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歯周病の原因、生活習慣

2023年12月31日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

今回は歯周病の原因についてのお話です。

歯周病の原因って?

歯周病は歯肉に炎症が起こることから始まります。
歯肉に炎症が起こると,歯肉が赤くなったり,腫れたり出血したりします。

では,何が原因で炎症が起こるのでしょうか?
それは歯の表面に付いた細菌の集団によるものです。

この細菌の集団のことをブラークと呼びます。
このブラークは歯の表面にしっかりとしがみついていて,うがいなどでは決して落ちることがありません。
ですから,ブラークはいわゆる食べ物のカスなどとは全く違うものです。

これらプラーク中の細菌が出すさまざまな物質によって歯肉に炎症が起きるのです。
このことは,実験的にも証明されており,歯磨きを中止して口の中にブラークが増えると,
歯肉に炎症がみられるようになり,歯座きを再開すると,炎症はひいていきます。

歯石が歯周病の原因ではないかと認識されている方もいらっしゃいます。
歯石を定期的に除去しているのに,いっこうに歯周病が改善しないこともあります。
実は歯石はプラークが石灰化(石のように固くなる)したもので,
歯肉に炎症を引き起こす病原性はプラークよりずっと低く,歯や歯根の表面がざらつき不整になるために,
プラーク付着因子(プラークが歯や歯根の表面につきやすくなること)として考えられています。
歯石は軽石のような質感で、プラークが付着しやすいです。
歯石自体に毒性はありません。
したがって,いくら歯石を除去してもプラークが付着する環境では,歯肉の炎症が改善しません。
プラーク以外にも噛み合わせ,歯ぎしりに代表される習癖、全身疾患など,原因とされるものは他にも多くありますが,
それら単独では歯周病は発症することはなく,プラークが最大の原因であります。

歯周病は生活習慣病?
歯周病の主たる原因は,口の中のプラークつまり細菌であるとご説明しました。
細菌が原因であると聞くと,風邪と同じ外からやってくる感染性の病気のように思われるかもしれませんが,
歯周病は,高血圧・肥満・糖尿病・高脂血症と同じ”生活習慣病”とされています。
生活習慣病とは普段の生活習慣により体の健康に歪みが生じて発症する病気です。

プラークが一番の原因ですが,その細菌は健康な方の口の中にも存在していますし,
個々の食生活やブラッシング習慣、個人の感染に対する抵抗力により大きく異なります。
口の中のプラークが歯周組織を破壊するかどうかは,その人の生活習慣によっても大きく異なっています。

生活習慣病は以前「成人病」とも言われていましたが,厚生労働省は呼び方が正確でないということで,
1996年に生活習慣病と呼び換えました。
生活習慣病の大きな特徴は,生活習慣の歪みを是正することにより,その発症を予防できるということです。

言い換えると生活習慣病は,生活習慣を改善せずして医者や歯医者に通うだけでは決して治らない,ということです。
糖尿病の改善に食事療法や運動療法が非常に重要であることはよく知られています。
また,生活習慣病の多くがサイレントディジーズ(静かな病気)と言われ,普段はほとんど症状もなく進んでいく病気であることがその特徴です。

歯周病の多くは普段からのブラッシングにより予防可能ですし,歯周病の検査はお近くの歯医者さんでできます。
残念ながらすでに歯周病と言われてしまった方は,普段の食生活と特にブラッシング習慣について見直しと改善が必要で,
それが一番の治療となります.

歯石除去の器具
この改善の指導とチェックは,歯周病専門医や一般の歯科医師や歯科衛生士が行います。

歯周治療の実際
では,歯周治療はどのように進められるかを簡単に解説したいと思います。
まず,すべての歯と歯肉の間にできた隙間(歯周ポケット)の深さと歯周組織の炎症の状態や破壊の程度を調べる検査を行います。
実は病名としては歯周病とひとことでまとめられますが,その程度の差によって治療の方法,難易度,予後の予測が大きく異なります。
したがって,ここでいう検査は特に歯周病の程度を把握するスクリーニングの意味があります。

軽度な場合、生活の改善と原因となるプラークを除去するためのプラークコントロール(ブラッシング習慣や方法の改善)で
ほぼ正常な歯周組織にもどすことが可能です。

中程度進行した歯周炎ではプラークコントロールしたのち,歯周ポケット内のプラークと歯石除去を行います。
歯石は,表面がざらざらしておりプラークが付きやすいため,通常は手用スケーラーまたは超音波スケーラーと呼ばれる歯石除
去のための専用器具で,機械的に除去します。
さらに歯石を除去後,プラークで汚染された歯根の一層を除去し,平滑にして歯肉に対して物理的な刺激をなくすことで,
歯肉の炎症を抑えます.こうした一連の器具操作をスケーリング・ルートプレーニングと呼びます。

歯石が歯の根の表面に多量に付着している状態。

歯周病が進行したケースでは,この歯石除去に時間をかけ,徹底して行います。
しかし,歯石のついている部位によっては,徹底した除去が困難な場合もあります。
そうしたケースや高度に進行した歯周炎の部位に対しては歯周外科や内科的な除菌を行います。

以上が歯周治療の流れですが,歯周病の治療がおおよそ終了しても再発しないよう,
ブラッシングという生活習慣を定期的にチェックし管理していくメインテナンスを継続することが,
歯周組織の健康を長期にわたり保つために重要となります。

全身疾患と歯周病について
歯周病の原因がプラークであることをお話ししましたが,
実際はプラークが歯に多量に付着していてもさほど歯周病が進行していない場合や,
逆にプラークは肉眼的に非常に少ないのに歯周病が進行している患者さんにしばしば遭遇します。
生体の抵抗性や感受性などが影響し,
さらに,遺伝的因子や環境因子などが関与していると考えられています。

現在のところ,最も調査や研究が進み,歯周病に関与する危険因子と言われているのは,喫煙と糖尿病の2つです。
喫煙と糖尿病は歯周病の発症や進行に関与しますが、その逆に,歯周病が糖尿病の悪化に関与することは考えられないか? と想定されます。

そこで,双方の影響を調べる大規模な研究がアメリカで行われました。
その結果,全身疾患(冠動脈疾患,呼吸器疾患,糖尿病,早産や低体重児出産,骨粗鬆症など)が歯周組織の健康や歯周病
に影響を及ぼすことはもちろんですが,歯周病がこれら全身の健康状態に強い影響を与えていることが報告されました。

歯周病と糖尿病の関連のメカニズム

糖尿病の合併症の一つである微小循環障害による歯周組織の創傷治癒遅延や、血糖値の上昇に伴うコラーゲンの代謝能力の低下、
歯根膜線維芽細胞の組織修復能力の低下などが考えられていました。
1990年代後半からは、コラーゲンを含めてタンパク質が非酵素的に糖化反応を繰り返すことで作られるAGEという物質の関与が
提唱されました。

糖尿病患者への歯周病治療
歯科治療上、重要なことは、糖尿病の血糖コントロール状態や、使用薬剤、合併症の有無などを
医科歯科連携をしっかりとり、情報共有することです。

糖尿病の血糖コントロールが良好であれば、歯周病治療にも良い反応が得られると考えられます。
逆に不良な場合、歯周病治療のみを頑張って続けていったとしても、
歯周病の悪化や再発やしやすいことがわかっています。
また、重度の歯周病の方は、インスリン抵抗性が悪化します。
つまり、血糖コントロールが不良な場合は、先に内科的な治療が優先されます。
なぜなら積極的な歯周治療が不可能であるからです。
プラークコントロールは、いつでもスタート可能ですので、
非外科的なアプローチを取りつつ、患者さんご自身でしっかりプラークコントロールができるよう、
歯科医院でサポートをしていくことが重要です。

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