12/27(金)~1/3(金)
上記の通り休診とさせていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
12/27(金)~1/3(金)
上記の通り休診とさせていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
こんにちは、こさか歯科クリニックです。
今回は、インビザラインの歯の移動についてのお話です。
これはインビザラインの治療シミュレーションのソフトウェア、クリンチェックの画面です。
インビザライン治療を始める前は、まず口腔内のスキャンとアプリでの撮影を行います。
歯の動かし方を入力し、アライン社とクリンチェック作成のやりとりをします。
フィニッシング、アライナー枚数、ステージング、IPR、アタッチメント、エラスティック、バイトランプが、オーダーした治療計画と照らし合わせてどのように反映されているかをチェックします。
まず、バイトランプはアライナーによる臼歯の離開を防げるので、必須です。
臼歯の遠心移動ケースは、
①IPRで遠心移動量を減らしてください
②〇〇枚以内にしてください
というオーダーを出します。
class2の場合、咬頭を超えたclass2は抜歯矯正を計画します。
①1WEEK交換の徹底。
基本的に1週間交換を前提とした素材で作られています。あまりにも長い期間一つのアライナーを使用すると、劣化の問題が生じます。アライン社によると、劣化したアライナーの中で矯正で動かした歯の後戻りが生じるため、一つのアライナーを延長したとしても2週間までを限度とするようにとのこと。
②枚数の目安
単純に週数を考えると、26枚で半年、54枚で1年かかります。あまりにも枚数が多い治療計画はそもそも破綻している可能性があります。ただ、例外もあって、3日交換&多いアライナーを使って細かい順次的な歯の移動をすることがあります。そういう計画の時はMAXの99枚の計画になることもあります。
③アタッチメントは3枚目から
アタッチメントの設定は任意に可能です。最初から設定しないのは、1枚目と2枚目はアライナー自体に慣れてもらう期間であるためです。アタッチメントは歯の移動に効果的な反面、アライナーの着脱がしにくいので、慣れてきた3枚目で設定しています。
④遠心移動は1〜2歯ずつ。
前歯が前方傾斜し広がっているような歯列なら、そこも同時に解決しておくと、枚数を減らすことができます。
大臼歯の遠心移動は時間をかけて確実に行います。1本ずつ計画しています。
小臼歯は2本ずつ遠心移動します。
⑤上下で枚数の差が大きいときは、追加アライナーの時期を予定に入れておく。
⑥正中離開は早めに解決する。
正中離開とは、中切歯(真ん中の歯のこと)の間の空隙です。
⑦動かす期間
歯列の問題が軽度な場合は数ヶ月のうちに終わりますが、全体を動かしていくような計画は長期間になります。1年目で大まかに排列し、2年目には細かい修正をすることが多いです。
動かし方によって設定を変えます。
①挺出 横長の長方形
②捻転 縦長の長方形
③近心、遠心移動 縦長の長方形
下顎前歯が一直線になっているケースにおいて、アライナーが掴みにくい形をしています。最初にアライン社から送られるクリンチェックでは、アタッチメントがないことも多いので、自分で長方形のアタッチメントを設置します。
歯の移動量が多い場合や、動かしにくい状態の時、治療計画作成時に盛り込む工夫があります。
①全ての症例で1ステージから必ずバイトランプをつけますが、ディープバイトの症例で上顎前歯部を圧下させる場合は、バイトランプではなくプレッシャーポイントによって圧下させます。
②全ての症例で6番に大きい長方形のアタッチメントをつけます。
③全ての症例で臼歯部の咬合平面は前歯部と同じくらいの高さにします。
④全ての症例でSpeeはほぼ平坦にします。
⑤クロスバイトは必ず平坦にします。
⑥クラスⅡの場合は、プレシジョンカットによる顎間ゴムを使います。
⑦クラスⅢの場合は、下顎前歯部の舌側切縁に大きめのアタッチメントをつけます。
⑧下顎前歯は絶対に圧下させないで、臼歯部の咬合を上げて修正します。
⑨大臼歯は片側2本同時に動かさない。
⑩大臼歯の移動は1歯のみで行い、他の歯をアンカーにします。その際は、各歯3ステージごとに繰り返して動かします。
③上顎前歯部の圧下は、唇側に4°フレアさせた後に圧下を開始します。その際は、1番と2番は分けて2ステージごとに繰り返して行います。
④5ステージ以上の動きがある歯は、3ステージ動かしたら、一旦止めて他の歯を動かし、再び3ステージ動かすというのを繰り返します。
※ステージングについて、最終位置とアタッチメントが決まるまでは、ドクターからのステージングの指示はしません。クリンチェックは承認するまで何回かアライン社と修正のやり取りをします。細かいステージングを最初にオーダーすると、アライン社のエンジニアも大変ですし、こちらも修正がしにくいからです。
矯正治療期間中は、当院では1ヶ月ごとに経過を確認しています。アライナーをつけた状態でチェアーに来てもらいますが、フィットを確認するためです。
計画の中で何かしらのエラーが生じた場合、歯とアライナーがアンフィットになります。そのような部分は、気泡が多くみられます。
歯頸部側の適合もよくみます。特に挺出の時は、歯が予定通り提出していなければアンフィットが目立ちます。
アンフィットが1本の場合、そこの部分だけエラスティックというゴムをかけて修正することがあります。アンフィットが数本にわたるようなら、程度によりますが、一つのアライナーを長めに装着して様子を見ます。解消できなければ、追加アライナーを発注し対応します。治療の終盤なら、早めに追加するのが望ましいと考えます。
計画の途中なら他の歯への影響が大きいため、そのまま進んで、まあまあ全体的がまとまったら追加アライナーで修正をします。
エラスティックとは、矯正治療で歯に作用させるゴムのことです。
Ⅲ級では下顎の遠心移動で最初から設定します。
Ⅱ級では上顎5の遠心移動の時から使いますが、抜歯ケースでは大臼歯の近心傾斜のリスクのため使用しないようにしています。
全額にわたる矯正治療の場合、最初の計画のみで全て完了することはできず、2〜3回の追加アライナーで修正しつつ仕上げます。
できるだけ修正にかけられる時間を使えるように、最初のアライナーで60点〜70点くらいを目指してやります。そこから追加アライナーをやる方が簡単だからです。
①前歯;惻切歯の排列、正中の修正
②小臼歯;ローテーション、挺出
③大臼歯;アップライト、遠心移動
特に注意なのは、再遠心移動、惻切歯の挺出、前歯の圧下、小臼歯捻転です。これらは枚数がかさむ歯の移動です。
オーバーコレクションとは、動かしにくい歯の移動や後戻りしやすい部位への対応で、簡単にいうと必要な量より多めに歯を動かしておくことです。
①捻転
②ディープバイト
の場合、オーバーコレクションを計画します。
1年目は12時間、2年目は8時間と講習会で習いました。
リテーナーは可能な限り継続するのが望ましいです。
インビザラインのシステムは、現在に至るまでアップデートし続けています。1日に1000万円の開発費を投じて、より歯の移動がしやすく、シミュレーションの実現性が高められる仕組みに改善してきています。
私の先輩が、日本にインビザラインが入ってきてすぐくらいの時期に、使ってみたらしいのですが、出立ての頃はあまり使えるシステムではなかったそうです。
現在はその先輩もインビザライン治療が主な矯正治療の方法に変わってきています。このようなシステムをうまく活用し、臨床に活かしていきたいです。
こんにちは、こさか歯科クリニックです。
今回は、インビザラインの歯の動かし方と実際の症例についてのお話です。
歯が重なって生えている、叢生の改善ため治療を行いました。
術前術後の口腔内写真から見ていきます。
✳︎術後の歯に、一部アタッチメント(樹脂の突起)が残った状態での撮影です。
術前
術後
術前
術後
術前
術後
術前
左上犬歯を抜歯しました。
術後
術前
右下中切歯を抜歯しました。
術後
抜歯せずに、良い仕上がりで早く治療が終われたらとても良いです。ただ、叢生を改善するためには、狭いところに並んでいる歯をきれいに並べていくためのスペースが必要となります。
まずは、身体に侵襲の少ないことからスペース作りをしていきます。
①詰め物、被せ物を仮の材料に変える。
矯正治療後に、詰め物や被せ物をやりかえる予定のところは、最初から仮の材料に置き換えておきます。これにより元の歯の幅を減らすことができます。
②臼歯の遠心移動
臼歯を奥の方へ移動させ、葉を並べるスペースを作ります。MAXで上顎は4mm 、下顎は3mmまでとされています。例えば、矯正治療に先立ち親知らずを抜歯することも多いですが、その場合は第二大臼歯の後ろの骨がスカスカの状態になりますから、より遠心移動がしやすい状況になります。
遠心移動の際、歯を動かしやすくする目的で、頬側にアタッチメントをつけます。
③側方拡大
歯列を横に拡大することで、前歯のガタつきをきれいに並べるスペースを作ります。片方でMAX2mmまでです。
④IPR
歯と歯の間を機械で削り、スペースを作ります。一つの歯の面を1mm以上削ると、しみやすくなったりする健康上の問題が発生します。インビザラインのIPRの最大量は、一つの歯間につき0.5mmの設定ですので、健康上の問題にはなりません。
IPRを最大限に行うと、上顎で14.1mm、下顎で12.1mmのスペースを作り出すことができます。
インビザライン治療用の口腔内スキャナー(iTero)で口腔内をスキャンし、pcで矯正治療のシミュレーションをする際、1本ずつ正確な歯の幅径がわかります。IPRを行う際は、その中でもボルトン分析という項目もチェックし、周りや反対側の同じ歯と比較して、幅径が大きめの歯に対しIPRを行うプランにすると、バランスをとりやすいです。
IPRは基本、最初のプラン、30枚くらいで1回、追加の修正プランで1回で終わらせるようにしています。
細いバーを用いて、歯と歯の摩擦抵抗が大きいところに、歯肉縁下0.5mmまでIPRをします。
①抜歯した方が患者さんにとってメリットが大きいか。
上に挙げた4つの方法を駆使して、患者さんの主訴が解消できるかという点が重要です。そこには、治療期間や費用とのバランスも入ってきます。例えば、4つの方法を全てやり尽くしたとしても、実現できないような治療ゴールなら意味がありませんし、抜歯を併用することで大幅に治療期間短縮と費用削減ができるのであれば、そちらの方がメリットが大きいと判断できます。
基本的に上下顎全体を触っていくような矯正治療であれば、一度のマウスピース作成だけで最後までシミュレーション通り行くことはなく、3回程度は修正のマウスピースをオーダーし、仕上げていきます。大体最初の計画で小臼歯抜歯したスペースは、30枚くらいでその半分のスペースを埋めていくくらいのイメージです。
ちなみに、マウスピース26枚で半年、54枚で一年かかります。
②主訴が上顎前突だけなのか。
上顎前突は、いわゆる出っ歯のこと。オーバージェットという出っ歯の指標があるのですが、上顎前歯が下顎前歯より何mm出ているか、という意味です。これが5mm以上ある場合、上顎の歯を抜歯した上で前歯を引っ込めるメリットが大きいと考えられます。
特に、臼歯関係が正常であるⅠ級においては、出っ歯のケースで奥歯の遠心移動を行うと、せっかく整っている臼歯関係が変わってしまうため、抜歯矯正が良好な結果となります。
③抜歯したところの隙間。
大体上顎抜歯矯正では前から4番目の第一小臼歯を抜歯します。犬歯と第二小臼歯が隣り合う関係に仕上がるのですが、必ずそこに隙間が残ります。目で見てわかるほどではなく、1mm以下のほんのわずかな隙間です。患者さん自身も普段の生活で気になることはないと思われます。
①唇側に出さない。
私たちアジア人の顎の骨の特徴でもありますが、欧米人と比較すると唇側の顎の骨が薄いです。CT撮影することでより正確に確認できます。矯正治療で前歯を唇側に出していくと、骨のないところに根が露出してくるため、最悪抜け落ちることになります。治療計画作成時に、前歯をこれ以上唇側に出さないように注意しています。
もちろん、前歯が歯列のアーチより舌側に位置している場合は唇側に出して揃えます。
②IPRをしっかり入れる。
歯の軸が捻転しているような時、歯と歯の重なりが大きいような状態とすると、IPRを0.5mmしっかり入れて、摩擦をとっていくことが重要です。
③1本抜歯を検討。
アーチから最も離れている歯や、根管治療など大きい治療介入されている歯を選んで抜歯を行い、できたスペースを使って歯を並べることも検討していきます。
上顎前歯の裏に突起が設定されることが多いです。ほとんどのケースに用いられているのではないかと考えられます。
これは、バイトランプという仕組みです。
実は、アライナー装着した状態で過ごすだけで、上下顎奥歯は1.0mm〜1.5mm程度圧下させる力がかかります、圧下というのは、歯を顎の骨に押し込む力のことです。この理由は、上下顎の歯に装着したアライナー自体の厚みがあるからです。
歯列全体はきれいに整ってきているのに、奥歯が噛み合わなくなってきたというのは、アライナー矯正治療あるあると呼ばれているくらいです。
バイトランプが設置されていると、上下顎の歯を合わせたときに下の前歯の先端とバイトランプが先に接触するため、臼歯を圧下させる力がかかりにくくなります。
噛み合わせを仕上げる際に、シーソーの原理で、前歯がバイトランプで接触し、臼歯は逆に挺出(顎の骨から上に出てくること)が生じます。
奥歯の噛み合わせが弱くならないよう、治療計画作成時にもあらかじめ他の対策をしています。
インビザライン矯正では、上下の歯の接触強さを設定できるため、最初から奥歯の咬合接触を強くなるような歯の動きを盛り込みます。どうやっても奥歯は圧下されやすいため、このような計画にしておいて、最終的には生体がかみやすい位置まで落ち着いてきます。
他のバイトランプの目的としては、
・前歯の高さを揃えるレベリング
・逆被蓋改善
・歯並びに影響する舌の癖を解消する
・歯並びのカーブ(スピーの湾曲)の改善
が挙げられます。
毎日アライナーを装着する日々がスタートするわけですが、マウスピース矯正治療全てに共通することとして、患者さんに装着する・しないが委ねられるわけで、
「なんとなくつけるの忘れちゃった」
という感じだと、シミュレーション通りに歯は動いてきません。あくまでも1日20〜22時間装着されていたら1週間で次のアライナーに変えるということが重要です。
「じゃあ、1日あまりつけられないから、1ヶ月くらいつけてたら十分動いてる?」
と聞かれたこともあります。アライナー自体が劣化して目に見えない範囲で後戻りが生じますので、やはり良くないです。
治療スタート時にチューイーという白いゴムを渡しています。
アライナーを外し、食後、歯磨きしてまた装着するのは毎日やることですよね。
必ずチューイーを使ってアライナーがしっかり適合するように噛み込んで入れる必要があります。
これで、治療計画の再現性が非常に高まります。
毎回面倒に思われるかもしれませんが、アライナーが甘く入っているか、しっかり適合しているかで治療経過に大きく差が出てきます。何より、治療期間の無駄な延長につながりますので、チューイーを常に持ち歩き、装着時に必ず使用することが重要です。
当院の矯正治療のお問い合わせはこちらからお願いします。
こんにちは、こさか歯科クリニックです。
今回は、欠損と合金の被せ物の虫歯の再発に対して、
インプラントとセラミックで治療をした例についてです。
術前上顎:虫歯の進行により残根状態のところがあります。
術前下顎:奥歯は虫歯により欠損になっています。
術前左側:噛み合わせのない奥歯が伸びてきています。
術前右側:左側と同様に、歯の病的移動が見られます。
長期間歯の欠損が放置されていたため、
噛み合わせのない歯の病的移動が見られます。
術後口腔内写真上顎:インプラントとセラミック治療
術後口腔内写真下顎:インプラントとセラミック治療
術後口腔内写真左側:噛み合わせの面を揃えて治療をしています。
術後口腔内写真右側:両側の臼歯部でしっかりと噛み合わせを作ります。
まずは術前の検査と診断から行います。
インプラント治療を行う際、骨のあるところにインプラントを位置付けることができるか、CTで十分に確認をします。
すでに抜歯されていて、何ヶ月、何年も経過している場合は、骨の形態はなだらかになっており、
ある程度高さと幅が吸収して縮小していることが多いです。
骨って吸収する?何のこと?と思われたかもしれません。実は、歯の根がなくなった部分は、
ほっとくと自然に吸収して小さくなってきます。
インプラント治療を必要とする場合、虫歯や歯周病で歯を失っていることがほとんどです。
前歯の欠損の場合、事故で歯が折れてしまったということもあります。
炎症により骨が吸収していることが多いですし、
私たちアジア人の唇側の顎の骨は薄いので、
インプラント治療をする際、よく骨造成を行い、足りない骨幅を補っていく必要があります。
抜歯し、その周囲にある炎症性の組織を除去します。
同時にインプラントを埋入するのですが、足りない骨を補う骨造成もセットで行います。
GCのサイトランスグラニュールという材料を使用しています。
主成分は炭酸アパタイトで、国内初のインプラント治療に適応が認められた、
顆粒状の骨補填剤です。
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世界初の「炭酸アパタイト」が主成分とする、国内初の「インプラント周囲を含むしか領域での使用」が認められた顆粒状の骨補填材です。「炭酸アパタイト」は、骨の無機成分と同じ組成のため、患者さん自身の骨へ効率的に置換され、目標とした骨面の高さを維持します。また、インプラント体に対し、強固なオッセオインテグレーションの獲得を実現します。
公式サイトより
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生物由来原料ではないことが大きなポイントと考えております。
以前よく用いられていた骨補填剤は、ウシ由来の成分であったりしました。
サイトランスグラニュールはその点、完全化学合成によるものですから安心です。
何より、インプラント治療において、良好な結果を得ていること、
実際使用している歯科医師からの評価も高いことから、私たちも導入することになりました。
インプラント埋入し、骨が足りない部位に骨補填剤を転入した後、
そのまま軟組織を縫合して終わるとどうなるかというと、
骨造成したところに軟組織が入り込み、意図したエリアの骨造成ができないのです。
そこで、非吸収性フッ素樹脂(d-PTFE)オープンバリア・メンブレンというものを用いて、
軟組織が入り込まないように骨造成部位をカバーし、その上から軟組織を縫合します。
これは非常に優れもので、骨造成をする部分の軟組織が完全に閉鎖しなくても、
バクテリアの侵入を防いでくれるメリットがあります。
縫い合わせた傷口は、一般的には開いてほしくないわけですが、このメンブレンを用いると、
傷口が開いてメンブレンが露出しても、感染が生じるわけではないので、そのまま治癒を待つことになります。
大体術後4週くらいの間にメンブレンが自然に浮いてきますので、ピンセットで除去をして終わりです。非常に使い勝手が良い材料であります。
この投稿コーナーでも何回か触れたことがありますが、正確な位置のインプラント埋入は、実は術後の被せ物の寿命に大きく関わることです。
インプラントの角度、位置は、術者の少しの手のブレ、手術用ドリルのブレによって大きく左右されます。
私たちは、せっかく治療したところが長持ちして欲しいので、インプラント治療に手術用のガイドであるノーベルガイドをよく用いています。
CTデータを元に、インプラントの被せ物の形態を決め、それが口腔内で機能するために理想的なインプラントの位置を逆算してプランニングします。
そのシミュレーションをノーベルバイオケア社におくり、手術用のガイドが送られてきます。
半透明でインプラント埋入位置が再現されている金属のスリーブが内在しています。
この写真のガイドは、上顎に4箇所、10度以内の角度でインプラントが位置付けられるようにしたものです。人間ではそのような手術をフリーハンドで行うことは不可能です。
ではガイドを用いない時はあるのかというと、少ないですが条件が整っている場合にガイドなしでも施術をします。骨幅や高さ、軟組織、審美性にある程度ゆとりがあり、許容範囲が大きい場合です。
ただ、基本的にはシミュレーションした位置を口腔内でも再現できるように、ダイドを用いるのが良いと考えています。
インプラントの被せ物が入り、そこから患者さんの新たな生活がスタートします。私たちは、インプラントが特別強くも弱くもないです、とお伝えしています。この意味合いとしては、インプラントは虫歯にはならないですが、お手入れを全くしなければ、周りの歯と同様に歯周病と同じ状態になるため、ケアはしっかりしましょうねという意味です。
よく誤解されている方がおられますが、インプラントを入れたところが特別骨が溶けてなくなっていくという都市伝説のような話があります。インプラントは歯周病と同じ状態になりうるのですが、もしそうなったときは、周りの歯も同様に歯周病でダメになっているわけで、だから特別強くも弱くもない、とお話しているのです。
インプラントにフッ化物のケアは材質的に合わないと考えられています。
これもメリットデメリットを考慮して、ケア用品を用いる必要があります。
例えば、口腔内にほとんど天然の歯が残っており、数本インプラントで補綴されている箇所があるとします。このような場合、フッ化物のケアは、大部分を占める天然歯の虫歯予防のメリットが大きいため、積極的に用いると良いでしょう。
反対に、上顎がALL on 4、下顎がインプラントオーバーデンチャーといった、ほとんどあるいは全ての歯がインプラントによる補綴装置の場合、そもそもフッ化物のケアをするメリットがないか非常に小さいため、必要ないという判断になります。
インプラントは非常に良い治療ですし、もっと世の中に広まって欲しいです。周りにインプラント治療を受けた方がおられて、そのクリニックの評判が良ければ一度相談に行かれたら良いと思います。
私たちのクリニックでも、お気軽にご相談いただけたら幸いです。
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こんにちは、こさか歯科クリニックです。
前回に引き続き、口腔内の病気についてのトピックです。
“口腔潜在的悪性疾患(Oral Potentially Malignant Disorders;OPMDs,)”という名前を聞いたことがあるでしょうか。
2017年にWHOにより新たに定義された“疾患概念”で,「口腔がんになりやすい口腔粘膜疾患の総称」を意味します。
これまでは“前がん病変、前がん状態”とよばれていた疾患を含んでいます。
口腔がんは人口10万人あたり6人未満の希少がんと前述しましたが、
OPMDSの保有率は2.5%(100人に2,3人)です。
1. 白板症
2. 紅板症
3. 紅板白板症
4. 口腔扁平苔癬
5. 口腔カンジダ症
6. 円板状エリテマトーデス
7. 先天性角化不全症
8. 日光角化症(光線角化症)
9. 梅毒性舌炎
10. 口腔粘膜下線維症
11. 無煙タバコ角化症
12. リバーススモーキング関連口蓋病変
1. 白板症
比較的頻度が高く,癌化の可能性が高い
(4.4~17.5%)ため注意を要する粘膜疾患です。文字どおり、板状に粘膜が白く分厚くなっている状態です.粘膜が分厚くなっているため、拭っても除去はできないのが特徴です。
舌の辺縁や歯肉、頰粘膜に好発します。粘膜の白色肥厚の正体は角化です。義歯や補綴物の不適合や慢性刺で同様に粘膜が角化し、白く見えることがありますが、これは白板症ではありません。
特に原因が明確でないにもかかわらず、粘膜が白色肥厚していれば、白板症を疑います。疣状になって大きくなったり拡大したり、濃を伴う場合はすでに癌化している可能性もあります。
まれですが、癌化の可能性がきわめて高い(30~70%)ため注意を要します。鮮紅色で表面が斑状でビロード状の病変です、舌,口底,歯肉、粘膜などに見られます。
発見時にすでに癌化している可能性がく、“口腔がん”に準じて扱う必要がある病変です。
白板症のなかに赤みを伴う部分が存在する場合があり、これを紅白板症といいます。白板症のなかでも癌化しやすい状態ですので、特に注意が必要です。
頻度が高く、注意が必要な粘膜疾患です。粘膜にレース状の白斑を呈し、赤みを帯びる病変です。中年期以降の女性に多く、頬粘膜に好発します。発生原因に自己免疫系の異常が関与しているといわれており、免疫系の細胞が粘膜を攻撃するために炎症を起こす結果、このような症状をきたします。炎症の程度により「刺激物がしみる」「ヒリヒリした痛み」訴えることがあります。
癌化の可能性は2〜6%と、さほど高くありませんが、目にする頻度も多いので発見した場合は、長期のフォローや症状の程度によっては口腔外科専門医へ紹介する必要があります。
近年、高齢化が進んだことで頻度が高くなっています。口腔カンジダ症は、口腔粘膜が真菌(カビ)に感染することで起こります。
口腔カンジダ症といえば“ガーゼなどで拭い取れる”白斑が特徴ですが、白斑を伴わず“赤く、ただれたような”病変が広がる、いわゆる“赤い口腔カンジダ症”が存在することに注意が必要です。特に高齢者の場合、義歯の下部に白い口腔カンジダ症も、赤い口腔カンジダ症も発生していることが多く,慢性化して癌化の可能性が高くなります。高齢者の義歯下の粘膜の変化には注意が必要です。
皮膚に角化やびらんを伴う不規則な形態の紅斑性病変です。自己免疫疾患の1つですが、紫外線により悪化や発症することが知られています。口の中では口唇や頰粘膜に紅斑やびらんが出現し、癌化することがあります。
血球の減少を伴う爪の委縮、口腔の白板症,皮膚色素沈着を主徴とする先天性の疾患です。前記の症状は必ずしもそろうことはなく、不全型も多いとされています。口腔の白板症から癌化することが報告されています。
慢性の紫外線刺により皮膚細胞のDNA変異が生じて発症します。表面がザラザラした斑状になり、わずかに隆起する、皮膚がんの前駆病変でもあります.口唇は紫外線が当たりやすい場所であり、口腔がんに移行しやすいです。
近年、日本で梅毒感染が増加しているとの報告があります。梅毒に罹患すると早期の段階から特に舌に炎症を起こすことが知られており、病期によって紅斑や白斑などさまざまな症状を呈します。このような舌の症状を梅毒性舌炎といいますが、癌化しやすいことが報告されています。
以下に示すものは、特別な喫煙状態により生じるもので、日本人に見られることはないと考えられていますが簡単に特徴だけ説明します。
東南アジアで噛みタバコと同じくらいポピュラーな嗜好品である“ビンロウジュ”によって口腔粘膜下が固くなる疾患です。頰粘膜に出現します。
世界的には無煙タバコの1種である噛みタバコを嗜好する習慣があり、噛みタバコにより口腔粘膜表面の著しい角化が生じます。これも頼粘膜に好発します.
“無煙タバコ”というと電子タバコをイメージしがちですが、そうではありません。電子タバコも通常のタバコ同様のリスクがあると考えられています。
喫煙の特別な方法として、「タバコの火のついたほうを口の中に入れて喫煙する」というリバーススモーキングというものがあります。特に、口蓋に火傷とともに高度の炎症を起こし、慢性化すると癌化します。
癌化する可能性のない、日常よく遭遇する口腔粘膜疾患について紹介します。
不適合な義歯や補綴物により、舌や粘膜に傷が生じ,そこから細菌感染により清瘍が拡大します。補綴物などの刺激を改善すると、7日程度で消失します。原因が明らかになっていることが重要です。
特に原因となるものがないにもかかわらず、口唇や舌などに周期的にできる口内炎を指して、再発性アフタとよびます。直径数mm大の類円形の浅い潰瘍です。周囲に発赤を伴うこと(紅量)が特徴です。7~14日くらいで自然に消退するのが特徴です。
舌背部に多数の溝が生じる状態を指して、溝状舌といいます。遺伝的素因で生じると考えられています。加齢とともに明らかに溝が深くなってくるため、不安に思われる患者さんも多くおられます。治療の必要はありません。
舌背部に地図状の模様をきたす状態を地図状舌といいます。中央部が鮮紅色でその周囲に白色の縁取りを示す大小の斑が現われ、日によって形状が変化します。原因不明ですが、自覚症状がないことが多く、治療の必要はありません。
歯肉上に発生した”炎症性”の増殖物のことです。歯肉に発生する増殖性変化としてもっとも多いものです。
エプーリスの粘膜表面はツルツルしていて正常粘膜色で,歯肉から有茎性に増殖してくることが特徴です。
※良性、悪性かは腫瘤の辺縁を上方に持ち上げ、腫瘤が茎性であることを確かめます。癌は正常組織に浸潤し、下広の腫瘤であるのに対し、エプーリスは、歯肉に茎状に付着しています。
口腔内の変化が気になったら、まずネットなどで調べる方が多いです。
気になったら歯科受診し、必要な検査と診断されると安心と思います。
当院へのご相談はこちらから。
こんにちは、こさか歯科クリニックです。
私たちのクリニックの特徴として、
健康な人が訪れる
ということが挙げられます。
定期的に歯科受診をし、溜まった歯石を除去したり、虫歯や歯周病のチェックをするのはもちろん、
普段ケアがどの程度できているか、磨き残しを染め出しして、
検査結果をしっかり患者さんと共有するのです。
60分かけて検査や口腔内の清掃指導、歯石やバイオフィルム除去を行います。
磨き残しの染め出し液:毎回プラークチャートと言って、磨き残し部位の記録を行います。
はっきりと数値で経過を追えますので、モチベーションアップにとても役立ちます!
この時、口腔内の粘膜、舌の性状、口唇もチェックします。
今回のトピックは、定期的な歯科受診で病気を発見することについてです。
”口腔がん”と聞くと難しく考えてしまう方も多しのではないかと思います。歯科は「歯のことを扱う病院なので,がんは関係ない」と思われる方もおられるかもしれません。しかし、口腔粘膜を診る専門診療科は歯科以外に存在しません。
口腔がんは頻繁に発生する病気でしょうか。日本において毎年新規に診断される口腔がんは、人口10万人あたり4,5人と推計されます。人口10万人あたり6人未満の発症率のがんは“希少がん”とよばれており、口腔がんは希少がんに分類されています。しかしながら、口腔がんの患者さんは現在8,000人を超えており、増加傾向にあるのです。
ご存じのように、口腔がんが進行すると、食事をはじめ。会話や呼吸が障害されるだけでなく、生命の危機に脅かされる可能性があり、できる限り早期に発見することが必要です。歯科医師は”口腔がん検診”を各地で実施して、口腔がんをできる限り早期に発見しようと努めていますが、口腔がんの発症率を見てもわかるように、口腔がん検診で口腔がんを発見するのはきわめて困難なのです。
口腔がんは、血液検査やX線検査で簡単にわかるような検査法がありません。歯科医師が検診会場に出向いて、口腔粘膜を検診するしかないのです。熟練した歯科医師でも口腔がん検診で1日に診察できる住民の数は、せいぜい100名程度だと思われます。口腔がんは人口10万人に5人とすれば2万人検診をしてやっと発見できる程度ですから、口腔がん検診で発見するのはいかに難しいことかご理解いただけると思います。
●口腔がん発見における
歯科医院・歯科衛生士の役割
口腔がん検診が日常の歯科治療のなかで行えるとしたらどうでしょうか.。20歳以上の歯科受診率は50%を超えています。数千万人が歯科を受診しているわけですから、口腔がんが発見できる可能性がずいぶん高くなります。
残念ながら、”診察時に口腔粘膜を診察し、口腔がんを発見する”ことをされている歯科医師の先生は、まだほとんどいないのが現状だと思います。患者さんの多くは“歯にかかわる主訴”で来院しているので、どうしても歯に意識が集中しがちです。患者さんも歯科医師に口腔粘膜のことを相談してもよいか,ためらう方が多いように思います。
歯科衛生士は歯科医師よりも、歯肉をはじめとする口腔粘膜を診ています。さらに患者さんにより近い存在として認識されているのではないでしょうか。歯科衛生士は口腔がんを発見するチャンスが多いのです。難しく考える必要はありません。口腔粘膜が正常か異常か、それを判断し、歯科医師に診断を委ねる、すなわちトリアージ(診断の要否の選別)をすればよいのです。このことで歯科衛生士の技量も医療人としてのレベルも格段に向上すると考えます。
—がんを身近に考えるために正しく知りましょう—
まず、”がん”と聞いて、自分とは無縁の病気と考えてはいないでしょうか。日本人の半分は“がん”で死ぬ、そんな時代です。そういう意味でも決して無縁の病気ではありません。
それだけではありません、実は成人の身体では、毎日5,000個のがん細胞が発生しているといわれています。元気に仕事をしているあなたの身体にも,もちろん私の身体にも、です。しかし幸いなことに、毎日このように生まれるがん細胞は免疫細胞により死滅するか、がん抑制遺伝子という遺伝子の働きにより自動的に死滅していきます。ですから,通常では皆さんの身体にがん細胞が増殖することなく、健康でいられるのです。
では、どうして”がんになるのでしょうか。
人間が生きていくうえで,外界との接触は避けられません。このような刺激は、人間の身体を構成する体細胞の遺伝子に傷をつけてしまいます。よくタバコやアルコール摂取ががんのリスク因子だといわれますが、このような化学的
刺激や細菌・ウイルスなどの生物学的刺激、不適合な義歯や補綴物、日光の曝露などの物理的
刺激はすべて遺伝子変化をもたらします。
遺伝子変化は通常は修復されますが、繰り返されることや傷の程度によって修復されないままになると、遺伝子異常として残ってしまいます。複数の遺伝子がこのようなしくみで異常を起こしてしまい、かつ発がん遺伝子に異常が起きて発がんのスイッチが入り、がん抑制遺伝子に異常が起きてがん細胞が死滅しなくなると、
がん細胞はもはや,増殖するしかなくなるのです。
いったんがん細胞が増殖しはじめると、がん細胞は頼みの綱であった免疫細胞からの攻撃から逃避できる機能も獲得してしまいます。遺伝子異常の積み重ねで”発がん”するので,がん患者さんがご高齢の方が多いのはこれが理由です。
遺伝子異常で“がん”になるというと,「じゃあ、がんは遺伝するのか?」と思う方がおられるかもしれません。親の遺伝子にさまざまな傷がついたとしても、それは遺伝しません。よく、「がん家系だから」と言う方がいますが、多くのがんは遺伝せず,“がん家系”というのはたとえば、タバコや飲酒の習慣、食事の傾向や、腸内細菌の形成は同居する家庭内では共通しており、家族で同じような刺激を共有することであてかも”がん家系”のようにみえることがほとんどです。
—訴えがあってから診るのではもう遅い—
さて、すこし”がん”が身近に感じられたでしょうか。がんの成り立ちを理解したところで、口腔がんの話に戻りましょう。前項でお話ししたように、”がん”は1つのがん細胞から始まり、増殖することによって形作られます。自分の身体の細胞が変化してできたがん細胞ですから。“がんになったばかりは症状がない”のです。がんは組織を破壊しながら大きくなりますが、神経を破壊するところまで進展しないと痛みを自覚することはありません。
口腔がんにおいては“痛み”のほかに、「噛めない」「飲み込めない」「口が開かない」というような症状の訴えがありますが、これらはそれぞれ“がん”が「歯槽骨を破壊して、歯が動揺する」「舌の筋肉を破壊して、舌が動かなくなる」「開閉口筋を破壊して、口が開かない」という状態で,かなり進行した口腔がんということになりす。つまり,患者さんが訴えてからロ腔がんを発見するのではかなり遅いのです。早期発見のためには、歯料医での日常的な口腔粘膜の観察と正しい知識を患者さんや一般の方に知っていただくことが大切です。
他の部位の“がん”では、血液検査やX線で精密検査をすべき患者さんを絞り込むことができます。しかしその一方で、内視鏡やCTなどを使わないと診断につながりません。前述のように口腔がんにはいまのところ血液検査やX線
検査のような有効な検査法がありません。その一方で、口腔がんは直接目で見ることができるので、歯科での治療で毎回口腔粘膜をチェックさえすれば,精密検査をつねにしていることになります。特別な装置も薬剤も必要ありません。
さらに、口腔がんには前触れと考えられる粘膜の変化があります。口腔がんの前触れを歯科医院で察知できれば、口腔がんを早期発見し、口腔外科専門医と連携することは困難ではありません。