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インプラントの手術、1回で終わりにできる?

2024年7月1日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。


左下臼歯部にインプラント埋入された状態のCT画像。

 

⚫️インプラント治療には、一次手術と二次手術と2回の手術を行う「2回法」と、1回の手術ですませる「1回法」があります。

 

2回法は、インプラントを埋入後にいったん歯ぐきを閉じてインプラント体とあごの骨の結合を待ち、その後2度目の手術をしてインプラントの頭を出し、アバットメントを取りつけます。それに対して、1回法はインプラント埋入と同時にアバットメントをつける方法で、手術が一度ですみ、2回法にくらべて治療期間を短縮することができます。
適用症例が広いのは2回法で、より慎重に治療を進めたい場合に用いられます。前歯の審美治療、再生療法が必要なかた、持病のあるかた、タバコを吸うかたなどは、通常2回法が適用されます。1回法は、比較的治療条件のよいケースで選択されるのが一般的です。

 

⚫️予備治療

 

インプラントを埋入する準備のために行う予備治療は、すべてのかたに必要なわけではありません。炎症がなく骨量も十分で、条件的に問題がなければ、予備治療が必要ない患者さんもなかにはおられます。
ただ、歯を失うに至った原因によっては、インプラント治療を不利にする状況がお口のなかに生じていることが少なくなく、予備治療が必要になるケースはめずらしくありません。
たとえば、歯周病で歯を失った場合、その周りの歯にも大なり小なり歯周病の炎症が起きています。そこで、まず歯周病をしっかりと治療し炎症を止めなければなりません。周りに細菌感染があっては、インプラントを埋入しても今度はその細菌がインプラントの周りの骨に感染しかねません。もしも感染が起きれば、インプラントとあごの骨は結合せず、どんなに巧みな術者でも、治療を成功させることは難しいのです。
また、歯を失うほど歯周病が進行したかたのあごの骨は、炎症によって減ってしまっています。インプラントを安定させるための骨が足りない場合は、再生療法を行い骨を増やす必要があります。こうした予備治療は、インプラント治療を成功させるカギを握っているといっても過言ではありません。
予備治療が必要と診断されたかたは、予備治療の期間を含めた治療計画についてじっくり説明を受け、気がかりなことは遠慮なく質問して治寮について発しましょう。

●歯を失うと、その周りの骨は「歯を支える」という役割を失ってしまうため自然と減ってしまいます。入れ歯、ブリッジ、インプラント治療のいずれを選ぶ場合も治療に不利になりますので、歯を失ったら早めに歯科医院で相談しましょう。
●インプラントは、いったんあごの骨と結合すると、がっちり固定して動きません。インプラントを入れた後は矯正治療ができなくなってしまいますので、矯正治療をご希望のかたは、インプラント埋入前に必ずご相談ください。

 

⚫️治療を受ける前に知っておきましょう。

 

インプラント治療を受ける前にぜひ知っておいていただきたいことや、患者さんからよくある質問をまとめてみました。

 

●なぜ治療に時間がかかるの?

 

インプラント治療は、インプラント体を埋入してからあごの骨に結合するまでに(多くの因子・条件に左右されますが)おおむね1~4ヵ月かかります。インプラントの改良により、この期間は徐々に短縮してきていますが、それでもこれだけ時間がかかるのにはわけがあります。
インプラント治療は、チタン製のインプラント体とあごの骨がガッチリと結合してはじめて機能しますが、この結合は接着材でつけたり部品をはめ込むのではなく、骨の生体反応によるものなのです。つまり、インプラント治療を成功させるには、骨の自然治癒力を見守りじっくりと待つことが不可欠。治療に時間がかかるのはそのためです。

歯がないところにインプラント埋入し、骨と結合する治癒期間をおきます。

 

●タバコを吸ってるけど大丈夫?

 

喫煙はインプラント治療の大敵です。
インプラントを入れると決めたらぜひ禁煙しましょう。「禁煙はどうしても無理」というかたは、せめて術前・術後の数週間、喫煙本数を可能な限り減らしてください。喫煙は、歯ぐきの傷の治りを遅らせ感染のリスクを高めるばかりか、骨の結合を遅らせて治療の邪魔をします。ぜひご協力をお願いします。

 

●治療に不適応なケースとは?

 

▪️成長過程にあるかた
▪️免疫不全症のかた
▪️抗がん剤で治療中のかた
▪️放射線療法を受けているかた
▪️ホルモン療法を受けているかた
▪️チタンアレルギーのかた
▪️骨粗しょう症のお薬を多量、長期にお使いの
かた
▪️また、全身疾患の病状を良好な状態にコント
ロールできていないかたなどはインプラント
治療に不適応な場合があります。なお、全身
疾患のある患者さんの場合、歯科医師が主治
医と連絡をとり、治療が可能かどうかを確認
して進めさせていただきます。

 

●手術後の痛みや腫れは?

 

痛みの感じかたは個人差があるので一概には言えないのですが、再生療法などをしていない通常のインプラント治療であれば、術後1日ほど軽く痛む程度でしょう。免疫応答がさかんな若い人ほど腫れやすいですが、腫れが引くのも早く、年齢が高いほど腫れは少ないー方、腫れが引くのは遅くなります。しかし、痛みが治まってきていれば心配いりません。痛みが増すようでしたら、治療を受けた歯科医院で診てもらいましょう。

術後の痛みや腫れについては、かなり個人差があるように思います。複数本を埋入し、同時に大規模な骨造成をするような手術の方が、一般的には術後の不快症状が出やすいと考えられます。しかし、施術を受けられた方で、「あまり痛くなかったし、ハイキングしてきた」とへっちゃらな方もいらっしゃいました。一方で、1本のみの埋入手術で、不快感を強く感じられるケースもありました。

 

●インプラントが壊れたら?

 

インプラントの構造でいちばん壊れやすいのは、上部構造(被せ物)です。
インプラントで強く噛めるようになるうえ、天然歯のときにはあった噛む力を感じる歯根膜がないため、噛む力の加減が働かず、上部構造が欠けたり割れたりしやすいのです。インプラント体が壊れたわけではないので、上部構造だけの修理・交換で対応できます。ご安心ください。

 

●手術後の食事はどうする?

 

そっとしておくために、食事は反対側の歯で食べてください。とくに抜糸するまでの1~2週間は手術したところの絶対安静期間なので噛まないようにお願いします。なかでも再生療法を受けたかたは、歯ぐきで食べられる軟らかな食事を。治療の成功にかかわる重要なお願いなので、しばらく不自由をおかけしますがご
協力をお願いいたします。

 

●治療期間中に仮歯は入れられるの?

 

これはケースバイケースです。患者さんがお困りにならないようさまざまな工夫をさせていただきますが、難症例の場合、治療を成功させるために、入れ歯も仮菌も使わずにそっとしておく期間もあるからです。入れ歯や仮歯を使えない期間があるかどうかについても説明を受け、それも含めインプラント治療を選択するかをお考えいただければと思います。

 

●インプラントが結合しなかった?

 

しっかりとした検査と診断、予備治療を終えて治療をしているのであれば、もし結合しなかった場合でも、早期に抜いて再治療をすることができます。あごの骨の穴は数カ月でもとどおりにふさがりますので、それを待って再埋入を行います。順調に結合が進むよう、「手術したところで噛まない」などの歯科からのお願いごとに注意してお過ごしください。

 

メンテナスでお会いしましょう!

 

インプラント治療が終わったら、定期的にメンテナンスを受けて検診とクリーニングでよい状態を長持ちさせていきましょう。
⚫️インプラントは人工の歯だから、「もうこれでむし歯にも歯周病にもならないと思っているたもおられるかもしれません。たしかに、インプラントはむし歯にはりません。でも歯周病にはなります。放っておくと、歯周病とそっくりの病気、「インプラント周囲炎」という病気になってしまうのです。
インプラント周囲炎とは、インプラントを支えるあごの骨に炎症が起きる病気。天然歯のときと同様、インプラントの周りに歯石がついて、プラークがたまることによって起きます。そこで、インプラント治療が終わったら、今度は治療のためでなくメインテナンスのために、ぜひ歯科医院に定期的においでください。
メインテナンスでは、毎日の歯みがきやフロスでプラークがきちんと取れているかのチェックや、ご自分に合った歯みがきの仕方を教わることができます。インプラントにプラークや歯石がこびりつかないように、クリーニングも受けられます。
また、インプラントが入ると、つい強い力で噛んでしまうので、もしも噛み合わせが悪くなっていると、上部構造の欠けやネジのゆるみにつながりやすいのです。噛み合わせのチェックをすることで、そうしたリスクの軽減ができます。
インプラント治療は、入れたら終わりではありません。快適に使い続けるには、むしろ入れてからのお手入れが重要です。放っておいてインプラントの周りがプラークや歯石だらけになると、今度はインプラントの周りに炎症が起き、あごの骨との結合が失われて、せっかくの治療が機能しなくなってしまいます。
治療が終わったら、今度はメインテナンスでお会いしましょう。歯科医院とのお付き合いを予防中心に変えると、インプラントの快適な状態を長く維持できるだけでなく、残っている周りの歯の健康も、歯科のプロフェッショナルといっしょに守ることができます。

インプラント治療の素朴な疑問

2024年5月21日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

インプラント治療についてよく質問されますが、
「どうして治療に時間がかかるの?」
「インプラントって入れてすぐ歯作れないの?」
という内容は多いですので、この疑問に関するお話です。

 

リアルな治療の感想

 

「思ってたよりラクやった」と治療の感想
埋入して骨にガッチリと結合し自立するのがインプラントの特徴。ほかの歯に負担をかけない点で、代替えのない治療になっています。

歯を失ったとき「ブリッジか、入れ歯か、それとも•・・・」
と、多くのかたが迷うと思います。
インプラント治療は、金属の一部をからだに埋め込み、上部に人工歯を取りつけて使うという特殊な治療法です。残念なことですが、一時期
週刊誌などでバッシングされた影響もあり、「怖いな」と思っているかたもおられるかもしれません。ただ、実際には多くのかたがインプラント
治療を受け「治療してよかった」と喜んでおられるのも事実です。
インプラント治療のいちばんの特長は、埋入した骨にガッチリと結合し自立するということ。つまり、ほかの歯に負担をかけず、傷めずにすむということです。こうした治療は現状ではインプラント治療以外になく、そういう意味で、替えのきかない治療になっています。
ただし点もあります。手術が必要、治療期間が長い、予備治療に時間がかかることもある、そして自費診療である点です。ただ、信頼性の高い材料と機器・器具を使い、検査と治療計画を綿密に行い、感染対策を万全にして、専門的に訓練されたスタッフが治療するとなると、ある程度の費用が生じざるを得ない、というのが私の実感です。
もしインプラント治療に興味があるなら、知識を得てじっくり検討してみてください。不安なまま迷うのも、逆に最初から「インプラントしかない」と決め込むのも、どちらも残念なことだと思います。どの治療を選ぶにせよ、後悔をしないために、まず知ることからはじめましょう。


インプラントはこのように骨に埋入されて、上に被せ物が装着される構造です。


ブリッジは歯がない部分に対し、周囲の歯を削って土台として使います。接着剤で土台に装着をします。


部分入れ歯は取り外し式の歯です。欠損の近くの歯に引っかけをして維持する設計です。

 

なぜ埋入する前の予備治療が大事?

 

インプラントを埋入する準備のために行う予備治療は、すべてのかたに必要なわけではありません。炎症がなく骨量も十分で、条件的に問題がなければ、予備治療が必要ない患者さんもなかにはおられます。
ただ、歯を失うに至った原因によっては、インプラント治療を不利にする状況がお口のなかに生じていることが少なくなく、予備治療が必要になるケースはめずらしくありません。
たとえば、歯周病で歯を失った場合、その周りの歯にも大なり小なり歯周病の炎症が起きています。そこで、まず歯周病をしっかりと治療し炎症を止めなければなりません。周りに細菌感染があっては、インプラントを埋入しても今度はその細菌がインプラントの周りの骨に感染しかねません。もしも感染が起きれば、インプラントとあごの骨は結合せずどんなに巧みな術者でも、治療を成功させることは難しいのです。
また、歯を失うほど歯周病が進行したかたのあごの骨は、炎症によって減ってしまっています。インプラントを安定させるための骨が足りない場合は、再生療法を行い骨を増やす必要があります。こうした予備治療は、インプラント治療を成功させるカギを握っているといっても過言ではありません。
予備治療が必要と診断されたかたは、予備治療の期間を含めた治療計画についてじっくり説明を受け、気がかりなことは遠慮なく質問して治療について検討しましょう。

 

なぜ治療に時間がかかるの?

 

インプラント治療は、インプラント体を埋入してからあごの骨に結合するまでに(多くの因子・条件に左右されますが)おおむね1~4ヵ月かかります。インプラントの改良により、この期間は徐々に短縮してきていますが、それでもこれだけ時間がかかるのにはわけがあります。
インプラント治療は、チタン製のインプラント体とあごの骨がガッチリと結合してはじめて機能しますが、この結合は接着材でつけたり部品をはめ込むのではなく、骨の生体反応によるものなのです。つまり、インプラント治療を成功させるには、骨の自然治癒力を見守いじっくりと待つことが不可欠。治療に時間がかかるのはそのためです。

 

タバコを吸ってるけど大丈夫?

 

喫煙はインプラント治療の大敵です。
インプラントを入れると決めたらぜひ禁煙しましょう。「禁煙はどうしても無理」というかたは、せめて術前・術後の数週間、喫煙本数を可能な限り減らしてください。喫煙は、歯ぐきの傷の治りを遅らせ感染のリスクを高めるばかりか、骨の結合を遅らせて治療の邪魔をします。ぜひご協力をお願いします。
▪️治療に不適応なケースとは?
●成長過程にあるかた
●免疫不全症のかた
●抗がん剤で治療中のかた
●放射線療法を受けているかた番
●ホルモン療法を受けているかた
●チタンアレルギーのかた
●骨粗しょう症のお薬を多量、長期にお使いのかた
●また、全身疾患の病状を良好な状態にコントロールできていないかたなどはインプラント治療に不適応な場合があります。なお、全身疾患のある患者さんの場合、歯科医師が主治医と連絡をとり、治療が可能かどうかを確認して進めさせていただきます。
▪️手術後の痛みや腫れは?
痛みの感じかたは個人差があるので一概には言えないのですが、再生療法などをしていない通常のインプラント治療であれば、術後1日ほど軽く痛む程度でしょう。免疫応答がさかんな若い人ほど腫れやすいですが、腫れが引くのも早く、年齢が高いほど腫れは少ないー方、腫れが引くのは遅くなります。しかし、痛みが治まってきていれば心配いりません。痛みが増すようでしたら、治療を受けた歯科医院で診てもらいましょう。

 

インプラントが壊れたら?

 

インプラントの構造でいちばん壊れやすいのは、上部構造(被せ物)です。インプラントで強く噛めるようになるうえ、天然歯のときにはあった噛む力を感じる歯根膜がないため、噛む力の加減が働かず、上部構造が欠けたり割れたりしやすいのです。インプラント体が壊れたわけではないので、上部構造だけの修理・交換で対応できます。ご安心ください。

 

治療期間中に仮歯は入れられる?

 

これはケースバイケースです。患者さんがお困りにならないようさまざまな工夫をさせていただきますが、難症例の場合、治療を成功させるために、入れ歯も仮歯も使わずにそっとしておく期間もあるからです。入れ歯や仮歯を使えない期間があるかどうかについても説明を受け、それも含めインプラント治療を選択するかをお考えいただければと思います。

 

インプラントが結合しなかった?

 

しっかりとした検査と診断、予備治療を終えて治療をしているのであれば、もし結合しなかった場合でも、早期に抜いて再治療をすることができます。あごの骨の穴は数カ月でもとどおりにふさがりますので、それを待って再埋入を行います。順調に結合が進むよう、「手術したところで噛まない」などの歯科からのお願いごとに注意してお過ごしください。

メインテナンスでお会いしょう!
ンプラントは人工の歯だから、「もうこれでむし歯にも歯周病にもならない」と思っているかたもおられるかもしれません。たしかに、インプラントはむし歯にはなりません。でも歯周病にはなります。放っておくと、歯周病とそっくりの病気、「インプラント周囲炎」という病気になってしまうのです。
インプラント周囲炎とは、インプラントを支えるあごの骨に炎症が起きる病気。天然歯のときと同様、インプラントの周りに歯石がついて、プラークがたまることによって起きます。そこで、インプラント治療が終わったら、今度は治療のためでなくメインテナンスのために、ぜひ歯科医院に定期的においでください。
メインテナンスでは、毎日の歯みがきやフロスでプラークがきちんと取れているかのチェックや、ご自分に合った歯みがきの仕方を教わることができます。インプラントにプラークや歯石がこびりつかないように、クリーニングも受けられます。
また、インプラントが入ると、つい強い力で噛んでしまうので、もしも噛み合わせが悪くなっていると、上部構造の欠けやネジのゆるみにつながりやすいのです。噛み合わせのチエックをすることで、そうしたリスクの軽減ができます。
インプラント治療は、入れたら終わりではありません。快適に使い続けるには、むしろ入れてからのお手入れが重要です。放っておいてインプラントの周りがプラークや歯石だらけになると、今度はインプラントの周りに炎症が起き、あごの骨との結合が失われて、せっかくの治療が機能しなくなってしまいます。
治療が終わったら、今度はメインテナンスでお会いしましょう。歯科医院とのお付き合いを予防中心に変えると、インプラントの快適な状態を長く維持できるだけでなく、残っている周りの歯の健康も、歯科のプロフェッショナルといっしょに守ることができます。
インプラント治療の終了を機会に、歯科医院とのあたらしいお付き合いをはじめましょう。

私たちのクリニックのインプラント治療については
こちら
をご覧ください。

唾液の重要な働きについて

2024年5月13日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

口腔内の健康に重要な、唾液に関する内容です。

「お口がパサパサするな」と気になりはじめたら、定期的に歯科医院でむし歯、歯周病、口内炎のチェックを受けましょう!

●病気ではないからと油断していませんか?

 

唾液の分泌が減ってお口のなかがパサついても、「病気ではないから」と我慢しているかた、おそらく多いのではないでしょうか。
唾液は「魔法の水」と呼ばれるほど、お口の健康にとってとても重要。不足すると、再石灰化作用(むし歯になりかけた歯を修復してくれる働き)や抗菌作用(むし歯菌や歯周病菌の活動を抑え込む働き)が十分に機能しません。
お口がパサパサするということは、唾液がたっぷり分泌していたときと同じセルフケアを続けているだけでは、むし歯ができたり、歯周病が進行しやすくなっているということ。
油断大敵なんです。ではお口のなかがパサパサするかたは、どうすればむし歯や歯周病からお口を守ることができるのでしょう?
まずは、予防に熱心なかかりつけの歯科医院を見つけて、むし歯と歯周病を防ぐプラスアルファの予防法(歯みがきのスキルアップや歯みがき剤の効果的な使いかた、食生活の改善など)を個別指導してもらいましょう。定期的にお口のなかのチェックとプロフエッショナル・クリーニングを受け、むし歯や歯周病の原因であるプラークをしっかり取ってもらうことも大事です。
それと併行して重要なのが、唾液の分泌を増やす努力です。唾液の分泌が減るのは(唾液腺の病気や頭頚部のがんの治療など、唾液腺が障害された場合を除けば)、口の周りの筋肉の運動不足や水分不足、生活習慣や持病のお薬の影響など、さまざまな原因が重なって起きてきていることがほとんどだからです。
持病のお薬が唾液の分泌に影響してしまうケースは多々あります。たとえば高血圧のお薬やアレルギーを抑える抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、睡眠薬など、さまざまな持病のお薬が唾液の分泌を抑制してしまいます。
とはいえ、唾液の分泌が減るからといって、持病のお薬をいきなり止めるのはたいへん危険。お医者さんに相談して、唾液に影響しないお薬に代えてもらうのもなかなか難しい場合もあると思います。
でも、水分をこまめに摂ったり、コーヒーやお酒の飲み過ぎを見直したり、お口のエクササイズをすることならすぐにでもはじめられますよね。
唾液の分泌を妨げている原因をひとつずつ減らして、改善していきましょう。


このような口腔内の保湿ジェルもあります。全身疾患などの影響で口腔乾燥症が認められる場合、ジェルとスポンジブラシで清掃することもあります。

 

●からだの病気が隠されていることも。

 

最後に、もうひとつ重要なことをお伝えしたいと思います。「お口のパサパサは病気ではない」と多くのかたが思いがちです。ほどんどのケースではたしかにそうなのですが、じつはそのなかに、本当に病気が隠れていることもあるのです。
たとえばシェーグレン症候群などの自己免疫疾患、甲状腺機能亢進症などの内分泌異常、悪性貧血など血液の病気、糖尿病や腎臓病などの代謝異常、唾液を分泌する神経の障害などの症状が、唾液の分泌不足として現れることがあるからです。
お口のパサパサ感がとてもつらいとき、水分を摂ったり、舌やお口の周りの筋肉を動かしてもお口にうるおいが感じられない、ちっとも改善されないという場合は、かかりつけの歯科医院に相談し、専門的な検査の受けられる医療機関を紹介してもらいましょう。
ふだん意識したことはなくても、いざ分泌が減ってしまうと食事にもおしゃべりにも困ってしまうのが「唾液」。早めに気づくほど分泌量の改善が楽なので、「減っているかな?」と思ったら、お口のエクササイズをはじめてみてくださいね!

 

▪️予防指導を受けましょう。

 

歯みがきや食生活の指導を受け、香味がやさしく殺菌剤の入った歯みがき剤を選びましょう。

 

▪️クリーニングを受けましょう。

 

唾液が減るとむし歯や歯周病になるリスクが高まります。プロのお掃除でお口の健康を守りましょう。

◼️唾液の分泌を減らす持病のお薬
代表的なものは?
●高血圧症の治療薬、降圧剤
●けいれんや潰瘍などの治療に用いる副交感神経遮断薬
●アレルギーなどの治療に用いる抗ヒスタミン剤
●不安を鎮める鎮静薬/抗神経薬
●睡眠薬 など

 

⚫️予防の常識非常識

 

1.セルフケアと歯科のサポートで歯は残せます。

 

「歯を失う怖い病気」というイメージが強い歯周病。ですが、テレビのCMなどで見られるように、短期間で歯がグラグラになって抜け落ちてしまうことはふつうはありません。統計的には、歯周病になりにくい人が1割、進行しやすい人が1割で、残りの8割の人はゆっくり進行していきます。
歯周病を予防するには、セルフケアだけでなく、歯周病の早期発見が重要です。早く異常がわかれば、その分早く手が打てます。そのためには、定期的に歯科医院で健診を受けることが大切。もし歯周病になっていて治療を受けたのなら、治療が終わったときが歯を守る新たなスタート地点です。再発を予防するために健診に通いましょう!

 

Check!!
《タバコで歯周病が10年早く進行する!》

 

タバコは歯周病の進を速めます。約4,800人の初診患者さんの喫煙状況と歯周病の進行度を比較したところ、中等度・重度歯周病のかたの割合が、30代の喫煙患者さんと、40代の非喫煙患者さんでは同じくらいとなりました。40代の喫煙患者さんと50代の非喫煙患者さん、50代の喫煙患者さんと60代の非喫煙患者さんも同じような割合でした。
つまり、「タバコを吸っている人は、吸わない人より10年歯周病の進行が速くなる」と言えます。歯周病を予防するために、タバコはきっぱりやめましょう(加熱式タバコも同じです)。

 

2.歯ブラシだけでは落とし切れない汚れがあります。

 

歯ぐきの溝のなかはプラーク(細菌のかたまり)がたまりやすい場所で、たまったプラークは歯周病の原因になります。そのため、この部分を歯ブラシで注意してみがいているかたも多いことでしょう。
ですが、歯ブラシでは溝のなかのプラークは完全には取り切れません。しかも、無理に溝のなかにブラシの毛先を入れてみがくことを続けると、歯ぐきが傷つきやせ、むし歯になりやすい歯の根面が露出してしまいます。歯ぐきを傷つけずにきれいにプラークを取り除くみがきかたを、歯科医院で教えてもらいましょう。歯ぐきの深い溝や歯周ポケットのなかの掃除も歯科医院にお任せください。
歯と歯のあいだをデンタルフロスや歯間ブラシでみがくことと、むし歯予防のためにフッ素入り歯みがき剤を使うこともお忘れなく。

 

3.「量」より「食べかた」が問題です。

 

甘いものを控えているはずなのに、むし歯になってしまう。それは甘いものの「食べかた」に問題があるのかもしれません。
飲食後、お口のなかでは、細菌の生み出す
酸や飲食物の酸により歯の成分が溶け出し(脱灰)、その後、時間をかけて唾液が成分を歯に戻していきます(再石灰化)。溶かす力が戻す力を上回る状態が長期間続くと、むし歯になります。
このとき、甘いものの「量」以上に、食べる「頻度や時間」が問題となります。ひっきりなしに甘いものがお口のなかにあると、唾液が歯を修復する時間が取れません。ですから、のどあめを絶えず舐めていたり、ドリンクをチビチビ飲んでいたりすると、むし歯になりやすいのです。野菜ジュースやスポーツドリンクなど、ヘルシーなイメージのものにも意外に砂糖は入っていますのでご注意を。

※歯科医院では、皆さんのお口の状態や生活習慣にあった予防の方法をご提案しています。毎日のセルフケアにお役立てくださいね。

インプラント治療を行うにあたっての全身的な注意点

2024年2月11日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。


上顎に4本インプラント埋入し、入れ歯を組み合わせる治療例の写真

インプラント治療を行う際、特別注意が必要なことがあります。
全身疾患についても注意が必要なことの一つです。
治療の際の臨床検査の意義としては以下のことが挙げられます。
①リスクの明確化
②リスクを反映した治療計画、治療精度の向上
③患者さんによる自己管理の徹底と維持→治療後の長期安定
④加齢、病的変化への対応
特に治療に対する安全性に加えて、治療後のリスクを軽減する意味でも、臨床検査とその共有が重要です。

全ての患者さんの術前スクリーニング的な検査として、
・血液、尿検査
・デンタル、パノラマX線写真撮影
・CTによる3次元的画像診断
があります。

さらに、一部の患者さんを対象として、
・骨代謝マーカー
・歯の喪失原因の検査:細菌検査、力学的検査
・アレルギー検査:パッチテスト
があります。

インプラント治療を行うにあたっては、血液検査、ヘモグロビンA1c(HbAic)が6.5%未満、
空腹時血糖值13m/L未満にコントロールされていることが必要です。
これは、インプラント手術時だけではなく、メインテナンス時も同様です。そのため、メインテナンス時、定期的に血液検査データのHbAic値を確認することが重
要となります。

ヘモグロビンは赤血球の中に大量に存在する蛋白で、身体のすみずみまで酸素を運ぶ役割があります。
このヘモグロビン(血色素)とブドウ糖が結合したものがグリコヘモグロビンですが、
グリコヘモグロビンについて、その1つのヘモグロビンA1c(HbA1c)は、糖尿病と関係しています。
赤血球の寿命は約120日(4ヵ月)なので、すなわち、血糖値は血液検査時の全身状態を示しています
一方、HbAIC値は血液検査の日から1〜2ヵ月前の血糖の状態を示し、糖尿病の状態を知るのに重要な検査値です。

 

骨粗鬆症

 

骨粗鬆症による全身の骨量減少と歯槽骨吸収との関連性については不明ですが、
骨粗鬆症の既往をもつ場合には、顎骨の骨量減少も考慮してインプラント手術やメインテナンスを進めていく必要があります。

一方、骨粗鬆症治療薬であるビスフォスフォネート(BP)系薬剤の投与を受けている患者さんで、
抜歯などの外科的侵襲により、顎骨壊死、顎骨骨髄炎の発症が近年報告され、問題となっています。

BP系薬剤には注射剤と経口剤があり、注射剤で顎骨壊死、顎骨骨髄炎が多く報告されていますが、
経口剤においても同様な報告があるので注意が必要です。
BP系薬剤による、顎骨壊死、顎骨骨髄炎のリスクファクターとしては、外科的侵襲のある歯科治療(抜歯、インプラント手術など)や
不適合な義歯だけではなく、口腔の不衛生も報告されています。
そのため、インプラントのメインテナンスに際し、服用している薬剤などの十分な問診とその知識が必要です。

 

・精神神経症

 

医療面接が不可能な精神的疾患のある患者さんには、治療内容を十分に理解していただくことが困難なため、
インプラント治療は難しいと思われます。また、不定愁訴や異常に不安感がある患者においても、
メインテナンス時にインプラント周囲炎などの問題を生じる可能性があるため、歯科医師だけではなく、
歯科衛生士も慎重にインフォームド・コンセントを行う必要があります。

 

生活習慣

 

1.喫煙

 

喫煙は、インプラントの長期経過に大きな影響を与えるリスクファクターの1つです。
なぜなら、タバコに含まれるニコチンなどの有害物質により、末梢血管障害や免疫障害を起こし、
インプラント周囲炎に影響を与えるからです。
そのため、インプラント治療を開始する際は、喫煙の有無、喫煙歴について問診し、禁煙指導が重要となります。

インプラント手術時においては、埋入されたインプラント部の骨結合不良や創部治癒不全などの
問題が起きないようにするため、禁煙を徹底させます。

一般的な手術時禁煙プロトコールは、インプラント手術に際して、喫煙者にインプラント手術前3週間、手術後8週間の禁煙を指示しています。
期間設定は、喫煙による頭蓋顔面での手術創傷治癒への影響についての研究結果がいくつか報告されているからです。
実際、喫煙者にとってこれだけの期間の禁煙は変難しいことですが、手術前後の禁煙が成ことで継続的に断煙できるようになり、
「インプラント手術をきっかけにタバコを止められた」
という患者も少なくありません。
しかし、手術に際して禁煙した患者でも、喫煙を再開してしまうこともあります。
歯科医師、歯科衛生士はメインテナンス時にも、禁煙(喫煙)状況を確認して、必要に応じて禁煙の再指導を行う必要があります。

当院でのインプラント治療における禁煙指導の流れとして、まず、喫煙がインプラント治療のリスクファクターであることを十分に説明します。
禁煙指導の際には、喫煙によるインプラントの予後への影響をデータで具体的に説明し、禁煙を促します。

また、製薬会社のホームページなども利用し、禁煙意識を高めることも1つの方法です。
具体的な禁煙の方法として、ニコチンガムやニコチンパッチなどの禁煙補助薬を用いた禁煙方法であるニコチン代替療法があげられます。

このように禁煙指導を行っても、インプラント治療中からメインテナンスの時期まで一貫して禁煙できない患者さんは、
大きなリスクがあると考えられます。
その場合、非喫煙者よりもインプラント周囲炎を起こす可能性が高いことを十分に説明し、理解してもらい、
リコール間隔を短くするなど、早期に炎症性変化を発見できるようにすることが重要です。

 

・ストレス

 

ストレスがインプラント治療に悪影響を及ぼす明らかな報告はありません。しかし、ストレスが歯周炎に何らかの影響を及ぼしていることは知られています。
とくに、ストレスが直接的および間接的に歯周組織に影響を与えていることが報告されています。
まず、直接的な要因としては、ストレスなど精神的な原因による顎の動きです。つまり、就寝時のブラキシズムなどの悪習癖は、
直接的に歯周組織、とくに歯槽骨に破壊的な影響を及ぼします。
インプラント周囲組織においても、同様な現象生じることが予想されます。
また、間接的な要因として、代表的なものをあげます。
1つ目は、ストレスにより副腎皮ホルモンの分泌が高まり、免疫応答として白血球の作用が減弱することで、
歯周組織の持つ抵抗力が低下することです。この現象は、インプラント周囲組織の血液供給量が、歯織と比較して少ないことを考えると、
インプラント周囲炎のリスクといえます。

インプラント周囲組織は歯周組織よりも不利な条件であることが容易に想像できます。
2つ目は、ストレスにより自律神経系の交感神経が優位となるため、血液循環量が低下し、唾液分泌量も低下することです。
このことから、口腔内の洗浄、抗菌作用が低下し、歯周炎およびインプラント周囲炎を生じる可能性があります。
以上のことから、ストレスがインプラント周囲組織に悪影響を与える可能性が高いことが想定されます。
私たち歯科医療従事者は、メインテナンス時にインプラント周囲炎や歯周炎の原因の一つとして、
これら精神的な原因もあることを忘れずに、的確な目で口腔内組織を診ることが重要です。

口腔内に発現する力により、歯や歯周組織、筋肉や関節にも良くない影響が生じることがあります。
私たちの社会にはさまざまな程度のストレスがあり、感受性は人それぞれです。
インプラント治療においても、あまりストレスが強く感じられる方にとっては、
リスクとなってしまいますので、あまり溜め込みすぎないよう、
上手にストレス管理ができると良いでしょう。
噛み締め、食いしばり対策として、私たちはメディセルの施術を行っています。
これは、誰でも無意識のうちに行っている、噛み締め、食いしばりの運動を
筋肉の緊張を緩めることで解消していく療法です。
治療の案内はこちらです。

ぜひ、お気軽にご相談ください。

インプラント治療後のメンテナス その2

2024年1月7日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

今回もインプラントのメンテナンスについての内容ですが、
インプラントの上部構造とその周囲の状況を具体的に考えた上で、
どのようにケアを続けていくとよいかを説明します。

 

上部構造装着直後のブラッシング指導の重要性

 

上部構造装着直後、患者さんはインプラントで歯を補われた歯列に慣れていないため、
ブラッシング不良になりやすく注意が必要です。

とくに全く歯がない状態で長期にわたり総義歯を装着されていた患者さんの場合、
歯ブラシで歯を磨く習慣を忘れてしまっているため、
歯科衛生士が時間をかけてブラッシング指導をする必要があります。

また、インプラントは顎骨の幅や高さにより埋入する位置や長さが決定されるため、
上部構造の形態は顎骨の量や形態により清掃性の面で理想的な形態を付与できない場合があります。

左下奥にインプラントが埋入された状態のCT画像。天然の歯と比較すると、根の幅が大きく異なります。
この症例では、あまり骨の高さの差はありませんが、
このように整った条件ばかりではありません。

したがって、上部構造装着直後に患者にブラッシング指導をする際には、顎骨および上部構造の形態を説明し、
形態的に磨きにくい部位があることを理解していただくこと、
インプラント歯列のブラッシングに慣れていただくよう指導することが重要です。

インプラントの上部構造装着後、定期健診の重要性、インプラントを含めた歯磨きの方法等を説明しています。
患者さんが選んできた歯ブラシ等が、必ずしもインプラント周囲組織に適した製品ではない場合もあります。
私たちは、上部構造の装着直後に、インプラントに適した清掃用具およびブラッシング方法の説明を行っております。

 

バイオタイプによるセルフケアの注意点

 

バイオタイプというのは、歯茎の粘膜の質のことです。
インプラント周囲粘膜の形態は、
厚い(thick-fat)タイプと薄い(thin-scalloped)タイプの2つに大別されます。
また、歯周組織についてはlaynardらにより軟組織や骨の厚みの関係から
4つのバイオタイプに分類されます。

角化歯肉の幅や厚みが、インプラント周囲組織の安定に必要か否かの見解の一致は得られていません。
しかし、歯周組織において歯肉が薄く角化歯肉が不足している部位では、
臨床的にブラシや食物による擦過などの機械的刺激やプラークに対する抵抗性が低く、
炎症による歯肉退縮を起こしやすいことがわかっています。
インブラント周囲粘膜においても、粘膜がインプラント上部構造頭部に近接し角化歯肉の幅が不足している部位や、
薄い組織の部位において、ケアを行う際には十分な注意が必要です。

とくに前歯部においては、唇側粘膜の厚い(thick-1at)タイプ
では、粘膜の退縮は少なく、審美的問題も少ないでしょう。
一方、薄い(thin-scalloped)タイプでは、経時的な粘膜の退縮が生じやすく、
とくに強圧や間違った方向へのブラッシングを行った場合、粘膜退縮は大きくなり、
審美的問題を生じやすくなります。

セルフケアの指導は、バイオタイプを評価したうえで指導方法を選択する必要があります。
Thick-Alatタイプの場合は、通常のブラッシング指導を行い、
過度なブラッシング圧による粘膜損傷を起こさせないような指導が重要です。

一方、thin-scallopedタイプの場合、ブラッシングによる粘膜退縮を予防することが重要であり、
軟らかい毛質のブラシを選択し、ブラッシング圧を弱め、唇側面に直角に当てるようなブラッシング指導を厳密に行う必要があります。
セルフケアに使用する各種清掃用具は、天然歯とは異なる形態を呈しやすいインプラント上部構造は、清掃性が悪くなる部位があるため、
歯ブラシだけでは磨き残しやすいことも多くなります。
そのため、補助ブラシなどインプラント周囲組織と 上部構造の形態や材質に適した清掃用具の選択が重要となります。

 

①ワンタフトブラシ

 

豊隆が大きい部分やインプラントブリッジの鼓形空隙などは、通常の歯ブラシでは毛先が届かず磨き残しやすいため、
歯ブラシで磨いた後に補助的にワンタフトブラシを使用するよう指導します。

 

②歯間ブラシ

 

インプラント周囲粘膜は瘢痕状態であり、歯間ブラシの誤った使用方法により、容易に付着をしてしまうこともあります。
ブラシの使用を開始する際には、必ずサイズ確認を行い、挿入方向に十分注意するよう指導することが重要です。

歯間ブラシのサイズは、天然歯の歯間部に適合するサイズよりもワンサイズ小さいものを選択し、
歯肉を押し広げないように注意する必要があります。
筆者は、歯間ブラシのサイズSが抵抗なく挿入できる鼓形空隙より狭い部位には、
歯間ブラシの使用は避け、ワンタフトブラシでの清掃を中心に指導しています。

また、歯間ブラシの金属のワイヤーによって、チタン面やセラミックス表面を傷つけないために、
ワイヤーがナイロンやプラスチックコーティングされている歯間ブラシを使用することも重要です。

 

③軟毛ブラシ

 

可動粘膜がインプラント上部構造頸部に近接しており、ブラッシング時の擦過によって傷つきやすい部位や、
即時荷重インプラント治療において手術直後に暫間的補綴物を装着した部位など、
粘膜が脆弱な場合には、軟毛ブラシを選択します。

 

④音波振動歯ブラシ

 

音波の作用により効率的に磨くことができるため、とくに全顎無歯顎症例でインプラント治療された患者さんにおいて、
音波振動歯ブラシでのブラッシングは有効です。また、ブラッシング圧をコントロールできない患者においては、
とくに音波振動歯ブラシを勧めることが必要です。
なぜなら、インブラント周囲粘膜は瘢痕組織であるため過剰な圧のブラッシングによって粘膜を傷つけないためにも、
一定の振動で磨ける音波振動歯ブラシを選択することが重要だからです。

 

⑤電動歯ブラシ

 

電動歯ブラシの毛先の動きは、歯周組織と比較して粘膜が脆弱であると考えられるインプラント周囲組織に対して、
ブラッシング圧が強すぎる場合もあるため、なるべく使用を避けるように指導しています。

 

⑥歯磨剤

 

研磨剤が多く配合されている歯磨剤は、上部構造を摩耗させるため、インプラントのみならず天然歯に対しても使用を避けるべきです。
セラミックスや金属などインプラント上部構造の材質にかかわらず、研磨剤によって傷ついた表面はバイオフィルム、プラークの沈着を招きます。
また、審美的にも、研磨剤によって摩耗した細かい傷により、セラミックスの艶や輝きを失わせます。
低研磨性または研磨剤無配合の歯磨剤が望ましいと考えます。
インプラントの形態的特徴から、歯ブラシによるセルフケアでは磨き残しやすい部位を、含嗽剂による化学的清掃法で補うことも必要です。
とくに、インプラント上部構造装着直後は、インプラントで補綴された歯列形態でのブラッシングに慣れていないため、
化学的清掃によりプラークコントロールを行うことが重要となります。
うがい薬としておすすめなのは、エピオスです。
塩と精製水を電気分解した機能水で、院内の機械で製造しています。
殺菌作用は高く、生体には優しい性質で、口腔ケアにも適しています。

定期的な受診/strong>
インプラント治療での失敗の大多数は、2次手術より1年以内に起こるという報告があります。
したがって、インプラント上部構造装着後の1年間のメインテナンスはとくに重要となります。

 

ケア用品のフッ化物濃度

 

チタンは酸性下でフッ素イオンが存在すると耐食性が低下する2ため、
フッ化物局所応用として使用する製品は中性のものを選択しなければなりません。
口腔内において、粘膜などが炎症を起こすとpHが低くなり、酸性に傾きやすくなるため、
アバットメントなど露出しているチタン面が存在する場合は、
とくにpHとフッ素イオン濃度に注意することが重要です。
一般的にはインプラントが存在する口腔内において使用するフッ化物は、
pHが中性でフッ素イオン濃度は1,000ppm以下が望ましいとされています。

インプラント治療の基本的な流れ

2023年12月30日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。
今回はインプラント治療の基本的な流れについてお話しします。
大きく5つのステップから成ります。
これらは相互に大きな関連性をもち,各ステップが連動することで,はじめてインプラント治療は成立します。
それぞれのステップにおいて重要となるポイントを解説します。
天然歯が残っている場合、それらの歯周病の状態が把握され、適切に治療が進んでいる必要があります。

 

①治療計画

 

まずは資料とり、検査とそれらに基づく治療計画立案、カウンセリング、クリニカルパス作製ですが、
何もインプラント治療に限ったことではありません。

インプラント治療前の資料とり、CTはその一つです。

口腔内全体の保護を念頭におく必要があり、そのためにも最終補綴物の設計や構造が重要となります。
現在はトップダウントリートメントの概念がインプラント治療の主流となっています。
この概念は,術前に天然歯列を模倣した理想的な補綴形態を診断用ワックスアップで設計し,その歯
冠部の位置を基準にインプラントの埋入ポジションを決定して,必要であれば骨を造成するやり方です。

最終的な歯の形態を示すワックスアップ。ゴールが先で、それに合うように手術プランを考えます。

しかし,問題はあくまでも天然歯の模倣であるという点で,インプラントと天然歯は周囲粘膜も骨内環境も異なっています.
歯根膜の有無が大きな違いで,歯根膜が存在しないインプラントは組織への血液供給や栄養供給がありません.
つまリインプラント周囲組織においては、天然歯では維持されていたはずの薄い周囲骨はすぐに吸収し,
薄い周囲粘膜は退縮を起こすことになります.
インプラント周囲の骨や粘膜には,骨膜からの栄養供給が十分に得られ,血流のネットワークが構築できるだけのボリュームや環境が必要です.
現在は,それらの環境を確保するためのインプラント埋入ポジションや埋入深度,
歯肉を圧迫しない被せ物の形態を事前に計画します.

ノーベルバイオケアのインプラントシミュレーションソフトを用いて、治療計画を立てます。インプラントの角度や埋入深度、上部の被せ物のどのあたりに固定のネジを設定するか、歯肉や骨の厚みも確認します。

 

②インプラント埋入手術

 

事前にCTで画像診断をしていても、インプラント埋入部位の骨質に関しては,実際のドリリングによって判明することが多いです.
一般的に上顎の骨の方が多孔質で、下顎の骨は緻密な質感です。CT画像で骨が黒っぽい感じだと、大体柔らかめの骨質です。
中には、発泡スチロールのような骨質もあるので,オステオトームなどの骨を圧縮する器具や,
骨質の恵まれないケースに用いるタイプのインプラントを選択します。
最も多いのは、インプラントのサイズよりも小さめにドリリングを行うことです。
ドリルを足すことはできますが、形成しすぎたからといって後戻りはできないので、
慎重に段階をふんでやっていきます。そのため、ドリリングを少なめにして、
この状態でインプラント埋入できるかトライします。
不十分ならもう少しドリルをたす、埋入トライを繰り返し、
インプラント埋入時のトルクが35N以上になる良好な初期固定を目指します。

術前の麻酔。インプラント埋入予定部位に局所麻酔を行います。

他の施術と異なり、高いレベルの滅菌環境下で手術を行います。

私たちは、ほとんど全ての症例で、手術用のコンピューター支援のガイドを用いてインプラント埋入手術を行います。

骨造成を同時に行う場合も多いです。小規模ならGBR、例えば上顎洞内に骨造成する場合はサイナスリフトです。

 

③治癒期間

 


埋入手術後、できるだけ早く噛めるようにしたいですが、インプラントと骨の結合を待機する必要があります。基本的に3ヶ月〜4ヶ月は待ちます。
その間、患者さんのQOLが下がらないよう、仮歯を貼り付ける、治療用の入れ歯を装着するなど対応します。
骨を造成するような施術後は、歯茎に外部から圧がかからないようにする必要があり、基本的に入れ歯を装着しない方が安心なこともあります。

 

④補綴処置

 


歯肉から立ち上がる部分を取り付ける、2次手術。ヒーリングアバットメントを装着すると、このチタンの滑らかな面に沿って、歯肉が綺麗に治癒してきます。

仮歯をスクリュー固定。

2次手術は骨を触るような大掛かりなものはなく、歯肉を取り扱います。局所麻酔が必要です。仮歯を使って生活をしていく中で、問題がないか経過を見ます。
インプラントで修復する範囲が大きいほど、仮歯で経過を見る期間を延長し、お口の環境に合う歯の形態を再現するよう調整を繰り替えします。
最終補綴物製作の前に,仮歯によって咀嚼運動や発音といった機能面と補綴物の歯冠形態や歯肉縁下形態などの審美面を整えていくこ
とが重要です。この仮歯の装着期間に、患者さんの習癖や口腔ケアのレベルなどを考慮して,
最終補綴物に反映させることになります。2次手術後の仮歯の期間で問題なければ、最終的な上部構造を作製します。
私たちは、3本以内の欠損治療では、お口の中をスキャンして型取りします。
それ以上の広範囲の治療では、シリコンの型取りの材料とトレーを用いています。

型とりの様子。


被せ物はジルコニアという材料を用いています。プラークが付着しにくいというメリットが大きいです。前まではジルコニアというとラメがかったようなキラッと目立つ質感でした。現在は審美的にも、天然歯と違いがわからないくらい仕上がりが良くなっています。
天然の歯の被せ物と大きく異なることは、インプラントと被せ物はスクリューで固定をするという点です。
インプラントと被せ物の装着について、セメント固定を選択した場合は、歯肉よりも深い位置にセメントの取り残しができてしまうため、
辺縁骨の炎症、吸収を引き起こします。
可能な限りスクリュー固定になるよう治療計画を立てます。
どうしても、顎骨の吸収などでインプラント埋入角度・位置が制限される場合、セメント固定にせざるを得ない場合もあります。
審美性の確保とともにセメントの除去が容易に行えるように、土台部分をカスタムするなどを工夫をします。

 

メンテナンス

 


一般的なメインテナンスについては、天然歯とインプラントとで変わらないので、患者さんご自身でのケアがしやすいよう、ブラシの選定、補助的な清掃用具のお話をさせていただいております。
定期的なメンテナンスに来院された際は、インプラント専用の器具を用いて、バイオフィルムや歯石の除去を行います。
噛み合わせの接触具合、スクリュー固定の状態もチェックをします。
口腔内は経年的に変化しますので,インプラントの補綴物も残存する天然歯も同様に口腔内の食事や噛みしめなどの過酷な環境に曝されており,
常に口腔内全体をチェックして力のコントロールを行う必要があります。
インプラントの補綴物は力を緩衝するショックアブソーバーのような存在でもあります。
天然歯は、歯根膜が周囲に存在しますので、噛み合わせの精密なセンサーの役割があります。
強い力がかかった際の緩衝材の役割もあります。
インプラントは、顎骨と直接結合しており、膜などは介在しません。
上部構造に用いられている、ジルコニアやポーセレン、周囲の歯が天然歯の状態であったり、補綴装置が装着されていたり、
その患者さんごとに多種多様であります。つまり、使っていて摩耗する程度も違ってきます。
その辺りの噛み合わせの状態をチェックし、インプラントの上部構造と噛み合う歯が変に強く当たってきているとか、
干渉しているようになったら、適切な状態に戻すように噛み合わせの調整を行います。

インプラントと天然歯、どんな違いがあるのでしょう?

2023年12月9日

⚫️インプラント周囲組織と歯周組織の違い

 

🔳インプラントと天然歯の相違点として、“天然歯は自己、インプラントは非自己である”ことが大前提となり、”インプラント周囲組織は非自己なる物体(異物)との間で代謝を繰り返している”のです。

🔳インプラント周囲組織と歯周組織の相違点

 

①結合組織中のコラーゲン含有量が多く、線維芽組織の量が少ない。

 

インプラント治療とは、骨に植立された非自己であるチタンのネジがつかわれています。
チタンは、飛行機やロケットにも使用されていて、軽量性があり、金属アレルギーなど人体にやさしく安全な金属で、生体適合性・強度・耐食性・耐熱性に優れています。そのネジが、骨膜、および粘膜を貫通して口腔内に突出しているという、生体では大変不思議な状態となっています。つまり、口腔内の粘膜に骨まで達する傷口を故意に存在させていて、その粘膜は傷ぎ治癒するときと同じ硬い状態になっているのです。インプラント周囲組織はまさに「瘢痕組織」に類似しているといえます。その瘢痕組織様形態であるインプラント周囲組織の結合組織の成分は、コラーゲン含有量が多く、線維芽細胞の量が少ないと報告されています。
また、インプラント周囲粘膜上皮の増殖力は、天然歯の付着上皮と比較すると数分の1程度でり、天然歯の周囲粘膜に比べ代謝が弱いことが考えられています。そのため、インプラント周囲粘膜は炎症が生じやすく、治療しにくい状態と想定されます。

 

②血液供給量が少ない

 

天然歯において、血液は歯肉と骨縁上の結合組織では、歯槽突起側方の骨膜上血管、歯根膜の血管の2方向から供給されています。しかしながら、インプラント周囲組織には、セメント質がないため、歯根膜が存在しません。そのめ、インプラント周囲粘膜は、インプラント部位の骨の骨膜から生じた、より大きな血管の終末枝のみから血液が供給されています。
したがって、インプラントの骨膜上結合組織の血流は、歯周組織と比較して少ないと考えられています。このことにより、血液の免疫作用および再生能力が不十分になりすいため、インプラント周囲粘膜は炎症が生じやすく、治癒しにくい状態と想定されます。

 

③コラーゲン線維の走行

 

天然歯ではコラーゲン線維の走行が歯根に垂直よび平行であるのに対し、インプラントに
メント質が存在しないことから、骨から垂直に存在し、インプラントと平行に走行しています
。そのため、インプラント周囲粘膜は、歯肉に比べ、外からの侵襲に対し、防御機能が低いこ
とが想定されます。
つまり、インプラント周囲組織は、歯周組織
に比べて結合組織中の線維芽細胞の量および血液供給量が少なく、いったんインプラント周囲組織に炎症が起こると、急速に不可逆的に進行すると考えられます。
歯周組織よりも感染防御機構が劣るインプラント周囲組織で、とくに早期に炎症性変化を見つけて対処する必要があります。

 

施術時の注意点

 

マニアックなお話ですが、インプラント周囲の組織の成り立ちやマネジメントは、長期予後にとって非常に重要なのです。
周囲に骨がある、歯肉という軟組織があるということが重要で、インプラント治療では天然歯以上に、組織の厚みを考慮して施術をします。
骨が足りない場合は、人工の骨を入れて、高さや幅を増やします。
私たちは、GC社から出ている、サイトランスグラニュールといういう骨補填材を用いています。
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公式HPより
世界初の「炭酸アパタイト」が主成分とする、国内初の「インプラント周囲を含むしか領域での使用」が認められた顆粒状の骨補填材です。「炭酸アパタイト」は、骨の無機成分と同じ組成のため、患者さん自身の骨へ効率的に置換され、目標とした骨面の高さを維持します。また、インプラント体に対し、強固なオッセオインテグレーションの獲得を実現します。
生理食塩水や血液と混ぜて使用します。
主成分は炭酸アパタイトです。これは、人間の骨や歯を構成する無機成分であり、リン酸カルシウムの一種です。
生体由来材料のような感染リスクはありません。
人間の骨は有機成分(コラーゲン等)と無機成分(アパタイト)により構成されていますが、 本品は自家骨の無機成分と類似した組成の骨補填材になっています。
炭酸アパタイトの高い骨伝導能により、早期からサイトランス グラニュールの周囲が新生骨に覆われます。
炭酸アパタイトの吸収特性により、患者さん自身の骨にゆっくりと置き換わって行きます。
足場としての機能を維持しながら効率的な骨置換を実現します。
全ての作製工程を完全に滅菌環境下、国内で行なっています。

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以前はBio-ossという製品を用いていましたが、海外の製品で、取り寄せるのに時間がかかっていました。
サイトランスグラニュールは、入手のしやすさ、操作性も良いです。
何より、インプラントをよく施術されている歯科の先生方の評判が良いです。
私たちも導入し使っていますが、良好な治療結果を得ています。

 

⚫️患者さんとのコミュニケーション

 

最後に、インプラント治療にかかわらずですが、患者さんとのコミュニケーションについて、考えていることを書いておきます。
インプラント治療とは、歯を失った顎堤に人工歯根を植立することにより、咀嚼・咬合・審美性を補う治療で、生体にとっては人為的に人工物(異物)を体内に入れる治療です。そのため、異物が生体に排除されないように、オッセオインテグレーション(骨結合)をいかに持続させられるかによって、インプラントの長期にわたる安定が保証されます。ですから、インプラント治療では、このことをつねに頭に入れて治療にあたるよう心がけています。
インプラント治療を希望される患者さんもまた、「人工のものを体の中に入れるとはどういうことだろう?」と少なからず不安を抱いて来院されるでしょう。だいたい、大きいモニターで治療の説明をすることが多いです。モニターで見ると、何か巨大なネジが顎に入っていくイメージをされてしまうようで、誤解がないように模型や実寸、天然歯との比較をしつつお話をします。
また、最近ではインターネットの普及とともに、インプラント治療に関する誤った情報をそのまま理解されている患者さんも多く見受けられます。特に多いのはインプラントを入れらた骨が溶ける、といった謎のうわさがあるなと感じています。
そこで、インプラント治療を始めるにあたり、インプラント治療とはどういった治療なのか、インプラント治療の利点・欠点を正確に説明する必要があります。医療面接において当院では、インプラント治療を希望するに至った主訴、現病歴、既往歴などを把握し、患者さんとのコミュニケーションをはかり、信頼関係を築きます。
そして、治療に必要とされる検査を行い、検査結果の説明とインプラント以外の治療法を含めた治療計画の提案と、その際にかかる治療期間(回数)と治療費を患者さんに提示します。このように、患者さんへの十分な説明と同意(インフォームド・コンセント)を得たうえで治療を進めていくようにしています。

インプラントのよくある質問その2

2023年11月1日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

まずはインプラント症例のお話からです。
右下奥の第二大臼歯が虫歯でボロボロでしたので、抜歯してインプラントで治療を行った症例です。

術前

 


術前パノラマ:右下奥歯が虫歯で小さい根のみになっています。

術前咬合面:奥歯は小さく、黒くなっています。

術前右側:上顎の奥歯が噛み合う相手がいません。
患者さんは、もともと歯があった頃の方が噛みやすかったので、治療で歯を作りたいとのご希望でした。

 

術後

 


術後パノラマ:右下奥にインプラント埋入、上部構造があります。

術後咬合面:インプラントの上部構造はスクリュー固定のため、ネジの穴を封鎖したあとがあります。

術後右側:噛み合わせが回復しています。

歯が大きく欠けてしばらくそのまま慣れていた時もあったけど、治療してかみやすくなったとおっしゃられていました。
奥の歯が1本なくなってしまった後、そのままで過ごす方もおられます。
積極的に治療で歯を補うとしたら、インプラントで歯を作るか、部分入れ歯を作って装着することになります。
奥だけ1本の部分入れ歯を作った経験がありません。しっかり噛めないどころか違和感が増すだけで、生活の質はむしろ下がってしまいます。
インプラントを絶対すすめることもしていません。噛みづらいなとか実感されている方には、ご案内しています。
感じ方は人それぞれですし、その方の生活スタイルや年齢などは、積極的な治療に踏み切るかどうかの大きい判断材料になります。

歯がなくなった側は、反対側で自然と噛んでいくことになります。歯がそろっていて噛みやすいからでしょう。
利き腕と同じように、噛むときも左右どちらかを主体に噛んでいることが多いですが、
噛み合う歯が少ない場合、歯が少ない側で咀嚼する機会が減ってしまいますので、
お顔の形も変わってきてしまいます。
これは、咀嚼する時の筋肉をどのくらい使っているかによります。当然使っていない側は筋肉が衰えてしまいますので、
お顔がたるんでくるわけです。
お顔の筋肉とシワも関係があります。

 

顔の筋肉とシワの関係って?

 

みなさんは、「時間がないから」といって食事を短時間ですませてはいませんか?現代はやわらかい食べ物が好まれ、あまり噛まない食習慣になってきています。
しかし、顔の筋肉を使ってしっかり噛まないと、頬がたるんでほうれい線が目立ち、口角も下がってきてしまいます。すると、全体的に老けた顔に見えてしまい、ときには、不機嫌ではないのに、周囲の人に「怒っているのかな?」と思われてしまうことも。
顔の筋肉を衰えさせず、若々しい顔でいるためにも、1番大切なことは、「よく噛むこと」です。そして、「よく歌うこと」「よくしゃべること」も筋肉の衰えの予防に繋がります。
食べ物を噛むときに動く咀嚼筋の一部でもある「側頭筋」と「咬筋」を自分の手で触って、よく噛むことの大切さを意識しましょう。手をあてて噛みながら、軽く噛んだとき、ギューッと噛みしめたときの筋肉の動く大きさの違いを感じてみるとよいでしょう。
咀嚼筋が衰えると大きなシワの原因になります。食事のとき筋肉を使ってしっかりと噛んで、おくちを動かすことが若さの秘訣です!

 

▪️咀嚼筋の一部

 

【側頭筋】ちょうどこめかみの部分にある筋肉です。手のひら全体で触ってみてください。衰えると目元や瞼が下がってしまいます。

【咬筋】耳の前(頬側)にある筋肉です。机の上でほおづえをつくようにして触ってみるとわかりやすいです。衰えると頬がたるんで、ほうれい線が深く刻まれてしまいます。

▪️おくちのまわりの筋肉の一部
【口角挙筋】上あごの犬歯付近から小鼻の横周辺までに位置しています。目元と口角を繋いでいて、口角を上に引き上げる働きがあります。口角が下がったと感じるときは、口角挙筋が衰えている可能性が高いでしょう。

【口角下制筋】下唇の両側から下顎にかけて扇のように広がっており、上唇と口角を下に引っ張る役割を持っています。奥歯でものをかむときに使われる筋肉です。この筋肉が凝り固まると年齢を感じさせてる顔つきになってしまい、発達しすぎてしまうと、口角を下に引っ張る力が強くなって、口が「への字」になってしまいます。

特に奥歯は噛み合わせ、咀嚼の要と言っていい部位でありますので、
1本、2本失ってしまうと噛みづらくなってしまいます。
筋肉が衰えてしまい、お顔が変わってきます。

 

Q.インプラントは一生モノ?

 

一生モノではありません。
インプラントはチタンという生体に対して極めて親和性の高い材質です。顎の骨に埋入しても炎症は起こさず、骨の組織と直接結合する「オッセオインテグレーション」という現象が起きます。
現在のインプラントは近代インプラント治療が始まった時と比較して、高い成功率を達成できるレベルになっています。一度くっついたインプラントがどれだけ長持ちするかは、個人差があります。噛み合わせの力や他の歯がどれだけ残っているか、骨の質、嗜好品などの生活習慣、食いしばりの習癖の程度など、予後を左右する条件は様々でありますので、どれだけ長持ちするかを正確に予測できません。
そうは言っても、通常は10〜20年は抜けずに機能すると認識しています。40〜50年機能し続けているインプラントの報告もあります。

 

Q.インプラントと天然の歯とはどう違う?

 

周囲組織とのくっつき方が違います。
インプラントは骨の組織と直接結合します。天然歯は歯根膜という構造を有しており、それを介して骨の組織と結合しています。歯根膜はすごいです。これが噛み合わせの超精密なセンサーの役割があります。また、歯根膜自体に血流がありますので、歯根膜が健康な状態であれば、骨の再生を促すことができます。自家歯牙移植をして、移植した歯の周りに骨ができてくっついてくるのは、歯根膜のおかげです。
一方、インプラントは歯根膜の構造がないですから、骨がなかったらGBRといって骨を人工的に増成する施術を行います。また、噛み合わせの摩耗などで、インプラントの部分だけが強く噛み合っている状態だと、噛み合う相手の歯がダメージを受けやすくなります。
このような理由で、もしインプラント治療が一通り終わったあと、噛めるからと言って全く歯科での検診を受けずに過ごしていると、歯根膜のないインプラントならではのトラブル、噛み合わせの力によるトラブルが生じる可能性があります。
ですので、定期的に噛み合わせをチェックしたり、必要な調整を行いながらインプラントと付き合っていくことが重要です。
このようにインプラントにはまだ天然の歯には追いついていないというのは明らかであります。
では、治療を進めても問題ないのかというと、私の考えはこうです。

インプラントは100点満点ではないけれども、10〜20年という長い間、ブリッジや入れ歯から解放され、
周りの歯は負担がかからず長持ちすることができたり、なんでも美味しく食事ができるのであれば、
治療として十分な効果があると言える。
たとえトラブルがあったとしても、上部構造をやりかえたり、インプラントを埋入しなおすことで、回復ができる。
これにより、歯根膜のないインプラントでも、多くの人のQOLの向上に役立てる。

歯周病や虫歯、事故により歯を失ってしまった場合、その場の金額の安さだけで入れ歯治療を選んでしまうようなことは、
非常にもったいなく思います。
噛めずに食事に制限がある方、ぜひお気軽にこちらからご相談ください。

インプラント治療のよくある質問

2023年10月28日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。


術前右側:奥歯の欠損があります。

術前咬合面:歯を失ってからある程度期間が空いていて、歯茎の形が落ち着いています。


術後右側:インプラントで奥歯を作りました。

術後咬合面:歯列にマッチしていて、機能に問題なしです。

今回は患者さんからよくある、インプラントに関する質問についてまとめてみました。

Q.他の医院で、インプラントができないと言われたのですが、治療できませんか?
インプラントは顎の骨の中に埋入するので、骨の高さや幅がない場合、治療できないと判断される場合もあります。
私たちも全ての骨欠損に対して、「なんでも治療可能です!」とは言えませんが、
骨の量的に難しいと判断し、専門クリニックを紹介した症例は1つのみで、
他のほとんどの症例は骨を作る施術を行なってインプラント治療を完了しております。
これは、CTによる画像診断をしていくことで判断できますので、
他院で断られた方も、ぜひご相談していただけたらと思います。

Q.骨の量以外で、インプラント治療ができない人はいますか?
以下の人は治療ができません。
骨の成長が終わっていない若い方
日常の歯磨きなどの清掃が全くできない方
チタンのアレルギーの方
アルコール依存症の方
歯科医師と意思疎通が取れない方
骨粗鬆症の治療中の方
糖尿病、高血圧のコントロールができていない方

Q.インプラント治療ってこわい。顎にでかいネジが入るんでしょ?痛いんでしょ?
手術中はしっかり麻酔が効いた状態で施術をしますので、術中痛い中やることはありません。
でかいネジについてですが、大体治療説明の画像などで、歯やインプラントや顎の骨のイラストをどアップでご覧になると、
なんか巨大なネジが顎に入っていくイメージを持たれることがあります。
実際は、天然の歯の方が大きいです。
術後の感覚は、抜歯された時と同じくらいの印象です。
治療された患者さんも、「最初はこわいイメージだったけど、思ってたより全然楽だった」と言う感想がほとんどです。
インプラントのレギュラーサイズは、直径が4.3mm、長さが10mmです。
天然の歯の直径も長さもそれよりもう少し大きいので、インプラントは全然大きいネジではないです。

Q.手術時間はどのくらい?
30分〜1時間程度が多いです。
埋入するインプラントの本数、骨増成の程度、お口を開けられる量が極端に小さいなど難易度により前後します。

Q.インプラント治療の費用が気になる。
具体的な治療費については、CT撮影、画像診断をしてお見積りを作成し、ご案内させていただきます。
また、費用の分割払いもこちらを利用していただけます。

Q.インプラント治療費を抑えることはできる?
医療費控除です。
例えば、400万円の所得の人が30万円のインプラント治療を受けた場合、
この制度を使うと、26万円で治療を行うことができます。
費用的にハードルが高かったという場合も、数万円安くできるなら、、、となったりします。
どんな風に利用するのでしょうか。

我が国の一般的なインプラントの治療費は、40万円程度です。画像診断から手術、最終的な被せ物まで含めてです。
医療費控除が使えるので、税金から医療費の一部が還付され、お得にインプラント治療ができると言えます。
どのような制度かと言うと、、、
その年の1年間でかかった医療費が一定額を超えた場合、その額と所得を元に計算された額、税金が返ってくると言うものです。
この医療費は、生計を同一にする配偶者、親族も含めてです。
一定の額というのは、医療費の合計が10万円または所得の5%を超えるというのが条件です。

✳︎所得と税金還付の例
年収400万円でその年の医療費が30万円だった場合、4万円の還付
→つまり、30万円から10万円を超えた分、20万円
 これに400万円の所得税率20%をかけた4万円が返ってきます。
という仕組みです。
クリニックの窓口で費用が減るわけではありません。

Q.インプラントはどれくらいもちますか?
20年の累積データで、上顎90%以上、下顎95%以上です。
上顎と下顎で差がありますね。これは、上顎の骨の質が下顎よりも少し弱いために起こります。
たまに、「インプラントを入れたら、骨が溶けるんですよね?」
とお話しされるかたがいらっしゃいます。
インプラントの周りの骨だけが溶けるというニュアンスのようですが、
そんな現象は起きなくて、周りの歯が歯周病が悪化するような状況でしたら、
周りの歯と同じように歯周病(インプラント周囲炎)になります。
ご自身の歯も、インプラントも同じようにお手入れすると、同じようにもちますとお答えしています。
インプラントが適切な位置に埋入され、歯列や噛み合わせにマッチした上部構造が入っており、
定期的にお口のメンテナンスに歯科受診されると安心です。

Q.インプラントだから特別メンテナンスが必要?
お家でのケアは、インプラントがあってもなくても同じように重要です。
インプラントに関係なく、病気の予防のために歯科受診し、
お口のメンテナンスを受けていただくのが一番歯が長持ちします。
そうすることで、結果的に健康寿命を伸ばすことに繋がります。
なぜなら、なんでも噛める状態であれば食事を楽しみながら栄養摂取でき、
虚弱にはならないからです。
噛み合わせがしっかりしていることで、全身を動かすバランスもとりやすく、
高齢者の寝たきりの原因である、転倒や骨折を防止できます。

Q.使用しているインプラントや歯科材料はどんなもの?
当院ではノーベルバイオケア社の製品を使用しています。
他のメーカーは使用しておりません。
ノーベルバイオケア社は、歯科インプラントで世界で初めて製品展開した、海外のメーカーです。(本社はスイス)
そのため歯科インプラントで最も長い歴史があり、世界70カ国以上で使用されています。
1965年、ブローネマルク博士により、世界で初めてインプラントが歯科臨床に応用されるようになりました。
現在、日本に存在するインプラントメーカーは40種類以上。
その中でも人体に応用してから50年以上の歴史があるのは、このメーカーならではの強みと言えます。
現在は、インプラントの表面にタイユナイトという特殊な加工がされているものを導入しています。
タイユナイトの特徴は、顎の骨の中に埋入されたあと、早期の骨結合と治癒期間の短縮が可能であることです。

Q.高齢だけどインプラント治療は可能?
年齢によりインプラントと骨の結合が制限があるということはありません。
当院のインプラント治療患者さんの最高齢は、90歳ですが、
全く問題なく、治療後も快適に過ごせています。

Q.ガイドやコンピューター支援の手術とは何のこと?
ノーベルバイオケア社が開発したものが、ノーベルガイドというものです。
CT撮影データとインプラントのシミュレーションソフトウェアを組み合わせて、治療計画をサポートするコンセプトです。
手術の前に骨の形態や質、神経の位置などを把握し、安全・安心な治療を可能にしています。
計画通りにインプラントを埋入するために、患者さんごとにサージカルテンプレート(手術用補助器具)を作製して手術をします。
治療計画に基づいてインプラント埋入をするため、サージカルテンプレートをお口に取り付け、
インプラント手術をします。
これにより、シミュレーションした位置に正確に手術が行えます。

実際のお口の状況は人それぞれですので、
インプラントの相談だけでもお気軽にしていただけると、
よりわかりやすいと思います。
ウェブでもご予約が可能です。

インプラントのブリッジ症例

2023年10月26日

インプラントのブリッジ症例

ほとんど歯が残っていない上顎に対して、インプラントのブリッジで治療した症例です。

以前、歯がない顎に対して、All on 4コンセプトの治療を行った症例をご紹介しました。
今回もほとんど歯が残っていない上顎に対する治療ですが、残っている歯が治療したら問題なく使っていける状態でしたので、
それを温存して尚且つ固定式の歯を入れるにはどのようにするのか、という治療プランを考える必要がありました。

 

当院を受診された時のお悩み

 

「上の入れ歯でしっかり噛めない」
というものでした。上顎は3本歯が残っておられて、あとは部分入れ歯が入っていました。
術前はこのような状態でした。


術前正面:歯の欠損が広範囲に認められます。


術前右側:惻切歯、犬歯、第一小臼歯のみ残存していました。


術前左側:すべて欠損でした。

欠損に至った原因ですが、虫歯がひどくなり、治療を繰り返すうちに徐々に歯が抜かれていったとのことでした。
虫歯の治療も際限なくできるわけではありませんので、最初は虫歯のところを埋める簡単な施術で済むのですが、
根管治療をして被せ物を入れる→虫歯が再発し最治療、となったら、残っている歯の量が少なすぎて抜歯になってしまいます。
抜歯後にブリッジや部分入れ歯で欠損を補ったあとは、欠損の負担がブリッジや部分入れ歯の土台の歯にかかってきますので、
長い時間をかけて抜歯に近づいてくようなものです。
そのようにして、この方は徐々に欠損の範囲が拡大していき、10本の欠損に至ったわけです。
大きい部分入れ歯が入った後、このようなお悩みが出てきました。
・ガタガタして硬いものが噛めない。
・食事の際、入れ歯と歯ぐきの隙間に食べ物が入り込む。
・歯ぐきが痩せてくるので、作り直さないといけない。
・入れ歯の金属のバネをしばしば調整しないとゆるくなってしまう。
。入れ歯のピンクの床の部分が割れてきた。
などなど、入れ歯あるあると言えます。
インプラントだからできる生活があると思います。それは、天然の歯があった頃を取り戻せる方法だからこそ、
自然に自由な生活を楽しむことができます。非常に治療効果が高いと考えております。

今回の症例の話に戻ります。
実は、この治療を行ったのはかなり前で、私たちはその時ノーベルガイドのシステムを導入していませんでした。
ノーベルバイオケアのインプラントをずっと使用していたのは変わらないのですが、
この症例後に、ノーベルガイドのクリニシャンというソフトと、ガイド用のオペキットがクリニックに導入されたのを覚えています。
今ならノーベルガイドを使用し、よりスムーズに治療が進んでいただようと思われます。今更ごちゃごちゃ言ってもしょうがないですが。。。

ところで、インプラント治療ならではのやり方で、トップダウントリートメントというものがあります。
簡単に言うと、最終的な歯から逆算した位置にインプラントを埋入するやり方です。

 

ワックスアップ

 



右下奥歯の欠損

歯型をとり、石膏模型を作ります。このように歯がないところに、ワックスを用いて歯の形を作ります。残っている歯や歯列、噛み合わせを踏まえて、理想的な歯の形・位置を設定します。この最終的な歯の設計図を準備するところから始まります。ワックスアップと呼ばれています。



上顎前歯のケース


下顎両側第臼歯部のケース



上顎全部のケース

ノーベルガイドが使用できる状況でしたら、ノーベルバイオケアのソフトにワックスアップ模型のデータを入れて、ガイドを作製していきます。
今回のケースは、ガイド導入前でしたので、技工の先生と手製のガイドを作製し、それを用いて手術を行いました。
院内で、石膏模型上にレジンを使ってガイドを作り、インプラント埋入を行いました。

手製のガイドは、ノーベルガイドと比較すると手術の正確さにおいては劣ってしまいますが、何も手掛かりがないフリーハンドの手術を行うよりかは、最終的な上部構造を反映した位置にインプラント埋入がしやすいと考えています。この症例は、比較的顎の骨の厚みや高さに余裕があったので、このやり方でも問題なかったと考えます。

まだ、現在のようなCTがない時代、インプラントの施術はパノラマX線写真などの平面の写真のみで行われていたわけで、ガイドも当然ない状況でした。そのような中で当時の歯科の先生方は工夫してされていたのだと思います。と考えると、ガイドのシステムがある現在は、医療の技術開発ならではの施術も可能になり、画期的で良いことだと感じております。

埋入後、インプラントと骨が結合する現象が起きます。オッセオインテグレーションと言います。インプラントの表面と骨の組織が直接結合する間は、負荷をかけないようにします。埋入する際、インプラントにかけるトルクを35N以上で固定できたら、初期固定が良好であると判断できます。手術の時はこの良好な初期固定を得るために、工夫をします。たとえば、柔らかい骨質の場合はあまりドリルで形成しすぎないようにします。小さめの穴を開けて、インプラントをねじ込んでいくイメージです。
この1次手術 のあと、一旦骨の組織とインプラントの結合は弱まります。スタビリティーディップと呼ばれます。それがあったあと、徐々に固定がしっかりしてきます。そのため、すぐに力をかけない方が良いです。
ただし、例外はあって、インプラントの先端が鼻腔底や上顎洞底の皮質骨噛み込むよう埋入するやり方では、待機せずに加重することもあります。ALL on コンセプトの治療はそうです。

 

最終上部構造装着後

 


術後正面観:機能的で審美的な歯が入りました。


術後左側:今回の症例のように、顎の骨の高さが豊富に残っている場合、最終上部構造は歯の形そのままを再現したような状態になります。これが骨の高さが吸収して低くなっている場合、歯の部分だけではなく、歯肉も一体となった上部構造を装着することになります。


術後右側:入れ歯と違って何でも噛める!と、患者さんに非常に喜ばれました。

 

インプラント治療って痛い?/strong>

 

よくあるご質問にお答えします。
Q.インプラント治療って痛いですか?
手術のことが一番気になると思います。顎の骨にネジを入れていくのってなんかこわいイメージがあるようです。
手術中は、麻酔をしっかりとかけます。痛みは感じない状態で手術を行います。少しでも痛みを感じられるようなら、麻酔を追加して行います。
全身麻酔ではないので、手術で触られている感覚は当然あります。
音や振動を感じてしまうのが、インプラント治療の埋入時ですね。
埋入後の待機期間や2次手術、上部構造装着などのステップと比べると、
埋入時のストレスが1番大きいわけです。麻酔の量も一番多いです。
また、お口の中は体の他の部分に比べて、傷が治りやすいという特徴があります。
実際に手術された患者さんの感想は、思ったよりも楽だった、早くやっておいてよかったと言うものが多いです。
では全く痛みや腫れがないのかというと、人によって身体の傷の感じ方、治り具合に差がありますので、
侵襲の大きい手術予定の方には特に、腫れや痛みが出る可能性が高いこと、
その際の対処法、不快症状が出ると思われる期間などを詳しくお伝えしております。

当院のインプラント治療のページはこちらです。
ぜひご覧ください。
セカンドオピニオン、相談のみなど歓迎いたします。