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歯周病の進行に関わるプラークについて

2023年10月13日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

今回は世界一多い感染症である、歯周病についてのお話しです。

歯周病と聞くと多くの人は「歯ぐきから血が出る」「歯ぐきから膿が出る」「歯がぐらぐらする」「歯周病の歯は抜かないといけない」など想像されるかもしれませんが、このような想像をした方は、歯周病について歯医者さんやメディアを通じて、一度はその説明を受けたことがあるか、ご自身が歯周病と指摘されたことがある方ではないでしょうか。歯石のついている状態も含めると成人の半分以上は歯周病であり、40歳以上の人の歯を失う原因の約80%が歯周病と言われています。しかし歯周病を正しく理解されている方はその割合よりはずっと少ないでしょう。一昔前の歯科医院でも、あまり歯周病については積極的に施術がされていなかったようで、削って被せる、詰める、あとは一回クリーニングして終了という感じの対応が多かったようです。

歯周病は歯ぐきにのみ炎症が見られる歯肉炎と、歯ぐきと歯を支える歯槽骨に吸収がみられる歯周炎を総称してこのように呼びます。少し前までは「歯槽膿漏」という言い方のほうが一般的でありこちらのほうが馴染みがある方も多いのではないでしょうか。
歯周病とはその言葉通り、歯そのものの病気ではなく「歯」を支えているその「周」囲の組織の「病」気なのです。家に例えると家そのものが壊れるのが虫歯でありその土台を支える基礎の部分、つまり家の建っている土壌そのものが崩れてしまうのが歯周病です。また厄介なことに、この病気は家の場合と同じようにあまり目立たず、気づくのに時間がかかる病気です。一旦それも進行してしまうと家そのものが建っていられなくなります。
 歯は目では見えないいくつかの組織で支えられています。歯ぐき、骨、歯と骨を直接結びつける繊維(歯根膜)、その繊維と骨の根を結びつける組織(セメント質)と4つの組織からなりたっています。
この目には見えない部分の病気はレントゲン写真を撮るとよくわかります。歯や骨のように硬い部分レントゲンでは白く写り、歯根膜や歯ぐきなどの柔らかい部分は黒く写ります。そのため、歯を支えるのに大事な骨が歯周病によって失われてるのがよくわかります。歯周病が進み骨が溶けると支えがなくなりますから、歯がぐらぐらしてきます。それでも痛みを伴わないことが多く、目に見えない部分の骨が溶けているのは、本人でもわからないので多くの人はそのまま過ごしています。さらに進行していよいよ噛む力に耐えられなくなるとある日突然歯が抜けてしまった…なんてことにもなります。
では歯周病の原因はなんでしょうか。歯周病は歯ぐきに炎症が起こることから始まり、歯ぐきに炎症が起こると歯ぐきが赤くなったり、腫れたり出血したりします。歯周病の原因は歯の表面についた細菌の集団です。この細菌の集団のことをプラーク(歯垢)といいます。

 このプラークは歯の表面にしっかりとしがみついていて、うがいなどでは決して落ちることがありません。なので、プラークはいわゆる食べ物のカスなどとは全く違うということです。プラーク中の細菌が出すさまざまな物質によって歯ぐきに炎症が起きます。
 一般的に歯石が歯周病の原因だと思われている方が多く、歯石を定期的にとってもらているのに、いっこうに歯周病が改善しないと言って来院される方が多数見れます。実は歯石はプラークが石灰化(石のように固くなる)したもので、歯ぐきに炎症を引き起こす原因はプラークより低く、歯や歯の根元の表面がざらつくため、プラークがつきやすくなります。いくら歯石をとってもプラークがつきやすい環境では、歯の炎症が改善しないということです。プラーク以外にも歯並び、嚙み合わせ、歯ぎしりなどの習癖、全身疾患など原因は他にもさまざまありますが、それら単独では歯周病は発症することはなく、プラークが一番の原因です。
 歯周病は生活習慣病とされています。一番の原因は口の中のプラークですが、その細菌は健康なヒトの口の中にも存在しており、その集団であるプラークは個々の食生活やブラッシング習慣、個人の感染に対する抵抗力により大きく違ってきます。口の中のプラークが歯周組織を破壊するかは、その人の生活習慣によっても大きく違っています。生活習慣病の特徴は生活習慣の歪みを正すことにより、その発症を予防できるということです。言い換えると生活習慣病は生活習慣を改善せず医者や歯医者の通うだけでは決して治らないということです。生活習慣病の多くがサイレントディジーズ(静かな病気)と言われ、普段はほとんど症状もなく進んでいく病気であることが特徴です。歯周病の多くは普段からのブラッシングにより予防可能で、歯周病の検査は歯科医院でできます。もし歯周病と言われてしまった方は、普段の食生活と特にブラッシング習慣について見直しと改善が必要です。この改善の指導とチェックは歯科医師や歯科衛生士が行います。
 歯周病治療の流れとしてまず最初に、すべての歯と歯ぐきの間にできた隙間(歯周ポケット)の深さと歯周組織の炎症の状態や破壊の程度を調べる検査をします。その程度の差によって治療の方法、難易度、予後の予測が大きく異なるため、この検査で歯周病の程度を把握します。歯肉炎や軽度の歯周炎の場合、生活の改善と原因となるプラークを除去するためのプラークコントロール(ブラッシング習慣や方法の改善)でほぼ正常な歯周組織にもどすことが可能です。中程度進行した歯周炎ではプラークコントロールしたあと、歯周ポケット内のプラークと歯石除去を行います。歯石は表面がざらざらしておりプラークが付きやすいため、通常は手用スケーラーまたは超音波スケーラーと呼ばれる歯石除去のための専用器具で機械的に除去します。さらに歯石を除去した後、プラークで汚染された歯の根本の一層を除去し、平滑にして歯ぐきに対して物理的な刺激をなくすことで、歯ぐきの炎症を抑えます。こうした一連の器具操作をスケーリング・ルートプレーニングと呼びます。歯周病が進行したケースでは、この歯石除去に時間をかけ、徹底して行います。しかし、歯石のついている部位によっては、徹底した除去が難しい場合もあります。そうしたケースや高度に進行した歯周炎の部位に対しては歯周外科を行います。
 以上が歯周治療の流れですが、歯周病の治療がおおよそ終了しても再発しないよう、ブラッシングという生活習慣を定期的にチェックし管理していくメインテナンスを継続することが、歯周組織の健康を長期にわたり保つために重要となります。

 歯周病の一番の原因はプラークですが、実際はプラークが歯に大量に付いていてもあまり歯周病が進行していない場合や、逆にプラークは非常に少ないのに歯周病が進行いている方もいます。その理由に、歯周病の発症や進行には生体の抵抗性や感受性などが影響し、遺伝的因子や環境因子などが関与していると考えられています。特に歯周病の危険因子と言われているのは喫煙と糖尿病です。喫煙と糖尿病は歯周病の発症や進行に大きく関与しています。また、全身疾患(冠動脈疾患、呼吸器疾患、糖尿病、早産や低体重児出産、骨粗鬆症など)が歯周組織の健康や歯周病に影響を及ぼすことはもちろんですが、歯周病がこれら全身の健康状態に強い影響を与えていることが報告されています。
外来での患者さんも、訪問診療での口腔ケアも、このように全身疾患との関連がありますので、歯周病のケアはずっと生活習慣として続けていく

 歯周病の一番の原因はプラークですが、プラーク以外の様々な病因因子の存在が関係いていると言われています。局所因子として嚙み合わせが悪いことなどによる外傷があります。歯の欠損を放置しておくと反対側の歯が伸びてきたりして早期接触が起こり、外傷を受けたりします。また片側の一番奥の歯が喪失し、噛み癖が変化し反対側の一部の歯に負担が集中したりするケースもあります。さらに、高齢になるにつれて生じる咬耗によって咬合高径が下がり、前歯への早期接触が起こるなど生理的にも咬合性外傷は起こるので、長期のメインテナンスでは嚙み合わせの変化のチェックは必要です。
 また、ブラキシズムはクレンチング(くいしばり)とグラインディング(歯ぎしり)、タッピング(歯をカチカチさせる)があります。クレンチングは無意識に行われることが多いです。グラインディングは、長年にわたって行われることがあり、どちらも歯に持続的にしかも無意識で噛む力がかかるため、歯の動揺や高度な咬耗などの原因となります。
 

 

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