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歯科治療に関係大アリ?骨粗鬆症

2024年2月20日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

全身疾患と歯科の関連のトピックです。
●骨粗鬆症とは、どんな病気でしょうか?

 1993年,「骨粗鬆症は、低骨量で、かつ骨組織の微細構造が変化し、そのため骨が脆くなり骨折しやすくなった病態」と定義されました。
すなわち、1990年代になり、高い精度、低被曝量,短時間での骨密度測定装置が実用化され、広く普及したことによる骨密度を重視した診断でした。
 しかし、1990年代後半頃より、骨粗鬆症の進行に伴う骨折は、骨密度だけで、予測できず、骨粗鬆症の薬物治療による骨密度の改善には、少なくとも、1年が必要となることなど、骨密度だけに偏重した評後の問題点が指摘されてきました。その後,生化学代謝マーカーによる骨代謝回転の評価により、骨密度としての変化があらわれる前段階での早期で迅速な判定が可能になってきました。
 そこで、骨密度が低くないのに発生する骨折の問題や骨粗鬆症の薬物治療による骨密度の改善例と変化のない例での骨折リスクの抑制率に主要がないことなどの報告から、現在は、以下のように考えられています。
 すなわち、2000年の米国国立公衆衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)のコンセンサス会議で、
「骨粗鬆症は、骨強度(骨密度と骨の質)の低下によって骨折リスクが高くなる骨格の疾患」と定義されました。この骨強度は、従来から重視されていた骨密度と骨質の双方を総合的に評価して決定されるものです。


歯科でのパノラマX線写真で、皮質骨の厚みから骨粗鬆症のスクリーニングをすることができます。
骨粗鬆症の治療中の方で、投薬状況によっては抜歯などの外科処置を避けるよう、注意が必要です。

1. 骨粗鬆症の特徴を理解する
 骨粗鬆症には、閉経期以降の女性や高年齢の男性に多くみられる原発性骨粗鬆症や、若い人でも、栄養不良や運動不足、副腎ステロイド剤などの影響で罹患する続発性骨粗鬆症があります。いずれも、日常のライフスタイルが大きく影響することから,歯周病と同様に、生活習慣病の一つと考えられています。
 す。
骨は20~40歳ごろをピークに、加齢とともに生理的に骨量が減少します。特に、女性では、閉経後5~10年の間に年間骨量減少率3%以上の,急速な骨量減少が起こり、10年間の平均骨量減少率は、20%を越えると報告されています。各年代の推定人口から算出した40歳以上の女性の骨粗鬆症域人口は、2000年783万人から2001年819万人へと増加していることが推定されています。
 一方、わが国の人口は、2004年11月現在,約1億2.771万人を超え、そのうち、65歳以上の高齢者は、2.493万人(19%)、また、75歳以上の後期高齢者は、1,100万人(8.7%)で、ますます超高齢化が進んできています。そのような高齢化に伴い。骨粗鬆症患者は増加し、しかも、無自覚に進行することから、骨折(特に、大腿骨頸部骨折、推計2002年約117,900人)が急増し、寝たきり老人の大きな一因になっています。寝たきりの原因は、脳卒中、老衰に次いで、第3位が骨粗鬆症による骨折です。そして、骨折後は、40%は退院できず寝たきりになったり、骨折後1年以内に、10~20%が死亡するなど、不可逆的に、患者の自立度(ADL:activities ofdaily living)と満足度(QOL:quality of life)が著しく低下し、老人性痴呆などの合併症を生じさせます。したがって、発育期に十分に骨量を増加させ、その後は、骨粗鬆症発症前の骨量減少者を早期に識別し,ライフスタイルの改善や骨粗鬆症の薬物治療などの予防策を講じることにより、その発症・進行を予防する必要性が強調されてきています。

 2. 骨粗鬆症の症状を理解する一特徴的な「圧迫骨折」を知ろう!
 骨粗鬆症は、単なる「骨の老化現象」ではなく、骨の病的変化を主とする疾患ですが、病状が進行するまで顕著な自覚症状がない「サイレント・ディジーズ(静かな病気)」といわれ、ゆっくりと静かに進行し、腰や背中が痛くなったり(腰痛),背中が曲がったり(身長低下)して自覚するようになります。
 その後、さらに放置し進行すると、背中や腰の激しい痛みで寝込んでしまったり、ちょっと転んだだけで手首や足の付け根(好発部位:橈骨末端,上腕骨近位部、大腿骨頸部)の骨折を起こして寝たきりの原因になります。
 また、背中や腰が痛むのは、骨粗鬆症化(スカスカになった状態)した脊椎に体重などの負荷がかかることにより、脊椎が潰れてしまうからです。ポキッと折れることだけが骨折ではなく、このような骨折が、「圧迫骨折」といわれ、経時的にゆっくり進行します。圧迫骨折を起こすため、背中が曲がったり、身長が短縮します。一般的に,閉経後2cm以上の身長低下は、骨粗鬆症の存在を示唆する所見であると同時に、脊椎変形に伴う満足度低下の重要な指標にもなるといわれています。

 3. 骨粗鬆症の診断はどうやっているのでしょうか
 従来は、脊椎✕像で骨量減少が認められ、脊椎圧迫骨折のある症例が骨粗鬆症と診断されていました。しかし、脊椎圧迫骨折のない段階での早期診断により、本症の予防や早期治療が可能になることから、1994年 WHO研究班は、骨密度を指標とした新しい診断基準を提唱しました。すなわち、骨密度が若年成人平均値(young adult mean:YAM)の2.5SD 以下の症例を、原発性骨粗鬆症と診断しました。しかし、この診断基準では、白人の骨醤度が指標となることから、1996年日本骨代謝学会では、骨粗鬆症の診療や研究に従事している整形外科、内科(老人科,老年科),婦人科、放射線科およびスポーツ医学から、日本人における包括的な診断基準を作成し、その後2000年にさらに、改訂を加えました。新しく設けられた原発性骨粗鬆症の診断基準は、従訂を加えましたる。
産の診動基準は、従来の診断基準とは異なり、骨折が生じていなくても、設定された骨折閾値以下に骨量減少をきたした病態までも骨粗鬆症に包括しています。すなわち、骨密度と脊椎X線像の2つの指標を用いた点、若年基準値からの変化率を用いた点、さらに鑑別診断の重要性を強調した点が特徴です。
 
4.骨密度測定にはどんな方法があるのでしょうか
骨密度測定は、骨粗鬆症の診断,治療効果の判
・骨折リスクの予知のため、現在、中手骨に対して,MD法(microdensitometry),改良型MD法[DIP i (digital image processing) , CXD 法
(computed X-ray densitometry)], 橈骨や踵骨に対して、単一エネルギーX線吸収法(single energy X-ray absorptiometry : SXA),全身骨,橈骨,腰椎,大腿骨に対して,二重エネルギーX線吸収測法定 (dual energy X-ray :DXA)
橈骨や腰椎の海綿骨には、定量的CT 法(quantitativecomputed tomography: QCT),さらに、踵骨に対して,定量的超音波法(ultrasound bone densitometry: QUS)など、種々の骨量測定装置が開発され、市販されています。
現在の原発性骨粗鬆症の診断基準に準じると、骨密度測定は、DXA 法による腰椎骨密度が第
1選択になります。しかし、高齢者で,脊椎変形などのため腰椎骨密度が適切でない場合は、DXA 法による大腿骨頚部骨密度を測定します。また、検診などでの骨粗鬆症のスクリーニングには、CXD 法や定量的超音波法が適用されています。一方、男性では、大腿骨頸部骨密度の方が、腰椎骨密度より骨折の判別に有用とされているので、DXA法による腰椎に加え、同時に大腿骨頸部骨密度を測定します。
 5.骨粗鬆症の治療は、どんなことをするのでしょうか
 骨粗鬆症の予防と治療の目標は、前述のように骨折の防止です。骨粗鬆症では、まず、日常生活の中で骨量を増やす努力をすることが大切です。予防法でもある3原則「食事、運動。日光浴」は、治療の段階でも重要になります。初期の骨量減少であれば、予防を心がけることで骨量が増える可能性があります。しかし、さらに骨量減少が進むと薬物療法が必要になります。その場合でも、3原則に留意しないと薬の効果がみられません。どんな薬を選んで、いつから薬物療法を始めるかは、年齢や症状の進み具合により総合的に判断されます現在使われている薬は。骨吸収抑制薬(骨の吸収を抑在使われている薬は、骨吸収抑制薬(骨の吸収抑える薬),骨形成促進薬(骨の形成を促進する薬),骨の吸収と形成の骨代謝を調節する薬の3つに大別されます。

 6. 骨粗鬆症をまとめると
 前述のように、40歳以上の女性の骨粗鬆症域人口は、2001年819万人と試算されています。しかし,大多数を占める閉経後骨粗鬆症患者は、骨折を起こすまで自覚症状がないため、医科を受診する機会が少なく、骨粗鬆症治療を受けている患者数は、200万人に満たないといわれています。いいかえれば、歯科疾患の治療のために歯科を受診する潜在的骨粗鬆症患者は、決して少なくないと考えられます。
 女性の身体は、初潮を迎えたあと、周期的に女性ホルモンが分泌され、その後、更年期(閉経前後の約10年間,45~55歳頃),閉経を迎え、女性ホルモンの分泌量が激減し,急激な骨量低下を来します。この時に現れる不快症状の集合が、「更年期障害」とされています。したがって、更年期障害の典型的な症状やその後の骨粗鬆症に関する前兆を見極めて、そのリスクを軽減させるようにアドバイスし、歯周組織の健康と同時に、骨の健康を促すことが必要です。

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