターですが、これらのうち2つ併せ持つ人は、まったく持たない人に比べ、心臓病の発症リスクが10倍近くに、3~4つ併せ持つ人では、31倍にもなることが報告されており、脂肪細胞の機能の解明,なかでもアディポサイトカインの研究から、各病気の間の機序についていろいろなことがわかってきています。

 

③アテローム性動脈硬化症と炎症

 

アテローム性動脈硬化症は炎症性疾患であるといえます。この過程が進行してアテロームが増大すると血管内腔は狭くなり、狭心症の状態になります。さらに、Tリンパ球や炎症性物質は、血管内皮の傷害、透過性の亢進,血栓の形成,内膜の肥厚をきたし,完全冠状動脈が閉塞して心筋梗塞となります。
以上のような、傷害反応説は、マクロファージが活性化することから、炎症性疾患として歯周病の病因とも重複する部分が多く、部位は離れていますが、血流に乗って影響を及ぼしていることが推察されます。

 

④歯周病が心臓に影響する可能性としての機序

 

1.細菌あるいは細菌産生物による直接作用

 

歯周病関連細菌のPorphyromonas gingivalis (Pg)が、アテローム性動脈硬化症に特異的な病原微生物として挙げられています。さらに、その他の歯周病関連細菌(Bacteroides forsythus, Actinobacillus actinomycetemcomitans, Prevotella intermedia)もアテローム中から検出されています。また,グラム陰性細菌の細胞壁構成成分のLPSは、直接血管内皮細胞を傷害すると同時に、炎症性サイトカインの産生を高めることにより、間接的に血管内皮細胞に作用すると考えられています。

 

2. 歯周病局所で産生された炎症性サイトカインによる直接作用

 

 

3. 歯周病局所の炎症性因子刺激により産生される急性期蛋白による間接作用

 

敗血症等の急性炎症において、主として肝臓でC反応性タンパク(CRP),フィブリノーゲン、血清アミロイドAタンパク(SAA)等の急性期蛋白が産生されます。これらのタンパクは本来,抗炎症効果のために産生されますが、慢性的で持続的な炎症性刺激が加わると、炎症を助長する作用があります。すなわち、CRP は炎症局所へ移行し、炎症性サイトカインの誘導、補体の活性化により二次的な損傷を誘導します。フィブリノーゲンやフィブリンは、ヒト単球と結合して、サイトカインの発現を誘導します。また,SAAは脂質代謝産物との相互作用によりアテロームへの脂質の沈着を促進します。
これらの急性期タンパクの増加は、心筋梗塞や心臓関連死と関連することが報告されていると同時に、歯周病や歯周病関連細菌とも関連のあることが確認されています。

 

4. 熱ショックタンパク

 

熱ショックタンパク(heat shock protein: Hsp)は、環境、および代謝ストレスに反応して細胞内で産生されるタンパクです。その中で、Hsp60ファミリーは熱や炎症などの刺激でその発現が増強されます。このタンパクは、種を超えてアミノ酸配列の相同性が高いと同時に、免疫原性も高いという特徴をもちます。酸化低比重りポ蛋白、LPS,炎症性サイトカインは、血管内皮細胞のHsp60発現を増強します。歯周病関連細菌に感染して、体内に細菌由来のHSp60抗体が産生されますと、交叉反応性により,前述の血管内皮細胞に発現しているヒトHSP60と結合してしまいます。そして、このような抗原抗体反応が成立すると、血管内皮細胞の傷害,マクロファージ、T細胞の活性化が起こりその結果産生される炎症性サイトカインにより、さらに炎症が進展するという悪循環に陥ることが報告されています。実際、歯周病をもつ患者さんの血清中には高レベルのPgのHSP60抗体が検出されたという報告があります。

 

5.遺伝子多型

 

一部の遺伝子が変異した遺伝子多型は,産生される分子の発現量や形に影響を与えることがあり、組胞の応答性を規定する可能性があります。たとえば、IL-1は歯周病および冠状動脈疾患の両疾患で、その病因に関与していますが、IL-1遺伝子群の多型性は、重度の歯周炎やアテロームとの関連性が示唆されています。このため、炎症に関連する因子の遺伝子多型が、歯周病と心臓血管疾患を結びつける生物学的背景である可能性があります。

 

まとめ

 

歯周病と心臓病との関連性が示唆される報告についてその機序を中心に述べましたが、確実にその因果関係が証明されたものはありません。しかしながら、病態から想定されたメタボリックシンドロームの疾患概念が、脂肪細胞の肥大化によるアディポサイトカインを通して解明されつつあり、炎症反応を中心として解明されてきたアテローム性動脈硬化症との共通項が見つかりそうな雰囲気です。さらに心臓病は歯周病の病態とも共通項があり、これらの絡み合った経路を一つ一つ解きほぐしながら、病態の本質が解明され、治療法に至る研究が発展していくことが期待されます。

インプラント治療後のメンテナス その2

2024年1月7日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

今回もインプラントのメンテナンスについての内容ですが、
インプラントの上部構造とその周囲の状況を具体的に考えた上で、
どのようにケアを続けていくとよいかを説明します。

 

上部構造装着直後のブラッシング指導の重要性

 

上部構造装着直後、患者さんはインプラントで歯を補われた歯列に慣れていないため、
ブラッシング不良になりやすく注意が必要です。

とくに全く歯がない状態で長期にわたり総義歯を装着されていた患者さんの場合、
歯ブラシで歯を磨く習慣を忘れてしまっているため、
歯科衛生士が時間をかけてブラッシング指導をする必要があります。

また、インプラントは顎骨の幅や高さにより埋入する位置や長さが決定されるため、
上部構造の形態は顎骨の量や形態により清掃性の面で理想的な形態を付与できない場合があります。

左下奥にインプラントが埋入された状態のCT画像。天然の歯と比較すると、根の幅が大きく異なります。
この症例では、あまり骨の高さの差はありませんが、
このように整った条件ばかりではありません。

したがって、上部構造装着直後に患者にブラッシング指導をする際には、顎骨および上部構造の形態を説明し、
形態的に磨きにくい部位があることを理解していただくこと、
インプラント歯列のブラッシングに慣れていただくよう指導することが重要です。

インプラントの上部構造装着後、定期健診の重要性、インプラントを含めた歯磨きの方法等を説明しています。
患者さんが選んできた歯ブラシ等が、必ずしもインプラント周囲組織に適した製品ではない場合もあります。
私たちは、上部構造の装着直後に、インプラントに適した清掃用具およびブラッシング方法の説明を行っております。

 

バイオタイプによるセルフケアの注意点

 

バイオタイプというのは、歯茎の粘膜の質のことです。
インプラント周囲粘膜の形態は、
厚い(thick-fat)タイプと薄い(thin-scalloped)タイプの2つに大別されます。
また、歯周組織についてはlaynardらにより軟組織や骨の厚みの関係から
4つのバイオタイプに分類されます。

角化歯肉の幅や厚みが、インプラント周囲組織の安定に必要か否かの見解の一致は得られていません。
しかし、歯周組織において歯肉が薄く角化歯肉が不足している部位では、
臨床的にブラシや食物による擦過などの機械的刺激やプラークに対する抵抗性が低く、
炎症による歯肉退縮を起こしやすいことがわかっています。
インブラント周囲粘膜においても、粘膜がインプラント上部構造頭部に近接し角化歯肉の幅が不足している部位や、
薄い組織の部位において、ケアを行う際には十分な注意が必要です。

とくに前歯部においては、唇側粘膜の厚い(thick-1at)タイプ
では、粘膜の退縮は少なく、審美的問題も少ないでしょう。
一方、薄い(thin-scalloped)タイプでは、経時的な粘膜の退縮が生じやすく、
とくに強圧や間違った方向へのブラッシングを行った場合、粘膜退縮は大きくなり、
審美的問題を生じやすくなります。

セルフケアの指導は、バイオタイプを評価したうえで指導方法を選択する必要があります。
Thick-Alatタイプの場合は、通常のブラッシング指導を行い、
過度なブラッシング圧による粘膜損傷を起こさせないような指導が重要です。

一方、thin-scallopedタイプの場合、ブラッシングによる粘膜退縮を予防することが重要であり、
軟らかい毛質のブラシを選択し、ブラッシング圧を弱め、唇側面に直角に当てるようなブラッシング指導を厳密に行う必要があります。
セルフケアに使用する各種清掃用具は、天然歯とは異なる形態を呈しやすいインプラント上部構造は、清掃性が悪くなる部位があるため、
歯ブラシだけでは磨き残しやすいことも多くなります。
そのため、補助ブラシなどインプラント周囲組織と 上部構造の形態や材質に適した清掃用具の選択が重要となります。

 

①ワンタフトブラシ

 

豊隆が大きい部分やインプラントブリッジの鼓形空隙などは、通常の歯ブラシでは毛先が届かず磨き残しやすいため、
歯ブラシで磨いた後に補助的にワンタフトブラシを使用するよう指導します。

 

②歯間ブラシ

 

インプラント周囲粘膜は瘢痕状態であり、歯間ブラシの誤った使用方法により、容易に付着をしてしまうこともあります。
ブラシの使用を開始する際には、必ずサイズ確認を行い、挿入方向に十分注意するよう指導することが重要です。

歯間ブラシのサイズは、天然歯の歯間部に適合するサイズよりもワンサイズ小さいものを選択し、
歯肉を押し広げないように注意する必要があります。
筆者は、歯間ブラシのサイズSが抵抗なく挿入できる鼓形空隙より狭い部位には、
歯間ブラシの使用は避け、ワンタフトブラシでの清掃を中心に指導しています。

また、歯間ブラシの金属のワイヤーによって、チタン面やセラミックス表面を傷つけないために、
ワイヤーがナイロンやプラスチックコーティングされている歯間ブラシを使用することも重要です。

 

③軟毛ブラシ

 

可動粘膜がインプラント上部構造頸部に近接しており、ブラッシング時の擦過によって傷つきやすい部位や、
即時荷重インプラント治療において手術直後に暫間的補綴物を装着した部位など、
粘膜が脆弱な場合には、軟毛ブラシを選択します。

 

④音波振動歯ブラシ

 

音波の作用により効率的に磨くことができるため、とくに全顎無歯顎症例でインプラント治療された患者さんにおいて、
音波振動歯ブラシでのブラッシングは有効です。また、ブラッシング圧をコントロールできない患者においては、
とくに音波振動歯ブラシを勧めることが必要です。
なぜなら、インブラント周囲粘膜は瘢痕組織であるため過剰な圧のブラッシングによって粘膜を傷つけないためにも、
一定の振動で磨ける音波振動歯ブラシを選択することが重要だからです。

 

⑤電動歯ブラシ

 

電動歯ブラシの毛先の動きは、歯周組織と比較して粘膜が脆弱であると考えられるインプラント周囲組織に対して、
ブラッシング圧が強すぎる場合もあるため、なるべく使用を避けるように指導しています。

 

⑥歯磨剤

 

研磨剤が多く配合されている歯磨剤は、上部構造を摩耗させるため、インプラントのみならず天然歯に対しても使用を避けるべきです。
セラミックスや金属などインプラント上部構造の材質にかかわらず、研磨剤によって傷ついた表面はバイオフィルム、プラークの沈着を招きます。
また、審美的にも、研磨剤によって摩耗した細かい傷により、セラミックスの艶や輝きを失わせます。
低研磨性または研磨剤無配合の歯磨剤が望ましいと考えます。
インプラントの形態的特徴から、歯ブラシによるセルフケアでは磨き残しやすい部位を、含嗽剂による化学的清掃法で補うことも必要です。
とくに、インプラント上部構造装着直後は、インプラントで補綴された歯列形態でのブラッシングに慣れていないため、
化学的清掃によりプラークコントロールを行うことが重要となります。
うがい薬としておすすめなのは、エピオスです。
塩と精製水を電気分解した機能水で、院内の機械で製造しています。
殺菌作用は高く、生体には優しい性質で、口腔ケアにも適しています。

定期的な受診/strong>
インプラント治療での失敗の大多数は、2次手術より1年以内に起こるという報告があります。
したがって、インプラント上部構造装着後の1年間のメインテナンスはとくに重要となります。

 

ケア用品のフッ化物濃度

 

チタンは酸性下でフッ素イオンが存在すると耐食性が低下する2ため、
フッ化物局所応用として使用する製品は中性のものを選択しなければなりません。
口腔内において、粘膜などが炎症を起こすとpHが低くなり、酸性に傾きやすくなるため、
アバットメントなど露出しているチタン面が存在する場合は、
とくにpHとフッ素イオン濃度に注意することが重要です。
一般的にはインプラントが存在する口腔内において使用するフッ化物は、
pHが中性でフッ素イオン濃度は1,000ppm以下が望ましいとされています。

インプラントのメンテナンス

2023年12月31日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

インプラント治療に関して、メンテナンスを気にされている患者さんは多いと思います。
実際、診療室でもよく質問があります。
インプラントは全て人工物ですから、虫歯は関係ないわけですが、
周りの歯茎は天然歯にも、インプラントにもあります。
多くのインプラント症例では、天然歯とインプラントが混在している状況ですので、
それぞれの成り立ちと、どのような違いがあるのかをみてみましょう。

 

インプラント周囲組織と歯周組織

 

まず、異なる点として
・天然歯は自己、インプラントは非自己
・インプラント周囲組織は非自己である物体との間で代謝を繰り返している
ということです。
そして、インプラント周囲組織には、次のような大きな特徴があります。

 

①結合組織中のコラーゲン含有量が多く、線維芽細胞の量が少ない。

 

歯科インプラントは、ある意味特殊な環境にあります。顎の骨に植立された非自己であるインプラントが、
骨膜、粘膜を貫通して口腔内に突出しています。口腔内の粘膜に、骨まで達する傷口を存在させているのです。
ちょうど、傷口が治っている瘢痕組織というのですが、傷が治る硬い組織の状態です。
瘢痕組織の状態であるインプラント周囲組織は、コラーゲン含有量が多く、線維芽細胞の量が少ないのです。
また、インプラント周囲粘膜上皮の増殖力は、天然歯の付着上皮と比較すると数分の1程度であり、
天然歯の周囲粘膜よりも代謝が劣っていることが考えられます。
一旦、周囲に炎症が生じたら、天然歯と比較して治りがよくないと言えます。

 

②血液供給量が少ない。

 

天然歯においては、歯槽突起側方の骨膜上血管、歯根膜の血管の2方向から血液供給があります。
しかし、インプラント周囲組織においては、骨からの血液供給のみです。なぜならインプラントには歯根膜がないからです。
したがって、歯周組織と比較すると、インプラント周囲組織の血流は少ないため、
血液の免疫作用及び再生能力が不十分になりやすいです。
この点でも、周囲に炎症が生じたら、治りがよくないことが考えられます。

 

③コラーゲン繊維の走行。

 

天然歯ではコラーゲン繊維の走行は歯根に対して垂直及び平行になっています。
インプラント周囲においては、コラーゲン繊維は骨から垂直に存在し、
インプラントと平行に走行しています。
そのため、インプラント周囲粘膜は、外からの侵襲に対し防御機能が低いことが考えられます。

これらのことから、インプラントのメンテナンスにおいては、
早期に炎症の変化を見つけることが重要であります。

 

全身的なリスクファクター

 

口腔内だけでなく、生活習慣や全身疾患を把握しておくのが重要です。
医科歯科連携をとること、患者さんに対しても、定期的な血液検査などを確認しておきます。
全身的因子には以下のようなことが挙げられます。

①虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)

 

②血液異常(高血圧など)

 

これらは、インプラントの動的治療中のリスクでもあります。インプラント埋入手術、2次手術は外科処置ですので、
循環器系疾患がしっかりコントロールされていることが必須です。内服している薬の情報も重要です。
とくにワーファリンなどのワーファリンなどの抗血栓薬を服用されている場合、主治医の先生と事前に連携して臨みます。
近年では、 PT-INR値を検査し、抗凝固薬の服用量を調整することにより、
歯科での口腔外科処置、インプラント手術においても、
特に休薬することなく治療を進めることが主流です。

 

✴︎PT-INR:プロトロンビン時間

 

以前は、抗凝固薬の作用を検査する項目として、PT、APTTが広く使用されていました。
これらの検査値は、検査時に使用する試薬などにより値が大きく異なるため、
施設により検査値にばらつきが生じ、正確な診断に役立てることができませんでした。
これらのデータを国際標準比とすることにより、各施設共通の共通の値となり
現在では正確な診断ができるようになりました。

もちろん、手術の止血は注意して行います。

 

③糖尿病

 

糖尿病により末梢血管の循環障害、免疫系の機能障害により、
インプラント手術後の治癒不全、感染、インプラント周囲炎への影響が考えられます。
インプラント治療を行うにあたっては、血液検査で重要となる項目として、
HbA1cが6.5%未満、空腹時血糖值13m/L未満にコントロールされていることが必要です。
これは、インプラント手術時だけではなく、メインテナンス時も同様です。

ヘモグロビンは赤血球の中に大量に存在する蛋白で、
身体のすみずみまで酸素を運ぶ役割があります。
このヘモグロビン(血色素)とブドウ糖が結合ものがグリコヘモグロビンですが、
グリコヘモグロビンにいて、その1つのヘモグロビンA1c(HbA1c)は、
糖尿病と密接な関係があります。
赤血球の寿命は約120日(4ヵ月)なので、血液中のHbA1c値は、
赤血球の寿命の半分くらいにあたる時期の血糖値の平均を反映しています。
すなわち、血糖値は血液検査時の全身状態を示しているのに対して、
HbAIC値は血液検査の日から1〜2ヵ月前の血糖の状態を推定できる
ので、糖尿病の状態を知るのに重要な検査値です。

 

骨粗鬆症

 

骨粗鬆症による全身の骨量減少と歯槽骨吸収との関連性については不明ですが、
骨粗鬆症の既往をもつ場合には、顎骨の骨量減少も考慮してインプラント手術やメインテナンスを進めていく必要があります。
一方、骨粗鬆症治療薬であるビスフォスフォネート(BP)系薬剤の投与を受けている患者で、
抜歯などの外科的侵襲により、顎骨壊死、顎骨骨髄炎の発症が近年報告され、問題となっています。

BP系薬剤には注射剤と経口剤があり、注射剤で顎骨壊死、顎骨骨髄炎が多く報告されていますが、
経口剤においても同様な報告があるので注意が必要です。
BP系薬剤による、顎骨壊死、顎骨骨髄炎のリスクファクターとしては、
外科的侵襲のある歯科治療(抜歯、インプラント手術など)や不適合な義歯だけではなく、
口腔の不衛生も報告されています。

 

精神神経症

 

医療面接が不可能な精神的疾患のある患者には、治療内容を十分に理解していただくことが困難なため、
インプラント治療は難しいと思われます。
また、不定愁訴や異常に不安感がある患者においても、同様です。


生活習慣

 

1.喫煙

 

喫煙は、インプラントの長期経過に大きな影響を与えるリスクファクターの1つです。
なぜなら、タバコに含まれるニコチンなどの有害物質により、末梢血管障害や免疫障害を起こし、
インプラント周囲炎に影響を与えるからです。
そのため、インプラント治療を開始する際は、喫煙の有無、喫煙歴について問診し、禁煙指導が重要となります。

インプラント手術時においては、埋入されたインプラント部の骨結合不良や創部治癒不全などの
問題が起きないようにするため、禁煙を徹底する必要があります。

インプラント手術に際して、喫煙者にインプラント手術前3週間、手術後8週間の禁煙というやり方があります。
期間設定は、喫煙による頭蓋顔面での手術創傷治癒への影響についての研究結果がいくつか報告されているからです。

ただ、喫煙者にとってこれだけの期間の禁煙は難しいでしょう。
笑い話のようですが、
診療室で「〇〇さん、今回の手術後にタバコを吸うと、
骨を作ったところがうまく治らず、台無しになってしまいますので、
タバコはNGですよ」
とお話しした直後、クリニックの帰り道にタバコを吸っている患者さんをみてしまった
というエピソードを聞いたことがあります。

私自身の経験では、3年間喫煙歴がありましたが、ある時、「禁煙セラピー」と言う本を読んで、
ピタッとやめることができました。
何かきっかけがあれば禁煙の成功が期待できます。
ニコチンガムやニコチンパッチを使用している方で、
上手く行った人も、そうでない人も両方見てきました。

このように禁煙指導を行っても、インプラント治療中からメインテナンスの時期まで一貫して禁煙できない患者は、
大きなリスクがあります。
その場合、非喫煙者よりもインプラント周囲炎を起こす可能性が高いことを十分に説明し、理解してもらい、
リコール間隔を短くするなど、早期に炎症性変化を発見できるようにすることが重要です。

 

2.ストレス

 

ストレスがインプラント治療に悪影響を及ぼす明らかな報告はありません。
しかし、ストレスが歯周炎に何らかの影響を及ぼしていることは知られています。
まず、直接的な要因としては、ストレスなど精神的な原因による顎の動きです。
所謂、食いしばり、歯軋りの増加です。
歯槽骨に破壊的な影響を及ぼします。

2つ目は、ストレスにより自律神経系の交感神経が優位となるため、血液循環量が低下し、
唾液分泌量も低下することです。
このことから、口腔内の洗浄、抗菌作用が低下し、歯周炎およびインプラント周囲炎を生じる可能性があります。

歯周病の原因、生活習慣

2023年12月31日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

今回は歯周病の原因についてのお話です。


歯周病の原因って?

 

歯周病は歯肉に炎症が起こることから始まります。
歯肉に炎症が起こると,歯肉が赤くなったり,腫れたり出血したりします。

では,何が原因で炎症が起こるのでしょうか?
それは歯の表面に付いた細菌の集団によるものです。

この細菌の集団のことをブラークと呼びます。
このブラークは歯の表面にしっかりとしがみついていて,うがいなどでは決して落ちることがありません。
ですから,ブラークはいわゆる食べ物のカスなどとは全く違うものです。

これらプラーク中の細菌が出すさまざまな物質によって歯肉に炎症が起きるのです。
このことは,実験的にも証明されており,歯磨きを中止して口の中にブラークが増えると,
歯肉に炎症がみられるようになり,歯座きを再開すると,炎症はひいていきます。

歯石が歯周病の原因ではないかと認識されている方もいらっしゃいます。
歯石を定期的に除去しているのに,いっこうに歯周病が改善しないこともあります。
実は歯石はプラークが石灰化(石のように固くなる)したもので,
歯肉に炎症を引き起こす病原性はプラークよりずっと低く,歯や歯根の表面がざらつき不整になるために,
プラーク付着因子(プラークが歯や歯根の表面につきやすくなること)として考えられています。
歯石は軽石のような質感で、プラークが付着しやすいです。
歯石自体に毒性はありません。
したがって,いくら歯石を除去してもプラークが付着する環境では,歯肉の炎症が改善しません。
プラーク以外にも噛み合わせ,歯ぎしりに代表される習癖、全身疾患など,原因とされるものは他にも多くありますが,
それら単独では歯周病は発症することはなく,プラークが最大の原因であります。

 

歯周病は生活習慣病?

 

歯周病の主たる原因は,口の中のプラークつまり細菌であるとご説明しました。
細菌が原因であると聞くと,風邪と同じ外からやってくる感染性の病気のように思われるかもしれませんが,
歯周病は,高血圧・肥満・糖尿病・高脂血症と同じ”生活習慣病”とされています。
生活習慣病とは普段の生活習慣により体の健康に歪みが生じて発症する病気です。

プラークが一番の原因ですが,その細菌は健康な方の口の中にも存在していますし,
個々の食生活やブラッシング習慣、個人の感染に対する抵抗力により大きく異なります。
口の中のプラークが歯周組織を破壊するかどうかは,その人の生活習慣によっても大きく異なっています。

生活習慣病は以前「成人病」とも言われていましたが,厚生労働省は呼び方が正確でないということで,
1996年に生活習慣病と呼び換えました。
生活習慣病の大きな特徴は,生活習慣の歪みを是正することにより,その発症を予防できるということです。

言い換えると生活習慣病は,生活習慣を改善せずして医者や歯医者に通うだけでは決して治らない,ということです。
糖尿病の改善に食事療法や運動療法が非常に重要であることはよく知られています。
また,生活習慣病の多くがサイレントディジーズ(静かな病気)と言われ,普段はほとんど症状もなく進んでいく病気であることがその特徴です。

歯周病の多くは普段からのブラッシングにより予防可能ですし,歯周病の検査はお近くの歯医者さんでできます。
残念ながらすでに歯周病と言われてしまった方は,普段の食生活と特にブラッシング習慣について見直しと改善が必要で,
それが一番の治療となります.

歯石除去の器具
この改善の指導とチェックは,歯周病専門医や一般の歯科医師や歯科衛生士が行います。

 

歯周治療の実際

 

では,歯周治療はどのように進められるかを簡単に解説したいと思います。
まず,すべての歯と歯肉の間にできた隙間(歯周ポケット)の深さと歯周組織の炎症の状態や破壊の程度を調べる検査を行います。
実は病名としては歯周病とひとことでまとめられますが,その程度の差によって治療の方法,難易度,予後の予測が大きく異なります。
したがって,ここでいう検査は特に歯周病の程度を把握するスクリーニングの意味があります。

軽度な場合、生活の改善と原因となるプラークを除去するためのプラークコントロール(ブラッシング習慣や方法の改善)で
ほぼ正常な歯周組織にもどすことが可能です。

中程度進行した歯周炎ではプラークコントロールしたのち,歯周ポケット内のプラークと歯石除去を行います。
歯石は,表面がざらざらしておりプラークが付きやすいため,通常は手用スケーラーまたは超音波スケーラーと呼ばれる歯石除
去のための専用器具で,機械的に除去します。
さらに歯石を除去後,プラークで汚染された歯根の一層を除去し,平滑にして歯肉に対して物理的な刺激をなくすことで,
歯肉の炎症を抑えます.こうした一連の器具操作をスケーリング・ルートプレーニングと呼びます。

歯石が歯の根の表面に多量に付着している状態。

歯周病が進行したケースでは,この歯石除去に時間をかけ,徹底して行います。
しかし,歯石のついている部位によっては,徹底した除去が困難な場合もあります。
そうしたケースや高度に進行した歯周炎の部位に対しては歯周外科や内科的な除菌を行います。

以上が歯周治療の流れですが,歯周病の治療がおおよそ終了しても再発しないよう,
ブラッシングという生活習慣を定期的にチェックし管理していくメインテナンスを継続することが,
歯周組織の健康を長期にわたり保つために重要となります。

 

全身疾患と歯周病について

 

歯周病の原因がプラークであることをお話ししましたが,
実際はプラークが歯に多量に付着していてもさほど歯周病が進行していない場合や,
逆にプラークは肉眼的に非常に少ないのに歯周病が進行している患者さんにしばしば遭遇します。
生体の抵抗性や感受性などが影響し,
さらに,遺伝的因子や環境因子などが関与していると考えられています。

現在のところ,最も調査や研究が進み,歯周病に関与する危険因子と言われているのは,喫煙と糖尿病の2つです。
喫煙と糖尿病は歯周病の発症や進行に関与しますが、その逆に,歯周病が糖尿病の悪化に関与することは考えられないか? と想定されます。

そこで,双方の影響を調べる大規模な研究がアメリカで行われました。
その結果,全身疾患(冠動脈疾患,呼吸器疾患,糖尿病,早産や低体重児出産,骨粗鬆症など)が歯周組織の健康や歯周病
に影響を及ぼすことはもちろんですが,歯周病がこれら全身の健康状態に強い影響を与えていることが報告されました。

歯周病と糖尿病の関連のメカニズム

 

糖尿病の合併症の一つである微小循環障害による歯周組織の創傷治癒遅延や、血糖値の上昇に伴うコラーゲンの代謝能力の低下、
歯根膜線維芽細胞の組織修復能力の低下などが考えられていました。
1990年代後半からは、コラーゲンを含めてタンパク質が非酵素的に糖化反応を繰り返すことで作られるAGEという物質の関与が
提唱されました。

 

糖尿病患者への歯周病治療

 

歯科治療上、重要なことは、糖尿病の血糖コントロール状態や、使用薬剤、合併症の有無などを
医科歯科連携をしっかりとり、情報共有することです。

糖尿病の血糖コントロールが良好であれば、歯周病治療にも良い反応が得られると考えられます。
逆に不良な場合、歯周病治療のみを頑張って続けていったとしても、
歯周病の悪化や再発やしやすいことがわかっています。
また、重度の歯周病の方は、インスリン抵抗性が悪化します。
つまり、血糖コントロールが不良な場合は、先に内科的な治療が優先されます。
なぜなら積極的な歯周治療が不可能であるからです。
プラークコントロールは、いつでもスタート可能ですので、
非外科的なアプローチを取りつつ、患者さんご自身でしっかりプラークコントロールができるよう、
歯科医院でサポートをしていくことが重要です。

糖尿病と歯周病

2023年12月30日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

ドラッグストアに行くと、様々な種類の歯ブラシやペーストが売られていますね。
歯磨きは、全ての人にとってとても関心がある生活習慣と言えます。
歯磨きをするとさっぱりしますし、口臭抑制などのエチケットも大事です。
虫歯や歯周病で歯を失わないように、日頃のケアをするわけです。

何回かに分けて、歯周病の詳しいお話を投稿しようと思います。
歯石がついている状態を含めると、成人の半分以上の人が歯周病を有しています。
40歳以上の人が歯を失う原因の約80%が、歯周病と言われています。
正しく病気を理解する必要がありますね。
今回は、糖尿病と歯周病の関連についてお話しします。

糖尿病の患者数は、年齢を重なると男女ともに割合が高くなることが
調査でわかっています。

国民健康・栄養調査によると
『糖尿病患者の年齢別の割合』は
次のようになっています。

『男性』

・30~39歳:1.3%
・40~49歳:3.8%
・50~59歳:12.6%
・60~69歳:21.8%
・70歳以上:23.2%

『女性』

・30~39歳:0.7%
・40~49歳:1.8%
・50~59歳:6.1%
・60~69歳:12.0%
・70歳以上:16.8%

さらに、要介護認定者の割合は、以下のとおりです。
・40~64歳:0.4%
・65~69歳:2.9%
・70~74歳:5.8%
・75~79歳:12.7%
・80~84歳:26.4%
・85歳以上:59.8%

つまり、男女ともに
歳をとるほど
・糖尿病になりやすく
・介護が必要となる
ということです。

糖尿病になると口の中が乾きやすくなり、
唾液の分泌量も減り、口の中が汚れやすくなります。

さらに免疫力も低下するため歯周病になりやすく、
なおかつ治りにくいことがわかっています。

「糖尿病になっている方の7~8割が
歯周炎などにかかっている」
とも言われています。

要介護ともなれば、歯周病の治療を受けたくても受けられないという困ったことになります。

厚生労働省が最近行った糖尿病実態調査から,日本人の糖尿病患者は現在740万人,さらその予備軍が880万人いるとされ,
成人の5〜6人に1人が糖尿病あるいはその予備軍であることが明らかとなりました。

糖尿病の中でも大部分を占める2型糖尿病(全糖尿病患者の90%を占める)は,
インスリンの分泌低下にインスリン抵抗性が加わって発症することが知られています.
この50年間で2型糖尿病患者が急増している最大の原因は,
もともと欧米人に比べてインスリン分泌能が2分の1と低いという遺伝的素因に加え,
生活習慣の欧米化すなわち高脂肪食の過剰摂取(50年前に比較して脂肪摂取量は約4倍に増加している)と,
運動不足から生じる肥満に伴うインスリン抵抗性が合わさったためと考えられています。

 

1.インスリン抵抗性と炎症性サイトカイン

 

糖尿病発症の鍵であるインスリン抵抗性とは,
種々の原因(肥満,運動不足,ストレス,過剰脂質摂取,炎症)などによって,
インスリン感受性細胞におけるブドウ糖の組織摂取量が低下すること,
すなわちインスリン感受性の低下と定義されています。

なかでも内臓脂肪番積型肥満(内臓周囲に脂肪が蓄積するタイプの肥満:リンゴ型肥満)は、
種々のメカニズムを介してインスリン抵抗性の成立に関わることが知られています。
脂肪細胞からはアディポサイトカインと総称される生理活性物質(TNF-a, IL-6,レプチン,アディボネクチンなど)が産生・分泌されており、
これらがインスリン抵抗性および肥満患者に高額度に発症する動脈硬化の成立に関与していることがわかってきました。

一方、歯周病をはじめとする慢性炎症の存在下においても,
インスリン抵抗性が生じることはよく知られています。
とくにアディポサイトカインの中でもTNF-aと呼ばれる炎症性サイトカインは,インスリン抵抗性に大きく関与する分子のひとつです。
これまでの研究から,2型糖尿病や肥満者では脂肪細胞から産生される TNF-a量が有意に上昇しており,
このTNF-aがインスリン抵抗性を惹起することがわかりました。
事実,肥満患者では体重減少に伴い血中TNF-a濃度が有意に減少し,
インスリン抵抗性も改善することが知られています。

 

2.歯周病と炎症性サイトカイン

 

歯周病は,歯周病細菌(主に嫌気性菌)の感染によって生じる慢性炎症性疾患です。
慢性化した歯周炎局所には生体の他臓器に類をみないほど多量の嫌気性菌が棲息しています。
ヒトが28歯すべてに5〜6mmの歯周ポケットを有した場合,
生体がバイオフィルム(細菌の巣)と接する面積は,手のひら大(およそ72cm2)に及ぶと見積もられています。

この状態では一過性の菌血症(菌が血液中に暴露される状態)や
LPS(嫌気性菌のもつ毒素) 血症が頻発し,それらの血中濃度も上昇するために,
生体側では活性化された免疫担当細胞が多数集積し,多様な生理活性物質をたえず産生していると考えられて
います。

病原体の生体内への侵入があった際,自然免疫系は炎症反応を惹起することにより病原体を排除しようとします。
この炎症反応の素となる液性因子を炎症性サイトカインとよんでいます.

したがって,前述したTNF-aをはじめとする炎症性サイトカインは,
このような状況下で絶えず産生されているのです。
このことは,歯周病のような慢性炎症そのものを放置することで,
恒常的にTNF-aの産生量が増加し,
インスリン抵抗性を介して糖尿病の病態を悪化させる可能性があることを示します。

実際,重度歯周炎を合併している糖尿病患者さんに歯周治療を行うことで,
血液中のTNF-a濃度が有意に低下し血糖コントロールが改善することが示されています。
すなわち,慢性歯周炎症巣を放置することは,インスリン抵抗を介して2型糖尿病の病態へ悪影響を及ぼす可前性があるのです。

 

1型糖尿病との関連性

 

1型糖尿病は,臓のインスリンを分泌する細胞が破壊され,インスリン分泌が著しく低下し,最終的にインスリン分泌が枯渇するタイプの糖尿病です。
小児や若年層に好発しますが,全糖尿病患者に占める頻度は低く約5%以下です。
家族歴はほとんどみられず,自己免疫疾患の一種と考えられています。
1型糖尿病と歯周病の関係を調べた研究では,1糖尿病に罹患している小児・若年者は,全身的に健康なコントロール群と比較して,
歯周病の罹患率や重症度が高いことが示されています。
また,その重症度は糖尿病のコントロール状態や罹病期間,そして合併症の有無と相関している場合が多いことがわかっています。

 

2. 2型糖尿病と歯周病の関連性

 

2型糖尿病は,インスリン分泌の低下もしくはインスリン抵抗性を主な発症基盤とする型の糖尿病です。
多くは中年期以降に発症し,全糖尿病患者の90%以上を占めるといわれています。
家族歴がみられることが多いことから,何らかの遺伝要因がその発症に関与することが示唆されており,
これに環境要因が加わって発症するいわゆる生活習慣病としての糖尿病がこの2型糖尿病です。

2型糖尿病と歯周病の関係を調べた研究では,2型糖尿病患者は非糖尿病患者に比べ歯周病の発症率が約2.6倍高く,
アタッチメントロス(歯と歯肉の付着の喪失程度)で2.8倍以上,歯槽骨(歯を支えている骨)の吸収度で
3.4倍以上進行していることが明らかとなりました。
また,血糖コントロールが悪い患者は,コントロールが良い患者や非糖尿病患者と比較して骨吸収がより進行していることがわかっています。

 

3.肥満と歯周病の関連性

 

肥満は,わが国で最も高頻度に見られる代謝異常症で,インスリン抵抗性を背景として,
糖尿病、血圧症,高脂血症,そして動脈硬化性疾患に対する最大のリスク因子となることが知られています。
近年,糖尿病・動脈硬化症発症の最大の危険因子である肥満と歯周病との関係を調べた疫学研究(日本人を対象とした)から,
肥満の指標の一つである体格指数(BMIkg/m)が高いほど歯周病に罹患している割合が増加していることがわかりました。
歯周病に罹患する相対危険度は、
BMIが20未満の者を1とすると,
BMIが20〜24.9の者で1.7倍,
BMIが25〜29.9の者で3.4倍,
BMIが30以上の者では実に8.6倍にのぼることが明らかになりました。
また,2型糖尿病患者を対象とした疫学研究から,糖尿病患者の歯周病重症度をBMIで分類すると,
BMIが高いほど歯周病が重度に進行していることがわかっています。
一方,米国ではアメリカ国民健康栄養調査(NHANESI)の結果から,
歯周病と肥満の各指標は有意に相関し,米国の若い年齢層(18歳から34歳)では
BMIやウェスト値が歯周病の程度と強く相関することが報告されています。
このように,糖尿病と密接に関連している肥満においても歯周病との関わりが示されるようになりました。

診断のための資料とりについて

2023年11月20日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

私たちは初診時や治療経過、メンテナンスなどのタイミングで、お口の資料取りを行なっています。
レントゲン撮影、歯周組織検査、口腔内写真、顔貌写真です。
レントゲンで写るものは、硬い組織です。
口腔内でいうと顎の骨、歯、顎の関節、上顎洞などです。
虫歯や歯周病、顎の関節の病気、歯の根の病気を画像診断するためです。

歯周組織検査というのは、成人の方ならご経験あるかもしれませんが、
歯と歯ぐきの境目の溝の深さを測定し、歯周病の状態を判定する検査です。
歯周ポケットが〇〇mmある、ということも重要な検査の項目ですし、
ポケット測定した際の歯ぐきからの出血の程度も重要です。
歯の揺れの程度も記録します。

口腔内写真は、このようなものです。

正面、左右、上下顎咬合面をカメラとミラーを用いて撮影します。
顔貌写真も正面、側方から撮影します。
なぜ、顔の写真が必要なのか?と思われるかもしれません。
そこで、口腔内の状態とともに、表情も変化する現象についてお話しします。

 

なぜ、患者さんの表情を診る必要があるのか?

 

口腔機能関連器官に起こる加齢変化を診ています。年齢を経ると口腔周囲の筋組織が変性します。また、歯の喪失がある場合、
咬合力の低下を招きます。私たちが食事をとるときに無意識に動かしている筋肉は、歯の喪失があると機能しにくくなります。
たとえば頬筋は臼歯などの喪失により変性し、口腔前庭部の食塊の咬合面への押し戻し機能の低下が生じます。
臼歯の咬合面の摩耗や歯の喪失によって噛み合わせの高さ(咬合高径)の減少を引き起こし、口腔容積が減ります。
舌の稼働空間が小さくなるのです。舌が動かしにくくなり、嚥下反射も弱くなります。

噛み合わせの高さが低下しているため、下顔面が短くなっている状態。


口周りのシワが深くなる、筋肉が衰え、はりがなくなる印象に変わっていきます。

高齢者の20%は、口底部に液体を貯めてから嚥下するタイプになりますが、このタイプになると、舌の運動量を大きくする必要があるため、
嚥下に時間がかかるようになります。
咀嚼筋は退化し、顔面の表情筋は垂れ下がり、口腔全体に加齢変化が起こります。

このように複雑な症状をかかえる高齢者、あるいは高齢者予備軍の60代の患者さんはたくさんおられます。

 

入れ歯を使い続けることにより、身体は代償を払っている?

 

入れ歯で生活されている方の歯茎を見ると、顎の骨吸収をともなうことが多いです。
抜歯をして義歯を装着すれば、初めの1年間で骨の高さが4mm 減少するという研究もあります。(1996年 World Workshop in Periodontics)

歯がない側の下顎の骨は、高さがなくなっています。

25年間に及んで義歯を装着された患者のレントゲン撮影による長期研究によると、この間に連続続的な骨吸収が起き、
上顎は約4倍の骨吸収が生じると報告されています。(Warrerら1995年)

合わない義歯を入れられていたため、上顎の歯がない部分は、骨の高さがなくなっています。
つまり、歯槽骨を維持するためには歯の存在が不可欠であり、入れ歯は骨吸収を加速させる、ということです。
以前、歯やインプラントにかかる力がどのように骨に伝わるかを解析した研究発表を見ました。
噛んだ時の力は、顎の骨の広い範囲に散っていくような画像でした。
歯やインプラントは顎の骨に植っているために、
このような力の伝わり方になるのだと理解できました。
だから、身体は骨をしっかりさせようと反応し、歯槽骨が維持されるわけです。

骨吸収により、口腔内の加齢変化は加速していきます。
合わない入れ歯がある場合には、骨の吸収が早まり、
また、患者さんも抜歯後に適合の悪い義歯を使用することで、さらに骨が吸収することの説明を受けていない場合もあります。
ほとんどの入れ歯の患者さんは、そのような事実を理解されていません。

私たちは、歯の保存だけでなく抜歯後の骨の保存も考慮した治療計画を立てねばなりません。
また、義歯が引き起こす危険性も十分に説明する必要があります。
患者さんは、ご自身の体験として、入れ歯の引っかかっている歯がダメになることを知っておられます。
「入れ歯ってだんだん大きくなるよね」
「入れ歯が浮いてきて噛めないけど、そういうものだよね」

このような状況を経た場合、噛むための筋肉の短縮を招き、咀嚼力の低下を起こし、顔面諸筋は下垂し、表情に多くの退化が見られます。

私たちは資料とりでお顔の写真を撮影するのは、受診に至るまでの表情の状態を把握するためです。
そして、治療がすすみ、治療用の仮歯などでリハビリをするときに、スムーズにトレーニングを行うことができます。
表情の特徴を分析し患者さんと共有することが、治療する上で重要であります。

 

唾液分泌低下は味覚障害、口腔乾燥につながる

 

上顎義歯を装着すると、奥歯の領域にある唾液腺を圧迫してしまいます。
加齢とともに唾液分泌量は低下するうえ、その唾液腺を義歯が圧迫するため、
より唾液がでにくくなります。
そのようにして、口腔内には以下のような変化が生じます。
(1)口腔内の湿潤が低下し食塊の滑りが悪くなるため、粘膜へ食物が付きやすく、咽頭へ食塊を送りづらくなる。
(2)食塊に十分な水分を混ぜ込むことができなくなり、むせやすくなり、味がわかりにくい。誤嚥のリスクが高まる。
(3)味覚の低下。。

 

口腔周囲筋トレーニングについて

 

健康寿命を伸ばすことへの関心は増加しています。
歯を失うことなく、予防管理していくことが最重要であります。
他科疾患の罹患率も減り、人生における医療費は大きく削減できます。
歯がグラグラしたり、抜けてきたりして、ああやばいなー歯医者行こうってなる場合が多いです。
非常に勿体無いです。それに、噛めない状態、合わない入れ歯の状態でずっと過ごされていると、
身体の代償として、筋肉の機能低下、顎骨の吸収が生じます。
入れ歯の名医と言われる先生でも、なんでもかんでもなおせるわけではありません。
過度に吸収してしまった歯茎に対しては、入れ歯が浮いてくるのは必然ですし、
インプラントも場合によっては難しくなるでしょう。
歯の欠損を放置することで、結果的に寝たきり→不健康で楽しめない人生となってしまいます。
本当は、入れ歯やインプラントがないお口が一番いいです。

では、歯周病や事故で歯を失ってしまった場合、
1ヶ月くらいで出来上がる保険の入れ歯で機能回復できるのでしょうか。
しっかり歯があった頃くらいに噛めるようにするには、ある程度の高額な治療費がかかってしまいます。
はっきり言って、健康はお金で買えるのです。
幸せな人生のために必要なこととして、
・健康
・人間関係
・経済
・楽しみ
・承認
など、いくつか要素が考えられます。
全て満たされていたらとても充実した人生と言えますね。
口腔内のトラブルから、寝たきりになってしまったとしたらどうでしょう。
健康を失えば、ベッド1つ分の人生と思うと、健康って当たり前じゃなくて、ありがたいことだなと思いますね。

オーラルフレイル:口の中の問題から全身の虚弱を招きます。

現在、若年労働者の減少とともに、高齢者でも現役で社会参加しなければならない状況になった今こそ、
お口の中から予防に取り組むこと、
治療が必要になったら身体の代償を払うような治療は避けること、
しっかり噛める状態を作り、維持していくこと
が大切ですね。

虫歯予防とバイオフィルム破壊

2023年11月11日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

今回は、虫歯かな?と思われること、歯周病の進行と治療についてのトピックです。

 

⚫️治療は必要ないの?!

 

奥歯の溝が茶色くなっているから、早くむし歯を削って詰めてもらわないと!と思ってあわてて歯医者に行ったら、「削らなくて大丈夫ですよ。予防をして様子を見ましょう」と言われて、放っておいて大丈夫なのかな?と思ったことありませんか?


それは、削る治療をしなくてよかったんです。削って詰めてもそれが一生もつことは少ないです。治療を繰り返すことで歯の寿命は確実に短くなってしまいます。
削らずに定期的に様子を見ていこうというのは、たんに【放っておく】のとは全然違います。「正しい方法で口腔内をしっかり管理してむし歯が進まないようにしましょう。この程度のむし歯なら、この先削らずにすむ可能性が十分にありますよ」ということです。
ひとつ知っておいていただきたいのは、歯の表面のエナメル質にはいろんな段階のむし歯があるってことです。大まかに分けますと次のようになります。
①歯の表面が色が変わって白濁したり茶色っぽく見える。
②穴はまだ開いていないがエナメル質が少し溶けて表面がザラザラしている。
③エナメル質に完全にボカッと穴が開いてしまっている。
という具合です。
エナメル質に深くポッカリ穴が開いている場合は別として、表面の色が変わったり、エナメル質が少し溶けて表面がザラザラしている程度なら、きちんと管理すれば、歯を削って治療する必要はないんです。
その管理とは、食後に歯間部にフロスなどを入れその後に歯磨きをていねいにする。あとは、甘い食べ物や飲み物をダラダラと食べず食後デザートとしてまとめて食べる。そして、必ず歯科医院で定期的にチェックしてもらうようにする必要があります。
しっかり管理していけば、健康にもつながりますし、将来的に治療費もかからずにすみますので是非定期検診に足を運んで下さい。
虫歯のお話をしていてなんですが、結局多数の歯が生涯にわたって保たれるために大切なのは、
歯周病の克服ということになります。なぜなら、人々が人生の後半で歯を失う大きな原因が、歯周病であるからです。
歯周病にかかっている人の多くは、通常80歳を超えると歯を失ってまうことになります。
定期的なメンテナンスが重要なのは、歯周病の進行を抑えることができるからです。
80歳を超えても歯を失わないことが研究により証明されています。

 

長崎大学 1989年の調査

 

・定期的に歯科検診を受けた人は80歳で26本の歯が残る。
・症状のある時だけ歯科受診していた人は80歳位で歯が0本になる。

症状がないけれども、病気を予防するため、健康な人がより快適な生活が送れるように、
歯科を定期的に受診しメンテナンスすることが重要です。

メンテナンスは主に3ヶ月ごとに来院していただき、歯石やバイオフィルム除去を行います。虫歯や修復物の破損がないかチェックをします。

次に、歯周病の進行に関する、バイオフィルムについてです。
歯肉縁上と歯肉縁下のバイオフィルム破壊における相違点
歯肉縁上、縁下って?
何かというと、歯の周りって歯茎がありますよね。その歯茎の一番上の縁のことを、歯肉縁と呼びます。
歯肉縁よりも上か下か、という場所を示す用語です。

バイオフィルムというのは、歯の周りの汚れに集まった口腔内細菌の塊です。台所や浴室も清掃が行き届いていないと、ヌルヌル汚れが壁にくっついたりしますが、それと構造が同じです。菌が自分達を守ろうと、バリアを張っているわけです。
歯周病では、歯肉縁上、縁下ともにバイオフィルムが形成されて、病気が進行します。

歯肉縁下のバイオフィルムは歯肉縁上バイオフィルムの延長なので、破壊プログラムもその延長でかんがえられそうですが、いくつかの違いがあります。まずは、患者さんが自分だけでは管理できない範囲であるということです。歯肉縁上バイオフィルムは、ある程度なら患者さんの日頃のケアでいい状態を維持することができますが、歯肉縁下になるとほとんど歯ブラシなどのセルフケアグッズが届かないので、これは大きな問題です。
患者さんの深い歯周ポケットは悪化する可能性はあります。そこで患者さんのブラッシングが悪いからだと責任を押し付けるのは無理があります。歯肉縁下の細菌バイオフィルムはわれわれプロの領域と考え、いかに効率良く、効果的に破壊していくかを考えなければいけません。ただし、深いからといってメンテナンスで来院されるたびに麻酔をしてバイオフィルム破壊をするわけにはいきませんので、効率や効果だけではなく、いかに痛みを伴わずに快適に患者さんがプロケアを受けられるか、という配慮の姿勢が大切であると考えております。

また、メインテナンス患者さんでは歯茎の下りを自覚されている方もおられます。これは歯肉退縮と呼ばれるものです。歯肉退縮があるとどのような印象でしょうか
。よくあるのが、歯茎が下がって口の中がなんだか歳をとったなぁという感想です。歯肉退縮した部位に注目すると、歯のエナメル質がなく、外部からの刺激に反応しやすいという共通点があります。知覚過敏が存在しないのか、プロケアに入る前に必ずチェックする必要があります。その際はまず問診で日頃知覚過敏を起こしやすいところがないかをチェックし、プロケア中に少しでも知覚過敏症状があれば、根面への刺激を抑える工夫をします。具体的には、超音波のチップなどの刺激を感じやすい器具の選定や、エアー、水温の配慮です。そしてその部位を忘れずに記録しておくことが大切です。

歯肉縁上の細菌バイオフィルムには器具が到達しやすいですが、歯肉縁下になるとその器具の到達制が悪くなるということも大きな相違点です。そのため歯肉縁下の細菌バイオフィルムを破壊しようと思うと、到達性のよいチップを使った超音波スケーリングが主役のなってきます。
ただし、動的治療と違って大量に硬い歯石がついてるわけでわないので、超音波スケーラーのパワーを抑えて、十分な注水下で根面から細菌バイオフィルムを破壊していくことになります。高いパワーは根面を傷つけるだけでなく、患者さんに痛みを与える原因になりますし、せっかく破壊した細菌バイオフィルムが洗い流されないからです。

 

歯肉縁下バイオフィルム破壊の実際

 

それでは、歯肉縁下の細菌バイオフィルムを破壊してるところを想像していきましょう。まず、われわれは自分の身を守るところからはじめないといけません。超音波スケーリングでは、細菌やウイルスを含んだエアロゾルが空中に舞うので、口腔粘膜や鼻粘膜からの感染を防ぐためのゴーグルが必要です。マスクにはどれぐらいの粒子を通すかによって種類が分かれますが、N95レベル以上のマスクを使うことをおすすめします。また、超音波スケーリングにポビドンヨードをするのだったら、患者さんへの着色をさけるため水を通さない長めのエプロンを用意しておいたほうがいいでしょう。
プローブのような到達性のよいチップは非常に重宝します。妥協的メインテナンスなどで深いポケットが残っている部位では必需品です。

このように歯周病の積極的な治療が終了した後も、メンテナンスで良い状態を保っていくのですが、施術時には患者さんの歯周病の進行具合により器具や操作を注意して行なっております。

インプラントのよくある質問その2

2023年11月1日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

まずはインプラント症例のお話からです。
右下奥の第二大臼歯が虫歯でボロボロでしたので、抜歯してインプラントで治療を行った症例です。

術前

 


術前パノラマ:右下奥歯が虫歯で小さい根のみになっています。

術前咬合面:奥歯は小さく、黒くなっています。

術前右側:上顎の奥歯が噛み合う相手がいません。
患者さんは、もともと歯があった頃の方が噛みやすかったので、治療で歯を作りたいとのご希望でした。

 

術後

 


術後パノラマ:右下奥にインプラント埋入、上部構造があります。

術後咬合面:インプラントの上部構造はスクリュー固定のため、ネジの穴を封鎖したあとがあります。

術後右側:噛み合わせが回復しています。

歯が大きく欠けてしばらくそのまま慣れていた時もあったけど、治療してかみやすくなったとおっしゃられていました。
奥の歯が1本なくなってしまった後、そのままで過ごす方もおられます。
積極的に治療で歯を補うとしたら、インプラントで歯を作るか、部分入れ歯を作って装着することになります。
奥だけ1本の部分入れ歯を作った経験がありません。しっかり噛めないどころか違和感が増すだけで、生活の質はむしろ下がってしまいます。
インプラントを絶対すすめることもしていません。噛みづらいなとか実感されている方には、ご案内しています。
感じ方は人それぞれですし、その方の生活スタイルや年齢などは、積極的な治療に踏み切るかどうかの大きい判断材料になります。

歯がなくなった側は、反対側で自然と噛んでいくことになります。歯がそろっていて噛みやすいからでしょう。
利き腕と同じように、噛むときも左右どちらかを主体に噛んでいることが多いですが、
噛み合う歯が少ない場合、歯が少ない側で咀嚼する機会が減ってしまいますので、
お顔の形も変わってきてしまいます。
これは、咀嚼する時の筋肉をどのくらい使っているかによります。当然使っていない側は筋肉が衰えてしまいますので、
お顔がたるんでくるわけです。
お顔の筋肉とシワも関係があります。

 

顔の筋肉とシワの関係って?

 

みなさんは、「時間がないから」といって食事を短時間ですませてはいませんか?現代はやわらかい食べ物が好まれ、あまり噛まない食習慣になってきています。
しかし、顔の筋肉を使ってしっかり噛まないと、頬がたるんでほうれい線が目立ち、口角も下がってきてしまいます。すると、全体的に老けた顔に見えてしまい、ときには、不機嫌ではないのに、周囲の人に「怒っているのかな?」と思われてしまうことも。
顔の筋肉を衰えさせず、若々しい顔でいるためにも、1番大切なことは、「よく噛むこと」です。そして、「よく歌うこと」「よくしゃべること」も筋肉の衰えの予防に繋がります。
食べ物を噛むときに動く咀嚼筋の一部でもある「側頭筋」と「咬筋」を自分の手で触って、よく噛むことの大切さを意識しましょう。手をあてて噛みながら、軽く噛んだとき、ギューッと噛みしめたときの筋肉の動く大きさの違いを感じてみるとよいでしょう。
咀嚼筋が衰えると大きなシワの原因になります。食事のとき筋肉を使ってしっかりと噛んで、おくちを動かすことが若さの秘訣です!

 

▪️咀嚼筋の一部

 

【側頭筋】ちょうどこめかみの部分にある筋肉です。手のひら全体で触ってみてください。衰えると目元や瞼が下がってしまいます。

【咬筋】耳の前(頬側)にある筋肉です。机の上でほおづえをつくようにして触ってみるとわかりやすいです。衰えると頬がたるんで、ほうれい線が深く刻まれてしまいます。

▪️おくちのまわりの筋肉の一部
【口角挙筋】上あごの犬歯付近から小鼻の横周辺までに位置しています。目元と口角を繋いでいて、口角を上に引き上げる働きがあります。口角が下がったと感じるときは、口角挙筋が衰えている可能性が高いでしょう。

【口角下制筋】下唇の両側から下顎にかけて扇のように広がっており、上唇と口角を下に引っ張る役割を持っています。奥歯でものをかむときに使われる筋肉です。この筋肉が凝り固まると年齢を感じさせてる顔つきになってしまい、発達しすぎてしまうと、口角を下に引っ張る力が強くなって、口が「への字」になってしまいます。

特に奥歯は噛み合わせ、咀嚼の要と言っていい部位でありますので、
1本、2本失ってしまうと噛みづらくなってしまいます。
筋肉が衰えてしまい、お顔が変わってきます。

 

Q.インプラントは一生モノ?

 

一生モノではありません。
インプラントはチタンという生体に対して極めて親和性の高い材質です。顎の骨に埋入しても炎症は起こさず、骨の組織と直接結合する「オッセオインテグレーション」という現象が起きます。
現在のインプラントは近代インプラント治療が始まった時と比較して、高い成功率を達成できるレベルになっています。一度くっついたインプラントがどれだけ長持ちするかは、個人差があります。噛み合わせの力や他の歯がどれだけ残っているか、骨の質、嗜好品などの生活習慣、食いしばりの習癖の程度など、予後を左右する条件は様々でありますので、どれだけ長持ちするかを正確に予測できません。
そうは言っても、通常は10〜20年は抜けずに機能すると認識しています。40〜50年機能し続けているインプラントの報告もあります。

 

Q.インプラントと天然の歯とはどう違う?

 

周囲組織とのくっつき方が違います。
インプラントは骨の組織と直接結合します。天然歯は歯根膜という構造を有しており、それを介して骨の組織と結合しています。歯根膜はすごいです。これが噛み合わせの超精密なセンサーの役割があります。また、歯根膜自体に血流がありますので、歯根膜が健康な状態であれば、骨の再生を促すことができます。自家歯牙移植をして、移植した歯の周りに骨ができてくっついてくるのは、歯根膜のおかげです。
一方、インプラントは歯根膜の構造がないですから、骨がなかったらGBRといって骨を人工的に増成する施術を行います。また、噛み合わせの摩耗などで、インプラントの部分だけが強く噛み合っている状態だと、噛み合う相手の歯がダメージを受けやすくなります。
このような理由で、もしインプラント治療が一通り終わったあと、噛めるからと言って全く歯科での検診を受けずに過ごしていると、歯根膜のないインプラントならではのトラブル、噛み合わせの力によるトラブルが生じる可能性があります。
ですので、定期的に噛み合わせをチェックしたり、必要な調整を行いながらインプラントと付き合っていくことが重要です。
このようにインプラントにはまだ天然の歯には追いついていないというのは明らかであります。
では、治療を進めても問題ないのかというと、私の考えはこうです。

インプラントは100点満点ではないけれども、10〜20年という長い間、ブリッジや入れ歯から解放され、
周りの歯は負担がかからず長持ちすることができたり、なんでも美味しく食事ができるのであれば、
治療として十分な効果があると言える。
たとえトラブルがあったとしても、上部構造をやりかえたり、インプラントを埋入しなおすことで、回復ができる。
これにより、歯根膜のないインプラントでも、多くの人のQOLの向上に役立てる。

歯周病や虫歯、事故により歯を失ってしまった場合、その場の金額の安さだけで入れ歯治療を選んでしまうようなことは、
非常にもったいなく思います。
噛めずに食事に制限がある方、ぜひお気軽にこちらからご相談ください。

インプラント治療のよくある質問

2023年10月28日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。


術前右側:奥歯の欠損があります。

術前咬合面:歯を失ってからある程度期間が空いていて、歯茎の形が落ち着いています。


術後右側:インプラントで奥歯を作りました。

術後咬合面:歯列にマッチしていて、機能に問題なしです。

今回は患者さんからよくある、インプラントに関する質問についてまとめてみました。

Q.他の医院で、インプラントができないと言われたのですが、治療できませんか?
インプラントは顎の骨の中に埋入するので、骨の高さや幅がない場合、治療できないと判断される場合もあります。
私たちも全ての骨欠損に対して、「なんでも治療可能です!」とは言えませんが、
骨の量的に難しいと判断し、専門クリニックを紹介した症例は1つのみで、
他のほとんどの症例は骨を作る施術を行なってインプラント治療を完了しております。
これは、CTによる画像診断をしていくことで判断できますので、
他院で断られた方も、ぜひご相談していただけたらと思います。

Q.骨の量以外で、インプラント治療ができない人はいますか?
以下の人は治療ができません。
骨の成長が終わっていない若い方
日常の歯磨きなどの清掃が全くできない方
チタンのアレルギーの方
アルコール依存症の方
歯科医師と意思疎通が取れない方
骨粗鬆症の治療中の方
糖尿病、高血圧のコントロールができていない方

Q.インプラント治療ってこわい。顎にでかいネジが入るんでしょ?痛いんでしょ?
手術中はしっかり麻酔が効いた状態で施術をしますので、術中痛い中やることはありません。
でかいネジについてですが、大体治療説明の画像などで、歯やインプラントや顎の骨のイラストをどアップでご覧になると、
なんか巨大なネジが顎に入っていくイメージを持たれることがあります。
実際は、天然の歯の方が大きいです。
術後の感覚は、抜歯された時と同じくらいの印象です。
治療された患者さんも、「最初はこわいイメージだったけど、思ってたより全然楽だった」と言う感想がほとんどです。
インプラントのレギュラーサイズは、直径が4.3mm、長さが10mmです。
天然の歯の直径も長さもそれよりもう少し大きいので、インプラントは全然大きいネジではないです。

Q.手術時間はどのくらい?
30分〜1時間程度が多いです。
埋入するインプラントの本数、骨増成の程度、お口を開けられる量が極端に小さいなど難易度により前後します。

Q.インプラント治療の費用が気になる。
具体的な治療費については、CT撮影、画像診断をしてお見積りを作成し、ご案内させていただきます。
また、費用の分割払いもこちらを利用していただけます。

Q.インプラント治療費を抑えることはできる?
医療費控除です。
例えば、400万円の所得の人が30万円のインプラント治療を受けた場合、
この制度を使うと、26万円で治療を行うことができます。
費用的にハードルが高かったという場合も、数万円安くできるなら、、、となったりします。
どんな風に利用するのでしょうか。

我が国の一般的なインプラントの治療費は、40万円程度です。画像診断から手術、最終的な被せ物まで含めてです。
医療費控除が使えるので、税金から医療費の一部が還付され、お得にインプラント治療ができると言えます。
どのような制度かと言うと、、、
その年の1年間でかかった医療費が一定額を超えた場合、その額と所得を元に計算された額、税金が返ってくると言うものです。
この医療費は、生計を同一にする配偶者、親族も含めてです。
一定の額というのは、医療費の合計が10万円または所得の5%を超えるというのが条件です。

✳︎所得と税金還付の例
年収400万円でその年の医療費が30万円だった場合、4万円の還付
→つまり、30万円から10万円を超えた分、20万円
 これに400万円の所得税率20%をかけた4万円が返ってきます。
という仕組みです。
クリニックの窓口で費用が減るわけではありません。

Q.インプラントはどれくらいもちますか?
20年の累積データで、上顎90%以上、下顎95%以上です。
上顎と下顎で差がありますね。これは、上顎の骨の質が下顎よりも少し弱いために起こります。
たまに、「インプラントを入れたら、骨が溶けるんですよね?」
とお話しされるかたがいらっしゃいます。
インプラントの周りの骨だけが溶けるというニュアンスのようですが、
そんな現象は起きなくて、周りの歯が歯周病が悪化するような状況でしたら、
周りの歯と同じように歯周病(インプラント周囲炎)になります。
ご自身の歯も、インプラントも同じようにお手入れすると、同じようにもちますとお答えしています。
インプラントが適切な位置に埋入され、歯列や噛み合わせにマッチした上部構造が入っており、
定期的にお口のメンテナンスに歯科受診されると安心です。

Q.インプラントだから特別メンテナンスが必要?
お家でのケアは、インプラントがあってもなくても同じように重要です。
インプラントに関係なく、病気の予防のために歯科受診し、
お口のメンテナンスを受けていただくのが一番歯が長持ちします。
そうすることで、結果的に健康寿命を伸ばすことに繋がります。
なぜなら、なんでも噛める状態であれば食事を楽しみながら栄養摂取でき、
虚弱にはならないからです。
噛み合わせがしっかりしていることで、全身を動かすバランスもとりやすく、
高齢者の寝たきりの原因である、転倒や骨折を防止できます。

Q.使用しているインプラントや歯科材料はどんなもの?
当院ではノーベルバイオケア社の製品を使用しています。
他のメーカーは使用しておりません。
ノーベルバイオケア社は、歯科インプラントで世界で初めて製品展開した、海外のメーカーです。(本社はスイス)
そのため歯科インプラントで最も長い歴史があり、世界70カ国以上で使用されています。
1965年、ブローネマルク博士により、世界で初めてインプラントが歯科臨床に応用されるようになりました。
現在、日本に存在するインプラントメーカーは40種類以上。
その中でも人体に応用してから50年以上の歴史があるのは、このメーカーならではの強みと言えます。
現在は、インプラントの表面にタイユナイトという特殊な加工がされているものを導入しています。
タイユナイトの特徴は、顎の骨の中に埋入されたあと、早期の骨結合と治癒期間の短縮が可能であることです。

Q.高齢だけどインプラント治療は可能?
年齢によりインプラントと骨の結合が制限があるということはありません。
当院のインプラント治療患者さんの最高齢は、90歳ですが、
全く問題なく、治療後も快適に過ごせています。

Q.ガイドやコンピューター支援の手術とは何のこと?
ノーベルバイオケア社が開発したものが、ノーベルガイドというものです。
CT撮影データとインプラントのシミュレーションソフトウェアを組み合わせて、治療計画をサポートするコンセプトです。
手術の前に骨の形態や質、神経の位置などを把握し、安全・安心な治療を可能にしています。
計画通りにインプラントを埋入するために、患者さんごとにサージカルテンプレート(手術用補助器具)を作製して手術をします。
治療計画に基づいてインプラント埋入をするため、サージカルテンプレートをお口に取り付け、
インプラント手術をします。
これにより、シミュレーションした位置に正確に手術が行えます。

実際のお口の状況は人それぞれですので、
インプラントの相談だけでもお気軽にしていただけると、
よりわかりやすいと思います。
ウェブでもご予約が可能です。