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ホワイトニングの基礎知識

2024年7月4日

こんにちは、こさか歯科クリニックです。

歯の色が気になるというご相談は多いです。
今回は、歯の色がどのように変化するかというトピックです。

 

症例写真

 


変色を気にされている患者さんの初診時の口腔内写真。実は歯の色の変化には様々な要因があります。
こちらの方はホワイトニングでこのように色調改善しました。

オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせて背術を行いました。

さて、このようにホワイトニングで改善できるケースは多いですが、適応のケースとそうでないケースがございます。
一体、歯はどのような原因で色が気になるようになるのでしょうか?

 

歯が着色する原因とは

歯が着色する原因には、大きく分けて外部由来のものと内部由来のものがあります。

 

○外部由来のもの

 

・飲食物による着色 → 歯のクリーニングで対応

 

コーヒー、お茶、ワインなどのタンニン系化合物を含んだ飲み物が特につきやすいです。コーヒーなどは、アイスよりもホットの方がつきやすいようです。ミルクを入れるとマシになります。

コーヒー   カフェインの取りすぎは良くありませんが、身体に良い効果も多く、適量を楽しみたいですね。着色したくない方は、アイスをストローで飲むと、歯の表側につきにくいのではないでしょうか。

 

・喫煙による着色 → 歯のクリーニング、ホワイトニングで対応

 

タバコのニコチン(ヤニ)の大半が歯の表面のエナメル質に沈着しますが、クリーニングで除去します。長期間にわたる喫煙では、歯質の内部に浸透しており、ホワイトニングが効果的です。

 

・虫歯による着色 → 虫歯治療、ホワイトニングで対応

 

虫歯は、お口の中の虫歯の原因菌による感染症です。糖を虫歯が取り込み、その代謝産物として酸が放出されます。酸によって歯が溶けているのが虫歯の穴となっているのです。虫歯のイメージは歯に穴が開く、欠けると言ったものですね。しかし、いきなり大きな穴が開くわけではなく、虫歯のなりかけの状態というのがあります。これは、歯の表面のエナメル質の脱灰と言います。酸でダメージを受けてはいますが、まだ穴はあいていない状態で、見た目は白濁しています。ホワイトスポットと呼ばれています。脱灰した歯質に、着色しやすい飲食物などが浸透し、さらに色が変わっていく現象が起きます。


虫歯で歯の色が変わっていますね。

見た目のインパクトはありますが、これだけわかりやすく黒く穴があいていても、痛みがないことも多いです。

 

・口腔清掃不良による着色  → 歯のクリーニング、ホワイトニングで対応

 

色素を生成する菌がお口に存在しますので、清掃不良により歯の表面が緑色、黒色に変わっていきます。


汚れが多く、歯の表面正常がザラザラ、ヌルヌルしています。


汚れで歯の形も変わってしまうほど、沈着が多いです。

 

 

・薬剤による着色  → 歯のクリーニング、ホワイトニング、セラミック治療で対応

 

ヨード系うがい薬(イソジンなど)、銀イオンなど金属イオン配合の口腔ケア用品、クロルヘキシジン系洗口剤(リステリン、コンクールなども金属イオンが含まれています)

コンクール  着色するほど使っているとしたら、量的な問題もあると思われます。

 

 

・金属の詰め物、被せ物による着色 → セラミック治療で対応

 

合金の土台(メタルコア)、アマルガム、合金の被せ物、部分的な詰め物など、保険診療で認められている合金は口腔内で腐食しますので、金属イオンが溶け出し、歯肉や歯質が変色することが多いです。

メタルタトゥー :歯も歯肉にも黒ずみが出てくることがほとんどです。歯肉にも金属イオンによる黒ずみが目立つ状態。外科的に切除します。

 

 

・光重合型コンポジットレジン  → 再修復、セラミック治療で対応

 

樹脂の詰め物のことです。光重合触媒として配合されているアミン系化合物により、経年的に変色します。研磨などで光沢感を戻すことは可能です。ホワイトニングは適応でなく、再修復が必要です。

詰め物の縁が目立つようになると、穴はあいていなくても詰め物やりかえを希望される方が多いです。

 

 

○内部由来のもの

 

・加齢による歯の着色  → ホワイトニングで対応

 

加齢によりエナメル質がすり減って薄くなると、象牙質は歯髄を守るため第二象牙質という組織を作ります。象牙質の厚みが増し、その結果、黄色い色が透けて黄ばみが目立つようになります。
元々の象牙質の色は決まっていますので、下顎前歯でエナメル質が薄いような場合は注意が必要です。また、エナメル質はほとんど無機質で構成されていますが、その隙間に着色物質が入り込み、歯の変色としてあらわれることもあります。

 

・エナメル質形成不全症 → CR充填、セラミック治療で対応

 

生まれつきエナメル質の一部に線条や白濁が見られたり、重度の場合は象牙質が露出し歯が褐色となります。

 

 

・先天性ポルフィリン症 → セラミック治療で対応

 

象牙質のカルシウムにポルフィリンが沈着し、歯冠がピンク〜赤褐色に変色します。

 

・低フォスファターゼ血症 → セラミック治療で対応

 

カルシウムーリン代謝が阻害され、歯が黒褐色に変色します。

 

・失活歯 → ウォーキングブリーチ、セラミック治療で対応

 

失活歯というのは、根管治療すみの歯のことです。元々あった歯髄は治療により除去されている状態なのですが、その血液や歯髄組織の変性物が象牙質の構造に入り込み、緑色・灰色・黒色などに変色すると考えられています。

 

・内部吸収 → 根管治療で対応

 

外傷による出血や感染により、歯髄側から肉芽組織が増殖し、象牙質が吸収されている状態。外から見ると、内部の吸収している様子は見えません。レントゲンで歯の根の中から穴があいてくるような所見になります。

内部吸収のレントゲン写真。歯の根の中央に黒い影が認められます。

 

 

・斑状歯 → 変色が強い場合はセラミック治療

 

エナメル質表面に不定形の白濁、褐色の色調変化が生じます。

 

 

・テトラサイクリン  → 複数回のホワイトニング、セラミック治療で対応

 

出生児〜6歳くらいまでの歯の形成期に、テトラサイクリン系抗生剤を投与されている場合、歯にグレー系〜黒色の強い変色が生じます。左右対称に発現する特徴があります。
『 ファインマンのテトラサイクリン変色の分類』
F1 淡い黄色、褐色、灰色で歯冠全体が一様に着色されていて、縞模様は見られない。
F2  F1よりかは濃く、歯冠全体が一様に着色されていて、縞模様は見られない。
F3  濃い灰色、青みがかった灰色で縞模様を伴うもの。
F4  着色が強く、縞模様も著明なもの。

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○歯科医院でなくてもホワイトニングできる?

 

現在、ホワイトニングには様々なシステムが使用されていますが、基本的に歯の内部から白くなるのは 、過酸化水素・過酸化尿素が含まれたホワイトニングです。こちらは医薬品ですので、日本では歯科医院でしか使用が認められていません。エステ店、セルフホワイトニング店で行われているホワイトニングの効果が弱いのは、このような取り扱えるシステムの差があるからです。

私たちのホワイトニング治療の説明動画です。
現在はポリリン酸ホワイトニングを行っており、より白く、明るくなる効果がたかいシステムを採用しています。

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