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下顎前歯と奥歯のインプラント治療

2023年8月13日

 私たちは年間100本以上のインプラント埋入手術をしており、そのほとんどのケースでノーベルガイドのシステムを使用しています。ノーベルガイドを使用するのは、安心、安全で長期的な予後が良いインプラント治療を実現するためです。

 今回は、下顎前歯と奥歯のインプラント治療例を通じて、どのように治療を進めていくかまとめました。ノーベルガイドのようなコンピューター支援のシステムをどのように活用しているか、見ていきましょう。

資料とり、診断、インプラントのプランニング
  当院を受診された方はまずはお口の資料取りをし、診断と治療計画を立てます。口腔内写真、パノラマX線写真、歯周組織検査を行います。インプラント治療を検討されている方には、CT撮影で骨の状態を3次元で精察します。CTは平面のレントゲン画像と異なり、骨の奥行きや重要な身体の器官との距離を計測することができます。歯を失ったところの骨にインプラントを埋入しますが、そもそも骨がないことが多いです。歯を失う原因は、若年者は虫歯、高齢者は歯周病の割合が多くなります。抜歯に至る虫歯は、重症ですので、顎の骨への細菌感染と骨の炎症が進んでいます。抜歯に至るような歯周病も重症ですので、歯根の半分以上の骨が失われている状態ですから、抜歯後には大体骨が残っていません。その残っている骨の中にどのようにインプラントを位置付けるのかは、骨を様々な方向からみる画像診断が必要です。
 ノーベルガイドはいきなり出来上がりません。まずは、精密なお口の型取りをします。それを元に技工の先生にワックスアップを作製してもらいます。
右下奥歯

左下前歯

石膏模型の色がついている部分がワックスで作られた歯です。最終的な歯は、噛み合う反対の顎の歯との位置関係、周りの歯列との調和が取れた理想的な位置に作っていきたいので、模型上でゴールを決めます。こちらの模型の形態をスキャナーで読み込んで私たちのクリニックにデータが届きます。
 撮影したCTデータと、ワックスアップのデータをノーベルバイオケア社のソフトに取り込みます。最終的な歯の位置になるように、インプラントを位置付けるプランニングをします。位置やインプラントのサイズが決まったら、ノーベルバイオケア社にノーベルガイドを発注します。
右下奥歯:周囲の骨が豊富に残存しています。

左下前歯:歯根破折の影響で、周囲の骨の炎症が進み、インプラントを完全に骨内に位置付けることが不可能です。

このような場合、抜歯とインプラント埋入と同時に骨造成を行い、インプラント周囲にしっかり骨ができるような追加の処置を併用します。

クリニックに届くノーベルガイドはこのようなものです。半透明のマウスピースに似た形で、歯と歯茎にピッタリ適合するよう作られています。手術前に口腔内に合わせて、歯肉に当たってしまうようなところがあれば調整します。


金属の筒の部分がインプラント埋入部位です。こちらの筒の部分に沿ってインプラントが入るように骨を整形し、インプラント埋入もこの筒に沿って行います。

術後:右下奥歯

術後:左下前歯

このように事前のシミュレーション通りに埋入ができています。最終的な上部構造から導かれた理想的な位置にインプラントがあります。これをガイドなしにできないのか、というと寸分の狂いもなく位置付けることは不可能と考えられます。
 今回の症例で特に注意が必要なことは、まず左下前歯の部分で言うと、唇側の骨が大きく吸収してなくなっていることです。元々歯があったところは、歯の根が割れて菌の感染が生じていたため骨が吸収してしまい、インプラント埋入ができません。宙に浮いた状態になってしまいます。インプラント埋入する際、骨が全くないところにインプラントをポンと置いたところで、組織内で動いてしまいますし、全く骨との結合がなされないのです。今回は、長めのサイズのインプラントを選択し、吸収が生じた部分よりもさらに深い位置に、インプラントの先端が食い込むようにしています。インプラントの角度も、歯にかかる力のバランスと審美面を考慮しこのようにしました。この角度をフリーハンドでドンピシャの角度にコントロールすることは不可能です。唇側には骨がないため、ドリルで骨を形成する際に唇側にドリルが流れてしまい、ドリリングできたと思ったら、とんでもない方向にインプラントが埋入されることになります。術者は、患者さんが水平に寝た状態で、斜め上から口腔内を見ますので、CT画像上だけでイメージした通りの施術をすることができません。インプラントのこの角度がたとえば5度唇側に傾いてしまったら、全く理想的な歯にはなりません。唇側に大きく傾いた歯が出来上がります。ガイドがあるからこそ、このような操作が可能となります。
 そして、埋入ができた後に骨のボリュームがどうしても足りていませんので、人工のカルシウムの材料を用いて骨造成を行い、患者さん自身の骨組織とインプラントが結合する治癒期間を置きます。
 右下奥歯のインプラント埋入では、下顎骨の施術ならではの注意点があります。下顎には喉の奥の方から神経や血管が入っている下顎管という構造があります。奥の方から歯の根の下数ミリくらいの位置を通り、歯列の真ん中あたり、前から数えて4番目の歯の頬側で顎骨の外に出てきます。インプラント治療の際のドリルやインプラント体が下顎管の構造を少しでも傷害してしまったら、出血や神経麻痺の問題が生じます。下顎の施術の際は常に、この身体の重要な器官から安全域を確保しておく必要があります。ノーベルバイオケア社のソフト上で、下顎管との安全域を確認した上でシミュレーションを作っています。それを活かしてガイドを作製しています。ガイドに沿ってドリリングを行う際は、絶対的な安心感があります。

インプラントの失敗の原因とは
 手術中のトラブルとしては。上記のような神経、血管の傷害が挙げられます。これらは、事前のCTによる画像診断やガイドにより回避することができます。手術中や術後の感染も失敗の原因の一つです。どの歯科医院でも、侵襲の大きい外科処置は特に滅菌の環境下で行いますので、術中は問題ないと考えられます。術後は、管理や自宅でのケアにも影響されます。
 喫煙はこのような外科処置の成否に大きく影響があります。喫煙により血流の問題が生じます。インプラント手術の侵襲は、骨造成の有無や埋入本数、切開・剥離の程度で異なります。術後が比較的楽なのは、フラップレス手術といって、インプラントの直径分4〜5mm程度歯肉に穴をあけて行うものです。侵襲が大きい手術は、サイナスリフトや大規模な骨造成を併用した場合です。喫煙は術後管理やインプラントの上部構造が入った後も、長期予後に良くない影響があります。喫煙されている方のコンプライアンスの問題もあります。
「こういう手術を予定していますので、〇〇日間は禁煙でお願いします」
「先生、わかりました」
診療室でこんなやりとりをして、クリニックを出た瞬間タバコに火をつけている姿を目撃された、という患者さんもおられました。笑い話のようですが、患者さんの喫煙問題は無くなりません。
 インプラントの位置異常の問題は大きいです。このノーベルバイオケア社のガイドシステムにより、フリーハンドの手術ではなしえない精密なインプラント手術が行えます。力のバランスや清掃性の良い上部構造は、インプラントの位置が適切だからこそ作製可能となります。理想的な上部構造から逆算してインプラント埋入を行う、このようなトップダウントリートメントと言われるやり方が必要不可欠であり、ノーベルガイドのテクノロジーを用いることで実現可能となります。
 私たちのインプラント治療の流れはこのようになっております。

治療説明動画

ぜひ一度、お問合せください。

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