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地域医療と私たちの役割

2023年7月20日

地域医療

 我が国の歯科受診率は、先進国と比較すると低いというニュースをよく聞きます。歯科業界でも、昔から言われていました。アメリカやヨーロッパの人は、みんな子供の時に矯正をして歯をきれいにしたり、生涯にわたって予防のための歯科受診をしているという内容です。国民全員がそうなっているわけでは決してありませんが、確かにデータ上では、日本よりも受診率は高いです。口腔内の健康を保つことで、人生の長期にわたって全身の健康を保てるということがわかっているからです。

 これからの歯科医院には従来の歯科診療に加えて医科歯科連携を通して国民の健康寿命の延伸に寄与するという視点が求められるのではないでしょうか。そこまで歯科が行う必要があるのかと言う意見をいただくこともありますが、これは私達歯科医療従事者でなければできないことです。患者さんに侵襲を与えるわけではなく、私達が伝えていくことで患者さんの健康寿命が伸びるなら素晴らしいことだと思います。

国の地域医療に関する方針について
 また、このような取り組みを今、国も後押ししています。それが「経済財政運営と改革の基本方針」が毎年改定している「骨太の方針 2023」です。生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向けた取組の推進、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる歯科専門職による口腔健康管理の充実、歯科医療機関・医科歯科連携を始めとする関係職種間・関係機関間の連携、歯科衛生士・歯科技工士等の人材確保の必要性を踏まえた対応、歯科技工を含む歯科領域におけるICTの活用を推進し、歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む。また、市場価格に左右されない歯科用材料の導入を推進する。とあります。
国は、歯科と医科との連携を奨励することで、重症化予防の方向に医療の舵を切り始めています。
 「口腔の健康は全身の健康にもつながることからエビデンスを蓄積しつつ、患者さんへの適切な情報提供、生涯を通じた歯科検診、フレイル対策にもつながる歯科医師、歯科衛生士による口腔機能管理など歯科口腔保健の充実、入院患者への口腔機能管理などの医科歯科連携に加え、介護、障害福祉関連との連携を含む歯科保険医療提供体制の構築に取り組む」
 この一文から、医科歯科連携という言葉が多くの意味をもって実態を構築していかなければならないことがわかります。また、歯科医療単独は脱却して、医療・介護・福祉の中の歯科医療へと昇華していかなければならないのです。
 今は医療の技術・発展とともに人の寿命はますます長くなってきています。足は、大丈夫だが歯が悪い。内臓系は、大丈夫だが足が悪い。など身体のどこかに問題がある高齢者は、少なくありません。今後、さらに健康寿命を伸ばしていく為には、「口腔」を含めて全身が健康でなければいけません。

オーラルフレイル
 口の健康が全身の健康に直結することは、あまりイメージしにくいかもしれません。噛めなくなると、栄養状態も運動機能も悪くなり、最終的には寝たきりになってしまうという流れがあります。若い時は虫歯により歯を失い、高齢になるにつれて歯周病により歯を失う傾向があります。日本の医療は発達しており、噛めないからといって簡単に死ぬことはありません。医療費をたくさん使って延命するわけですが、要介護状態で何年も生かされるような医療になってはいないでしょうか。噛めずに低栄養になると、老化は加速していきます。噛める状態ですと、食事内容は充実するのです。栄養素密度が重要になります。おかずが多く取れると、栄養素密度の高いたんぱく質が取れます。噛めない状態だと、柔らかいおかゆやうどんなどの糖質メインになりやすいです。栄養は偏ってしますのです。様々な食品を摂ることで、自然と栄養素密度の高い食事になります。サルコペニアは、筋力が低下して身体機能低下に陥ることです。フレイルは虚弱の状態です。ともに、しっかり噛めているなら関係ないことです。
 私たちは外来の患者さん、30歳以上の方によくフレイルの前段階、プレフレイルのことをお話しします。虫歯や歯周病、歯の欠損がある時点でお話しします。欠損放置の問題が目立つ方は特によくお話しします。「みなさん年をとります。フレイルになってから治療します?事前対応します?」「今すぐはいいかもしれません。でも3年後は?5年後は?」
 可能な限り要介護状態を避けて、健康寿命を延ばして人生を送りたいですね。
令和2年12月分の介護保険事業状況報告書によると、要介護率は年齢別で以下のようになっています。
・65~69歳:3.2%
・70~74歳:6.2%
・75~79歳:14.2%
・80~84歳:28.6%
・85~89歳:49.8%
・90歳以上:79.3%

 
歯科医院独自の取り組みや連携医療が必要であると考えています。地域で連携して1人の患者さんを診ていくという医療体制を作っていきたい。 歯科・内科・耳鼻科・小児科etc…経営は、別でも紹介・逆紹介をし情報を共有しつながっていけば、一つの総合病院です。
 歯科医院に定期検診で訪れた際、舌癌などの疑いを早期に発見できれば、近くの他の医療機関と連携すれば、軽症の、うちに治療して一命を取り留めることができるかもしれません。
 
歯周病は、糖尿病との合併症が恐ろしいと言われいます。歯周病をきちんと治療すると糖尿病も改善するケースがあることが明らかになってきました。そこで内科で歯科の受診を促してもらえれば、歯が悪くなる前に検診や治療を行えば、重症化せずいつまでもご自身の歯で美味しく食事が出来ることになります。栄養バランスの取れた食事をご自身の歯で咀嚼できお歳を重ねても楽しく健康的に暮らせる可能性が高くなります。
 それぞれの専門分野は、しっかり行いながら、他の分野ので可能性も視野にいれつつ、例えば内科に来院された患者さんに「最近、歯医者には、行かれてますか?症状がなくても検診に行かれた方がいいですよ!」または、歯科医院にこられた際に「足の具合は、どうですか?整形外科にも受診されるといいと思いますよ。」小さなお子さんがおられるお母さんは、なかなか自分の身体に気が回らないところがあるかと思いますので そう言う方には、「人間ドックとかにもいかれるといいですよ!お母さんが倒れてては、お子さんが困りますから ご自身のお身体も大事にして下さいね。」などの声かけを医療全体でしていければ、地域医療の連携につながるのでは、ないかと考えています。
 医療歯科連携を広義に捉えると
①クリニックレベルでの医科歯科連携
②在宅医療レベルでの多職種連携
③病院歯科の浸透
に分けることができます。
歯科医院⇄医科クリニック⇄在宅医療・病院
これら全てが、互いに患者さんの情報共有をし歯科治療や口腔ケアに加えて咀嚼機能の回復や摂食・嚥下リハビリテーションに力を入れて患者さんの生きる力の源である食べる力を支えてことが求められます。しかし、歯科医師のみでは、食道癌などの重篤な疾患を見逃す可能性があります。また、必要であっても咽頭・喉頭にら対する小外科手術は行えません。
 一方で、対応できる耳鼻咽喉科のみでは、在宅での摂食・嚥下リハビリテーションに対応出来るだけの人手がなく、咀嚼機能の回復もできません。ですから、医科歯科連携を通じて、診療科間で補い合うことが必要です。

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